代表弁護士三平聡史1 死亡(相続の開始)
2 死亡届の提出・死体埋葬許可証の取得|7日以内
3 葬儀|通夜・初七日・四十九日法要
4 遺言書の確認(家庭裁判所の検認・確認の手続)
5 相続人の確定
6 相続財産(遺産)の調査
7 相続放棄・限定承認等の手続|死亡から3か月
8 相続人の繰り上がり(相続放棄の場合)
9 準確定申告|4か月以内
10 遺産分割(協議・調停・審判)
11 遺産分割終了
12 相続税の申告|10か月以内
13 相続手続完了

遺留分の請求の流れについては,別にまとめてあります。
遺留分の解決事例,手続の流れ|専門弁護士ガイド

1 死亡(相続の開始)

民法上,相続の開始とされています。
事案によっては,死亡の認定タイミングが問題になります。
詳しくはこちら|死亡認定・3徴候説|刑事責任との関係・臓器移植法改正

2 死亡届の提出・死体埋葬許可証の取得|7日以内

死亡診断書を添付して,市区町村役場に死亡届を提出します。
健康保険・年金共済などの『被保険者死亡届』の提出も行います。
生命保険金に加入していた場合は『保険金請求』の提出を行います。

3 葬儀|通夜・初七日・四十九日法要

葬儀費用は,遺産分割や税務申告で控除の対象となります。
領収証などの記録を保管しておくと良いです。

4 遺言書の確認(家庭裁判所の検認・確認の手続)

よく,検認せずに開封してしまうケースがあります。
検認しなかった場合でも,遺言が無効になるわけではありません。
ただし,5万円以下の過料の対象となります。
むしろ,『遺言は偽造・無効』という主張をされることにつながってしまいます。
なお,公正証書遺言は検認が不要です。
公正証書遺言については,存在の有無を確認する『検索システム』があります。
詳しくはこちら|遺言の検認|検認義務・手続の流れ・遺言作成時の注意
詳しくはこちら|遺言の無効事由の種類(全体・無効主張の特徴・傾向)
詳しくはこちら|公正証書遺言のデータベース化・検索システムと閲覧・謄本取得

5 相続人の確定

戸籍謄本(戸籍事項証明書)をさかのぼって取得して調査します。
死後認知遺言認知の場合,戸籍に反映されていないので注意が必要です。
さらに,代襲相続という特殊な制度で,おい・めいが相続人になることもあります。
ここで相続人の範囲を間違えて遺産分割を行ってしまい無効となるケースも散見されます。
複雑なルールがありますが,誤解の多いところです。
慎重に,的確に判断することが重要です。
詳しくはこちら|死後の認知|全体|認知を回避or遅らせる背景事情
詳しくはこちら|遺言認知|子の存在を隠す・遺言執行者が遂行・相続→金銭賠償
詳しくはこちら|『形式的な相続人』への返還請求は期間制限がある;相続回復請求権
詳しくはこちら|相続関係の調査(戸籍・法定相続情報証明制度)
詳しくはこちら|孫も『代襲』して相続人となることがある;代襲相続

6 相続財産(遺産)の調査

<主な相続財産の調査方法>

あ 不動産

登記簿(登記事項証明書)

い 預貯金

銀行などの預金残高証明書や取引履歴

う 株式

預かり資産証明書や取引履歴

不動産,株式は相続税,遺産分割では,別々の評価が必要になります。
遺産を集計するには遺産目録を作成するのが通常です。
詳しくはこちら|被相続人の預金取引履歴を相続人が開示請求できる,解約済は見解が分かれる

7 相続放棄・限定承認等の手続|死亡から3か月

マイナス遺産(債務)の方が大きい,という場合は,相続放棄が推奨されます。
プラスとマイナスがハッキリしない,という場合には限定承認が良いこともあります。
特に手続をしないと,単純承認となります。
詳しくはこちら|相続を受け入れる方法は単純承認と限定承認がある
詳しくはこちら|相続放棄;趣旨,手続,遺産分割との違い,対抗関係

8 相続人の繰り上がり(相続放棄の場合)

また,相続放棄により除外されることもあるので,これにより繰り上がりが生じます。
詳しくはこちら|他の方が『相続放棄をしたかどうか』を家庭裁判所へ照会できる

9 準確定申告|4か月以内

被相続人の死亡までの間の所得税の申告です。
これを忘れて無申告加算税などのペナルティが課せられることもあるので注意が必要です。

10 遺産分割(協議・調停・審判)

<遺産分割の協議,調停,審判>

あ 遺産分割協議

全員で合意しない限り,成立しません。
1人でも反対していると,成立しないのです。

い 遺産分割調停

不成立となると,自動的に審判移行となります。

う 遺産分割審判

審判では和解が成立しない限り決定(審判)として,裁判所が分割方法を決めます。

実際には遺産分割の前後で,遺留分特別受益寄与分が主張・請求されることも多いです。
実質的には通常,遺産分割とまとめて協議,審理されます。
詳しくはこちら|相続手続全体の流れ,遺産分割の位置付け,『遡及効』のまとめ
詳しくはこちら|相続人の行方不明の場合,失踪宣告or不在者財産管理人選任をすれば遺産分割ができる
詳しくはこちら|遺留分の趣旨と遺留分権利者や算定方法のまとめ
詳しくはこちら|故人への生前の支援,貢献は寄与分となる
詳しくはこちら|特別受益の基本的事項(趣旨・持戻しの計算方法)

11 遺産分割終了

遺産分割の協議,調停,審判のいずれかの段階で合意や審判確定に至ると,遺産分割が完了,確定します。

12 相続税の申告|10か月以内

実際には,遺産分割の協議や調停が続いていて,まだ遺産の承継が確定していないということも多いです。
その場合,暫定的な申告をしておけば,無申告加算税特例が使えなくなるという不利益を回避できます。
詳しくはこちら|未分割での暫定的な相続税申告
詳しくはこちら|相続税;民事的解決との関係,算定方法,小規模宅地,物納

13 相続手続完了

登記,登録,預貯金,証券口座などの名義変更・申請手続を行ないます。

<その他の事務的手続|例>

健康保険・年金共済に関する『切替』手続
公共料金の引き落とし口座変更