【医師の離婚|評判ケア・スピード重視・仮差押・税金の問題・破綻の特徴】

1 夫婦・男女問題×立場・評判への配慮

医師の離婚や男女問題の解決では、社会的な立場に対する評判、に配慮する必要があります。
『夫婦や男女問題を抱えている』ということが知れること自体が本業(業務)に悪影響を与えることもあります。
女性(妻)側から見れば、このようなスキャンダルは、交渉の材料、とも言えます。

しかし、女性側が公表・リークすること自体が法的に許されているわけではありません。
実際に、激昂した女性が勤務先や自宅に押しかけてくるというケースもあります。
男性側としては、『悪い条件を受け入れず、かつスピード最優先の交渉』という方針が最適戦略となります。
次にまとめておきます。

男性側の最適戦略

あ 交渉(連絡)をテンポ良く進める+代理人が女性の意見・気持ちの聴取を積極的に受け入れる

とにかく、スピード最優先で交渉を進めて、穏便にトラブルの終息を図る、という方針が鉄則です。
感情の高ぶりによるアンコントローラブルな動きの抑制につながります。
逆に言えば、激昂による常軌を逸した行動は、そこに至るまでの経緯に悪い条件が重なった時に発現すると言えます。

い 女性側の態度によっては面会強要禁止の仮処分などの具体的アクションを行う

警察は実際の被害がないと動かない傾向が強いです。
この点、裁判所による面会強要禁止の仮処分であれば、一定のおそれだけで発令を得ることができます。
またDV防止法の保護命令の手続も有用です。
激昂した者にとって、心理的に大きな抑制が効き、沈静化することも多いです。
詳しくはこちら|保護命令

う 女性側の『交渉方法』自体の違法性を指摘し、責任追及を予告する

実際に違法行為があれば、犯罪に該当することを指摘して、告訴を予告することもあり得ます。
交渉の形勢が逆転することも多いです。
ただし、これは最終手段であり、実務では、上記『あ』『い』をしっかりと遂行しておけば『う』に至ることはほとんど抑制できています。

一方女性側としては、違法性に十分留意しつつ、有利な条件を引き出す、という方針を取ることになります。

女性側の最適戦略

違法とならない範囲で有利な条件を要請する

いずれにしても、純粋な『離婚・男女問題』ではない、『名誉棄損』、『恐喝』などの法律問題のノウハウも最大限活用することが有利・スピーディーな解決に必須なのです。
詳しくはこちら|不倫を公表したことの法的責任(名誉毀損罪・侮辱罪など)

2 離婚問題の解決スピード重視→交渉で終息させる

(1)解決手法

解決へのルートとしては、交渉、調停、訴訟があります。
一律に『どれが有利』ということはありません。
事案の内容や当事者のお考えによって、それぞれのメリット・デメリットから最適な方法を選択すべきです。
3つの類型だけを比べると、交渉で解決に至るということのメリットが大きいです。

(2)調停・訴訟の特徴

調停・訴訟の特徴

あ メリット

・公平、中立な者(調停委員、裁判官)が関与する
・主張・立証の出来具合によって、調停委員や裁判官が相手方に譲歩を要請してくれる
・訴訟では、当事者が譲歩しない場合でも、強制的に解決を実現できる
・判決、調停、(訴訟上の)和解のいずれも、強制執行をすることができる

い デメリット

・解決の長期化
『裁判期日』は、概ね1か月に1回です。
解決に至るまでに半年〜1年程度かかることも多いです。
また、仮に判決に至っても、相手が控訴すると、判決は確定せず、控訴審に意向します。
・当事者の出席
代理人弁護士がいる場合、本人の出席は必須ではありません。
ただし、話し合いの進行状況によっては、個別的にご本人の出席が要請されることもあります。
詳しくはこちら|家事調停・審判・訴訟における当事者本人の出席の要否
・訴状、準備書面、陳述書作成などの書面作成の手間がかかる
もちろん、弁護士が大部分を作成しますが、その際に事情をうかがうためにお打合せが必要となります。
また、お客様に、原案をしっかりと読んでご確認いただく必要もあります。
お時間、労力など、お客様の負担が大きくなります。

(3)交渉による解決の特徴

交渉による解決の特徴

あ メリット

・スピーディーに進行する
交渉の『ペース』についての決まりはありません。
通知書、電話、面会など、具体的な意見交換についても決まりはありません。
実際に、2〜3か月程度で解決に至ることも多いです。
もちろん、もっと長いこともあれば、数日で解決に至ることもあります。
・スピードと内容の調整が自在
また、合意に達した場合の証拠化についても、合意書(私文書)、公正証書、和解調書(訴え提起前の和解)などのバリエーションがあり、やはり決まりはありません。
『スピード』と『解決方式』のバランス、について、フレキシブルに調整することができます。
・ご本人の参加不要
交渉は、代理人弁護士だけで進めることになります。
ご本人の同席は不要です。

い デメリット

・当事者以外の関与なし
合意に達しないと決裂します。
中立の立場の者の調整・説得、というものはありません。
合意成立を第三者が促進する、という機能がないのです。

(4)まとめ

結局、同じ解決に至るのであれば調停・訴訟よりも交渉の方が、『スピード』『当事者の参加不要』という点で大きなメリットがあるのです。
あとは、調停・訴訟と同様の解決に至る、ということが実現できるかどうか、にかかっています。
実は交渉でも、その提案内容や根拠の説明、資料(証拠や判例)の提出など、訴訟と似ている作業が解決実現に大きな効果を発揮します。
中立の立場の裁判官が関与しない分、弁護士のノウハウ・工夫が大きな結果の違いとして現れる傾向が強いのです。
例えば、トラブル自体が評判に関わることを避ける事情がある場合は、交渉による解決を再優先にする方針を取る、などの方針設定の時点から弁護士のウデによる違いが始まっているのです。

3 資産・収入が多い離婚交渉では仮差押リスクへ配慮すべき

財産分与や慰謝料といったまとまった金銭清算は、離婚が成立した時に発生します。
逆に言えば、離婚が成立するまでの間は、財産分与や慰謝料を実際には払わない状態です。
この状態は、請求する側から見ると、財産を逃されてしまうリスクがあります。
そこで、仮差押の手続によって、相手の財産を動かせなくする、ということが可能です。
簡単に言えば、相手の預貯金、給与、不動産にロックをかけることができるのです。
仮差押は、勤務先にバレたり、登記簿に載ったりするので、精神的ダメージが大きいです。
収入が大きい男性としては、一定の交渉を先行させる、などの工夫で仮差押リスクを最小限に抑制するという対抗策が推奨されます。
詳しくはこちら|保全手続×和解促進作用|審尋期日/仮差押後の和解|解放金の弱点

4 資産が大きい離婚では、税金のリスク配慮も必要

夫婦間で離婚の条件について、和解・調停が成立しても、税金の落とし穴、に注意が必要です。
特に、不動産や株式を財産分与として譲渡すると、高額の譲渡所得税が課せられるリスクがあるのです。
夫婦間では条件に納得しても、『外部』から想定外の不利益が飛んでくる、ということになってしまいます。
逆に言えば、和解条件の交渉の段階で、課税についても含めて考慮する、ということが重要なのです。
詳しくはこちら|離婚の際の財産分与に関する課税の全体像
詳しくはこちら|離婚などの慰謝料への課税(基本的に非課税・例外あり)
詳しくはこちら|養育費(扶養)に関する贈与税・所得税(原則として非課税・一括払いに注意)

5 医師の離婚|病院内の不倫という原因が多い

(1)離婚に至る背景事情の把握がカギ

夫が医師である、というケースの離婚問題では、背景を把握することが、最適戦略の検討・決定に役立ちます。
もちろん間接的に役立つに過ぎません。
しかし、僅かな有利・不利の差が、実際には大きな結果の違いにつながることが多いのです。

(2)院内恋愛の要因|魅力アップ

医師の離婚の発端・原因は、病院・医院内での不倫関係が多いです。
職場というのは、働く姿を見せる場所であり、異性が魅力を感じることが多い場所です。
さらに、医師というステータスもあり、より、女性が魅力を強く感じるということにつながる傾向があります。

(3)院内恋愛の要因|外部アクセスの機会が少ない

事情により異なりますが、医師は『非常に忙しい』状態にあるケースが多いです。
そのため、院外(外部恋愛市場)での恋愛が発生する機会がない、という傾向があります。
消去法的『院内恋愛』が生じやすい、という構造的要因も見受けられます。

(4)院内恋愛はデリケートな扱いを要する

職場内での不倫関係は、その行方によって、さまざまな法的問題につながります。
全体的・総合的な配慮・工夫をしながら交渉を進めることが結果の違いとして現れます。

6 相互に期待が大きいため、期待はずれと感じることが多い

(1)医師の夫は家事・育児について妻に大きく依存する

一般的に、医師は仕事が忙しく、また患者の生死に直面する大きな責任とともに大きな心身の負担があります。
そこで、医師の夫としては、妻に家事・育児を任せきりにする傾向があります。
さらに、収入が大きいことや、いわゆる『モテる』ことから、妻への要求レベルが高くなりがちです。
特に子供の教育に関しては、自らと同じ医学、つまり高度な教育を要請することが多いです。
裏を返すと、『妻の家事・育児が欠けている』と、夫が感じる、というケースが多いのです。

(2)医師の夫を持つ妻は、豊かな生活を想定する

男性医師と結婚した女性(妻)は、豊かな生活を想定します。
しかし、『医師』と言っても、経済的な状況は、開業医/勤務医、都心/地方、といった事情で大きく異なります。
一般的な平均年収を超えていても、当初の想定に満たないという感覚を持つ妻が少なくありません。
さらに、やはり、当初の想定よりも夫が忙しく、家庭での時間が不足しがちになります。
心身の疲労から、妻や子に気を遣ってくれないと感じるケースも多いです。
また、医師は一般的にプライドが高いです。
これ自体は本来良いことなのですが、不満を持つ妻から見ると、ネガティブな意味を持つことになります。

以上のように、相互に相手を責めるということになる原因が潜んでいるのです。
医師の離婚問題については、このような破綻の根本的要因・特徴をしっかり把握することが、最適な交渉、主張、立証を組み立てるために必須です。

7 みずほ中央では医師の離婚を多く扱っています

以上の説明のように、医師が関係する離婚については、多くの医師特有の問題があります。
ノウハウの違いにより、要求、主張、立証の方法が変わってきます。
わずかな手法の違いでも、結果に大きく影響します。
みずほ中央では、医師の関係する離婚を多く扱っており、豊富な実績・ノウハウを持っており、最大限活用した最適戦略を徹底しています。
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