【公租公課・職業費・特別経費の割合の統計データ(平成14年と平成27年)】

1 公租公課・職業費・特別経費の割合の統計データ
2 平成10〜14年(従来)の職業費・特別経費の割合
3 平成23〜27年の公租公課・職業費・特別経費の割合>
4 公租公課・職業費・特別経費を使う場面

1 公租公課・職業費・特別経費の割合の統計データ

養育費や婚姻費用の金額を計算する時には通常,標準的算定方式が使われます。
標準的算定方式では,計算の最初で,確実に必要となる出費を差し引いて,その残額を基礎収入とします。
確実に必要となる出費は,統計データを元にして平均的な金額(割合)を計算します。差し引く出費の内容は,公租公課・職業費・特別経費に分類されています。
詳しくはこちら|養育費・婚姻費用の算定の枠組み(基礎となる理論・最低生活費の影響)
本記事では,公租公課・職業費・特別経費の統計データを紹介します。

2 平成10〜14年(従来)の職業費・特別経費の割合

標準的算定方式が最初に提唱された時に,職業費と特別経費のデータが一緒に公表されています。この割合を使って基礎収入を計算して,その基礎収入を元にして養育費や婚姻費用の金額を計算した結果が簡易算定表として普及しています。
要するに,ここで掲載する職業費・特別経費の割合のデータは,簡易算定表が使っているデータということになります。

<平成10〜14年(従来)の職業費・特別経費の割合>

年収 職業費 特別経費
1500万円〜 18.92% 16.40%
〜1499万9999円 18.96% 16.88%
〜1249万9999円 19.50% 18.19%
〜999万9999円 19.65% 18.65%
〜899万9999円 19.13% 19.16%
〜799万9999円 18.69% 19.99%
〜749万9999円 18.97% 20.52%
〜699万9999円 19.22% 20.45%
〜649万9999円 18.89% 20.63%
〜599万9999円 19.28% 22.43%
〜549万9999円 19.59% 20.94%
〜499万9999円 19.65% 22.16%
〜449万9999円 19.72% 22.94%
〜399万9999円 19.88% 22.10%
〜349万9999円 21.22% 21.37%
〜299万9999円 21.71% 22.56%
〜249万9999円 20.92% 23.30%
〜199万9999円 20.03% 25.93%

※東京・大阪養育費等研究会稿『簡易迅速な養育費等の算定を目指して〜養育費・婚姻費用の算定を目指して〜』/『判例タイムズ1111号』2003年4月1日p294資料1,2

3 平成23〜27年の公租公課・職業費・特別経費の割合>

公租公課・職業費・特別経費の割合(金額)は,時代とともに変化します。特に税制はめまぐるしく変化するので,当然,数年違うだけで違う数字(割合)となります。
前記の従来のデータよりも13年後の統計データを紹介します。
これは日弁連の新算定方式の提唱の資料の中で掲載されているものです。
詳しくはこちら|日弁連が提唱する養育費・婚姻費用の新算定方式と実務的な評価(運用状況)
ここで掲載するデータは,新算定方式とは関係なく,従来の標準的算定方式で使われたものと同じ出費について,新しい時期(年度)の統計データを集計しただけのものです。

<平成23〜27年の公租公課・職業費・特別経費の割合>

年収 公租公課 職業費 特別経費
1022万2000円〜 38.19% 15.46% 15.51%
〜1022万2000円 39.19% 16.49% 17.27%
〜837万0000円 39.49% 16.72% 17.74%
〜726万4000円 39.75% 17.11% 18.12%
〜638万8000円 40.72% 17.13% 18.36%
〜559万0000円 41.05% 17.76% 18.43%
〜488万2000円 40.73% 18.63% 18.61%
〜419万6000円 41.26% 18.16% 18.56%
〜352万0000円 43.07% 18.63% 17.14%
〜266万0000円 40.41% 20.08% 20.00%

※日弁連新算定方式提言p22『別表3』(2011〜2015年・公租公課/実収入比の平均値(給与所得者))
※日弁連新算定方式提言p22『別表7』(2011〜2015年・職業費/実収入比の平均値(現算定方法))
※日弁連新算定方式提言p23『別表8』(2011〜2015年・特別経費/実収入比の平均値(現算定方法))

4 公租公課・職業費・特別経費を使う場面

ところで,公租公課・職業費・特別経費の3つの出費のそれぞれを計算するのは手間がかかります。そこで,これらの出費の合計を差し引いた割合が基礎収入割合として用意されています。つまり,総収入基礎収入割合を掛けるだけで基礎収入の金額が計算できるのです。
詳しくはこちら|標準算定方式による養育費・婚姻費用の算定(計算式・生活費指数)
では,公租公課・職業費・特別経費の割合は使わないかというとそうとは限りません。特殊な事情がある場合には,多少手間がかかっても3種類の出費を計算して差し引く計算をすることがあります。典型例は,高額所得者(2000万円以上の給与所得など)の婚姻費用の計算です。
詳しくはこちら|高額所得者の婚姻費用の金額計算の全体像(4つの算定方式と選択基準)

本記事では,2つの時点の公租公課・職業費・特別経費の割合の統計データを紹介しました。
実際には,個別的な事情や主張・立証のやり方次第で結論が違ってくることがあります。
実際に養育費や婚姻費用に関する問題に直面されている方は,みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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