1 遺留分割合
2 遺留分算定基礎財産|概要
3 遺留分侵害額|算定方法
4 遺留分の計算の具体例(概要)
5 遺留分減殺の対象
6 遺留分減殺請求権の行使と効果(概要)

1 遺留分割合

遺留分制度の基本的事項については別に説明しています。
詳しくはこちら|遺留分|基本|趣旨・典型例・遺留分権利者・抵触する遺言の有効性
本記事では遺留分の計算方法の基本的事項を説明します。
まず『遺留分割合』をまとめます。

<遺留分割合(※3)>

あ 遺留分割合|位置付け

遺留分権利者の『確約される範囲』
=『法定相続分』(※1)×『遺留分割合』

い 遺留分割合|内容
状況 遺留分割合
直系尊属のみが相続人である場合 3分の1
その他の場合 2分の1

※民法1028条

う 『尊属』意味

『直系尊属』の意味
→ストレートに上に延びる血縁者である
例;父母・祖父母・そのさらに上の世代

2 遺留分算定基礎財産|概要

遺留分を計算方法は,正確には上記とは異なります。
遺留分割合を掛ける元は『法定相続分』(上記※1)そのものではありません。
法定相続分をベースに一定の計算をする必要があります。
一定の計算後の金額を使います。
この『計算後の金額』を『遺留分算定基礎財産』と呼びます(※2)。
遺留分算定基礎財産の計算方法は別に説明しています。
詳しくはこちら|遺留分算定基礎財産|基本

3 遺留分侵害額|算定方法

遺留分算定基礎財産を前提にして『侵害額』を計算します。
要するに『遺留分として補償される額』に不足する金額です。

<遺留分侵害額|算定方法>

あ 遺留分額

遺留分額
=『遺留分算定基礎財産』(※2)×『遺留分割合』(※3)

い 遺留分侵害額

遺留分侵害額
=『遺留分額』(上記『あ』)
 -((当該遺留分権利者の)特別受益 + 相続によって得た額)
 +(当該遺留分権利者が)負担すべき債務額

最初に最低限保障されるべき金額=遺留分額を計算します。
その後,既に承継したプラス・マイナス財産を調整するのです。

4 遺留分の計算の具体例(概要)

以上のように,遺留分の計算は結構複雑です。具体例を用いた計算を見ると理解しやすいでしょう。
遺留分の計算の具体例を別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|遺留分の計算の具体例

5 遺留分減殺の対象

遺留分の最終的な効果は財産移転を無効化するものです。
生前贈与や遺言による財産移転を否定できるのです。
対象となる財産移転についてまとめます。

<遺留分減殺請求の対象>

あ 条文規定

遺留分減殺請求の対象について
→『遺贈・贈与』と規定されている
※民法1031条

い 『遺贈』の解釈(全体)

遺言一般が対象となる

う 相続させる遺言

『相続させる遺言』について
→遺留分減殺請求の対象となる
※最高裁昭和51年3月18日
※最高裁平成3年4月19日
※最高裁平成10年2月26日
※『新版注釈民法(28)相続(3)補訂版』有斐閣p498

え 相続分の指定

遺言による相続分の指定について
→遺留分減殺請求の対象となる
詳しくはこちら|相続分の指定に対する遺留分減殺請求

6 遺留分減殺請求権の行使と効果(概要)

遺留分減殺請求権の行使方法や効果はちょっと複雑です。
これについては別に説明しています。
詳しくはこちら|遺留分減殺請求権の行使(理論と実務的な通知の工夫や仮処分)
詳しくはこちら|遺留分減殺請求によって減殺(返還)される財産とその順序