【弁護士の説明の付随情報(法律の適用に関する固有の年月日)】

1 法律の適用に関する特定・固有の日

法律が適用されるかされないかが、ある特定の日で変わるというものがあります。解釈とは関係なく、法律の制定・改正の施行日などの『固有の日付』のことです。法律相談の現場で参照することが多いです。このような日付を一元的にここにまとめます。
法律の施行における『メモリアルデー』とも言うべきリストです。
以下、固有の特定日の時系列に沿ってまとめます。

2 明治時代の特定日

明治時代の特定日

あ 明治31年7月16日(旧民法施行)

・家督相続の適用(嫡出長男子単独相続の原則)

3 大正時代の特定日

大正時代の特定日

あ 大正10年5月15日 借地法施行

一部の地域ではこれより遅い時期が施行日とされている
※借地法附則15条(施行期日)、16条(施行地区)、大正10年5月勅令207号
詳しくはこちら|借地の更新拒絶(異議)の方法と時期の基本(旧法・新法共通)

4 昭和20年代の特定日

昭和20年代の特定日

あ 昭和22年5月3日 応急措置法施行

日本国憲法施行日である(憲法記念日となっている)
・家督相続の廃止
・相続順位、相続分の修正(配偶者相続分引上げ前の現行法と同じ規定)
・兄弟姉妹の直系卑属に代襲相続権なし
・全血、半血による相続分の相違なし

い 昭和22年5月3日 改正民法の一部実質的施行

離婚の日が昭和22年5月3日以後のもの
→財産分与の規定が適用される
詳しくはこちら|離婚(財産分与)に関する規定の創設(昭和22年改正民法)

う 昭和23年1月1日 現行民法施行

・権利濫用の規定創設
詳しくはこちら|温泉地役権と土地所有権の権利濫用(宇奈月温泉事件)
・家督相続の廃止
・配偶者相続権の確立
・兄弟姉妹の代襲相続;『再代襲』も無制限
・離婚請求に関する規定の変更
昭和23年1月1日以後に生じた事実を原因とするものに適用される
詳しくはこちら|離婚(財産分与)に関する規定の創設(昭和22年改正民法)

え 昭和25年11月23日 建築基準法施行

この時点で、既に建築物が立ち並んでいる幅員4メートル未満の道が42条2項道路、として指定される。

建築基準法の『道路』の種類

5 昭和30年代の特定日

昭和30年代の特定日

あ 昭和37年7月1日 民法制定(現行民法)

・同時死亡の推定

6 昭和50〜60年代の特定日

昭和50〜60年代の特定日

あ 昭和54年4月1日 仮登記担保法 施行
い 昭和56年1月1日 民法改正

ア 配偶者相続分の引上げ

相続時期 配偶者:子 配偶者:直系尊属 配偶者:兄弟姉妹
改正前 1:2 1:1 2:1
改正後(現行法) 1:1 2:1 3:1

詳しくはこちら|法定相続分(現行法と過去の相続に適用される法定相続割合)
イ 兄弟姉妹の代襲相続;『再代襲』なし『甥・姪』までが代襲相続の対象

う 昭和56年6月1日 建築基準法(改正)施行

旧耐震基準→新耐震基準
詳しくはこちら|建築基準法の建物の耐震基準(新/旧耐震基準)

7 昭和60年代の特定日

昭和60年代の特定日

あ 昭和64年1月1日

公正証書遺言検索システム導入
この日以降に作成した公正証書遺言は検索システムの対象となっている
詳しくはこちら|公正証書遺言のデータベース化・検索システムと閲覧・謄本取得

8 平成時代の特定日

平成時代の特定日

あ 平成4年8月1日 借地借家法(新法)施行

借地の期間など
ただし、附則6条で従前のものは影響受けないことに

い 平成12年3月1日 借地借家法(改正)施行

これ以前の普通借家(で居住用)は定期借家への切り換え禁止

う 平成12年4月1日施行 (住宅)品確法

以降に締結された新築住宅の取得契約(請負/売買)
→次の内容が義務付けられる
ア 対象部分基本構造部分(柱や梁など住宅の構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分)
イ 責任内容10年間の瑕疵担保責任(修補請求権等)
詳しくはこちら|住宅品確法による瑕疵担保責任の強化(基本構造部分は最低10年)

え 平成16年4月1日 民法改正法施行

・短期賃貸借適用排除(廃止)の基準日
詳しくはこちら|短期賃貸借保護制度(平成15年改正前民法395条)と借地借家法との関係

お 平成17年3月7日 不動産登記法改正(施行)

これ以降、登記済証が原則なくなった。
登記原因情報の添付が必要になった。

過去の不動産売買代金額を不動産登記から取得する方法

か 平成17年4月1日 民法(改正)施行

・保証契約の要式化

き 平成19年10月1日 郵便貯金法廃止

郵政民営化法等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律施行
これより前に預け入れた定額郵便貯金は不可分債権、相続により当然分割されない
郵便貯金法の廃止によって、これ以後に預け入れた定額郵便貯金は可分債権、相続によって当然分割される
詳しくはこちら|相続における定額貯金の扱い(遺産共有・惰性定額貯金問題)

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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