1 共有物に関する負担|基本
2 共有物に関する負担|具体例
3 共有物に関する負担|該当しない例
4 共有物に関する負担|立替→求償
5 共有物に関する負担に該当しない×求償
6 共有物に関する債務・承継
7 共有物に関する負担|対外的効果|概要

1 共有物に関する負担|基本

共有物に関する金銭的負担についてのルールがあります。
まずは基本的事項をまとめます。

<共有物に関する負担|基本>

あ 基本

各共有者は持分に応じて次の『い・う』を負担する

い 管理の費用

共有物の維持・利用・改良のための必要費・有益費
※『新版注釈民法(7)』有斐閣p458

う その他の負担

共有物の存在から直接生じる費用
※民法253条1項

え 現実|立替→求償

実際には共有者の1人が全員分=全額を支払う
→その後他の共有者に支払を求める
『求償』と呼ぶ(後記※1)

2 共有物に関する負担|具体例

共有物に関する負担の具体的内容をまとめます。

<共有物に関する負担|具体例>

あ 管理の費用|必要費
経費の種類 根拠
老朽化に対する修繕費用
災害による損壊の修繕費用
山林の監守費用 大判昭和7年6月8日
い 管理の費用|有益費
経費の種類 根拠
通路のコンクリート敷設・電灯設置 大判昭和5年4月26日(※1)
商店の模様替え=表入口の改装 大判昭和7年12月9日(※1)

※1 いずれも『有益費』に該当するという判断である

う その他の負担
経費の種類 根拠
固定資産税・都市計画税
マンションの管理費・修繕積立金

3 共有物に関する負担|該当しない例

共有物に関連しても『共有物に関する負担』に該当するとは限りません。
近いけれど該当しないという具体例を紹介します。

<共有物に関する負担|該当しない例>

経費の種類 根拠
土地管理の管理報酬 東京地裁平成14年2月28日
建物の水道光熱費
個性的な嗜好・趣味による造作設置 ―(※2)

※2 物の価値が増加しない→『有益費』に該当しない

4 共有物に関する負担|立替→求償

共有物に関する負担を実際に分ける方法をまとめます。

<共有物に関する負担|立替→求償(※1)>

あ 不動産の共有

不動産をA・B・Cで共有している
各持分=3分の1

い 費用の立替

固定資産税をAが全額納付した

う 求償

AはB・Cに3分の1ずつを請求できる

5 共有物に関する負担に該当しない×求償

『共有物に関する負担』に該当しないものもあります(前記)。
その場合でも,求償が認められないとは限りません。

<共有物に関する負担に該当しない×求償>

あ 『費用』に該当しない|具体例

建物をA・Bで共有している
A・Bが共同で利用している
建物の『水道光熱費』について
→建物の維持に必要不可欠とは言えない
→『共有物に関する費用』には該当しない

い 出費×求償

Aが『あ』の水道光熱費を立て替えた場合
→Bに不当利得として返還を請求できる
※民法703条

6 共有物に関する債務・承継

共有物に関する負担などの債務は特殊なルールがあります。
『承継』に関する規定をまとめます。

<共有物に関する債務・承継>

あ 基本

共有物に関する共有者間の債務について
→特定承継人も承継する
※民法254条

い 連帯債務

元共有者・特定承継人の負う債務について
→連帯して債務を負う状態となる
※『論点体系判例民法2物権』第一法規p318

7 共有物に関する負担|対外的効果|概要

以上の説明は共有者の間での関係でした。
これとは別に共有者以外の人との関係もあります。
共有者間・それ以外の人との関係は法律上別の扱いとなります。
共有者以外の人との関係については別に説明しています。
詳しくはこちら|共有物に関する負担|対外的効果|不可分債務