【嫡出推定・誤作動・基本|推定が『及ぶ/及ばない』】
1 嫡出推定・誤作動|基本
嫡出推定が『誤作動』を生じることがあります。
まずは『誤作動』の基本的事項をまとめます。
嫡出推定・誤作動|基本
あ 誤作動|発現条件
次のいずれにも該当する
ア 嫡出推定に該当する形式的には『夫』と『子』が『嫡出推定』に該当する
イ 血縁関係なし『夫』と『子』には血縁上の親子関係はない
い 法的扱い|基本
『夫』と『子』が『嫡出推定』に該当する
=『夫』の『嫡出子』として扱われる
2 嫡出推定・誤作動|行政・家裁の扱い
『誤作動』による行政・家裁の扱いをまとめます。
嫡出推定・誤作動|行政・家裁の扱い
あ 公的扱い|基本
役所では『嫡出推定』を形式的に適用する
→原則的に『推定に反する』扱いはできない
詳しくはこちら|嫡出子・嫡出推定|基本|差別的ニュアンス・再婚禁止期間・準正
い 行政の扱い
市区町村役場での『出生届』『認知届』の扱いのことである(後記)
う 家裁の扱い
申立ができる手続の種類の分類のことである(後記)
3 嫡出推定・誤作動|出生届|概要
嫡出推定の誤作動により出生届の扱いが複雑になります。
まずは出生届の扱いの概要をまとめます。
嫡出推定・誤作動|出生届|概要
あ 原則
『夫』を『父』として扱う
詳しくはこちら|嫡出推定・誤作動|出生届|戸籍の訂正|義務・期限・罰則
い 例外
特殊事情による例外的扱いもある
詳しくはこちら|懐胎時期に関する証明書|嫡出推定の誤作動を解消する役所の扱い
それぞれの詳しい内容はそれぞれ別に説明しています。
4 嫡出推定・誤作動×認知の可否
嫡出推定の誤作動により『認知できるかどうか』に影響を与えます。
これについては別に説明しています。
誤った嫡出推定が働く際の認知(原則できない・推定が及ばない場合は可能)
5 嫡出推定・誤作動→解消|家裁の手続
嫡出否認の誤作動を解消する原則的方法をまとめます。
嫡出推定・誤作動→解消|家裁の手続
あ 誤作動の解消|基本
嫡出推定の誤作動がある場合
→解消するには原則的に家裁の手続が必要である
い 家裁の手続
次の3種類について『調停・訴訟』がある
ア 嫡出否認イ 親子関係不存在確認ウ 認知請求
手続の種類の分類については別に説明しています。
詳しくはこちら|親子関係・手続|基本・まとめ|背景・実情・法的根拠
6 嫡出推定・誤作動×DNA鑑定|判例
嫡出推定の誤作動があると家裁の手続が必要となります(前記)。
現在はDNA鑑定により『血縁関係』の確実な判定が可能です。
そこで『推定の適用除外』をすべきという考えもあります。
これに関して最近の最高裁で判断が示されました。
嫡出推定・誤作動×DNA鑑定|判例
あ 争点|実質面
『嫡出推定の適用の有無』により『申立期間制限の有無』が変わる
仮に『期間制限あり』だとすると『期限切れ』となってしまう
い 裁判所の判断|概要
DNA鑑定で明確に生物学上の父子関係が否定された場合
→嫡出否認の申立期間制限について『推定が及ばない』には該当しない
=嫡出否認の申立期間制限が適用される
※最高裁平成26年7月17日
詳しくはこちら|嫡出否認・申立期間制限|DNA鑑定との関係・見解の対立・最高裁判例
このように『嫡出推定の適用』は『科学的判断』とはイコールではないのです。
あくまでも法律上の解釈・判断である、ということなのです。
7 嫡出推定×『受ける』『及ぶ』|用語整理
以上の説明で嫡出推定が『及ぶ/及ばない』という用語を使いました。
この点『推定を受ける/受けない』という用語もあります。
日本語としては同じ意味だと捉えてしまいます。
しかし、実務的な用語としては別の意味です。
間違えやすいので、ここにまとめておきます。
嫡出推定×『受ける』『及ぶ』|用語整理
| ネーミング | 嫡出推定に該当する/しない | 真実 |
| 推定を『受けない』 | 形式的に該当しない | 『夫』と『子』の血縁関係はある |
| 推定が『及ばない』 | 形式的に該当する | 『夫』と『子』の血縁関係はない |
推定を『受けない』というテーマについては別に説明しています。
詳しくはこちら|嫡出推定を『受けない』×出生届|救済措置・デキ婚普及・最高裁コメント
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。
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