1 『借家/借地』で『期間の定めなし』が設定できるかどうかが違う
2 『普通借地/普通借家』の『期間』のルールの違いとその理由
3 『定期借地/定期借家』の『期間』のルールの違い
4 『普通→定期』の切り替えの規制|古い借家だけは『切替禁止』

1 『借家/借地』で『期間の定めなし』が設定できるかどうかが違う

『借地』の場合『期間の最低限』が規定されています。
『期間の定めなし』という規定は無効となります。
『借家』では異なります。
借地借家法上でも,建物の賃貸借(=借家)については期間を定めないという方式が可能です。
最低期間のルールは存在し,1年となっています(借地借家法29条)。
その一方で『期間の定めなし』というタイプも認められています。
具体的には,期間の定めとして1年未満を設定した場合は,期間の定めなしとして扱われます。
明確に『期間の定めなし』として賃貸借契約書に記載することも問題ありません。

2 『普通借地/普通借家』の『期間』のルールの違いとその理由

<普通借地と普通借家の『期間の規制』の比較>

借地/借家 最低期間 期間の定めなし
普通借地 30年
普通借家 1年

この違いは『契約終了時の具体的動き』と関係しています。
土地の場合,賃貸借契約終了時に『建物撤去』という1大イベントが生じます。
しかし,『借家』の場合,契約が終了しても,ここまで大きなイベントは生じません。
これがルールの違いとして現れているのです。

3 『定期借地/定期借家』の『期間』のルールの違い

借地・借家ともに『定期』という方式があります。
これは『法定更新がない』という特殊な方式なのです。
ということは『契約期間』の満了時で終了するということです。
『契約期間』が非常に重要な意味を持ちます。

<定期借地と定期借家の『期間の規制』の比較>

借地/借家 最低期間 最長期間 賃料減額請求の排除
定期借地 10年or30年or50年 30年or50年or制限なし 特約で排除できる
定期借家 制限なし 制限なし 特約で排除できない

『定期借地』には,さらに3(4)種類に分類できます。
いずれにしても『最低期間』が法律上設定されています。
一方『定期借家』では『上限・下限』ともに『制限なし』です。

詳しくはこちら|定期借地は普通借地と違って法定更新がない;3種類がある
詳しくはこちら|定期借家の基本|更新なし=確実に建物が戻る・賃料相場が低め・終了通知義務

4 『普通→定期』の切り替えの規制|古い借家だけは『切替禁止』

借地・借家ともに『普通』から『定期』への切替のニーズがあります。
この点『一定時期以前の借家』だけは『切替が禁止』されています。
借地については開始時期と関係なく『切替禁止』はありません。

<『普通→定期』切替制限>

切り替え形態 制限
普通借地→定期借地 制限なし
普通借家→定期借家 当初開始時が平成12年3月1日以前は切替禁止

詳しくはこちら|平成12年3月1日以前の普通借家→定期借家という切換は禁止されている