【不動産の管理業務の基本(主な内容・非弁行為禁止との関係)】
1 貸地管理業務の主な内容
不動産の賃貸には、いろいろな業務を伴います。
土地の賃貸借について、管理業務を整理しておきます。
貸地管理業務の主な内容
あ 地代管理
ア 地代支払の記録イ 地代滞納時の督促ウ 地代の増額請求固定資産税の評価替え(3年ごと)に検討する
詳しくはこちら|固定資産税|基本|状況調査・評価替え・登記と税通・評価額の流用
エ 賃借人からの地代減額請求への対応詳しくはこちら|借地・借家の賃料増減額請求の基本
い 契約更新
ア 契約更新の手続詳しくはこちら|借地契約の更新の基本(法定更新・更新拒絶(異議)・更新請求)
イ 更新料の徴収詳しくはこちら|借地の更新料の基本(更新料の意味と支払の実情)
う 各種承諾
増改築・建替え(再築)・借地権譲渡などに関する地主の承諾
詳しくはこちら|借地契約の増改築禁止特約の有効性と違反への解除の効力
詳しくはこちら|賃借権の譲渡・転貸の基本(賃貸人の承諾が必要・無断譲渡・転貸に対する明渡請求)
地主の承諾に変わる裁判(借地非訟手続)
詳しくはこちら|4種類の借地非訟(裁判所の許可)手続(新旧法全体)
2 貸地・貸家の管理業務と非弁行為の禁止
土地や建物の賃貸に関する管理業務にはいろいろなものがあります(前記)。
実際には、管理会社が受注して遂行することが多いです。
ここで、状況によっては弁護士法の規制が落とし穴になります。
禁止される非弁行為との関係をまとめます。
貸地・貸家の管理業務と非弁行為の禁止
あ 管理業務の外注
貸地や貸家の管理業務はサービスとして提供されている
利用しているオーナーも多い
商品化の例=立て替え払い付地代管理システム
い 管理業務の内容と非弁行為
賃料の集金代行・明渡の交渉なども含まれる
→賃借人との接触である
対立・紛争に近い状態である場合
→弁護士以外が行うと違法となる可能性が高い
詳しくはこちら|違法な非弁護士の法律事務の実例(不動産編)
オーナーとして土地や建物を賃貸する際は、管理業務をしっかりと行わないと、想定外の不利益を受けることがあります。
3 管理業務についての非弁行為回避策
賃貸管理業務が非弁行為に該当することを回避しなくてはなりません。
必要な範囲で、弁護士に依頼するということになります。
もちろん、管理事業者も可能な範囲で業務を分担すると、時間的・費用的コストの削減につながります。
このような協働体制が望ましいです。
管理業務についての非弁行為回避策
あ 弁護士との協働
当初から管理サービス事業者が弁護士と連携しておく
対立・紛争の状況に近い段階になった場合
→一定の範囲の業務は弁護士が行う
弁護士の補助的業務は管理サービス事業者が分担する
い 賃貸人自身による行為(参考)
賃貸人・賃借人の対立し紛争になっている場合でも
賃貸人自身が交渉や裁判手続を行うことについて
→『報酬を得る目的での法律事務』に該当しない
→非弁行為にはならない
=適法である
詳しくはこちら|非弁護士の法律事務の取扱禁止(非弁行為)の基本(弁護士法72条)
4 賃貸住宅管理業の登録義務(概要)
住宅の賃貸管理を賃貸人から委託を受けて行う事業は、賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律の登録制度の対象です。事業者が選んで利用する制度ではなく、管理する賃貸住宅が一定の戸数以上になれば国土交通大臣の登録が義務になり、登録を受けないで営めば罰則の対象になります。
登録を受けた事業者には、業務管理者の選任や書面の交付、預かった金銭の分別管理、委託者への定期報告といった義務が課されます。管理を委託する側からすると、登録の有無は信頼の目安ではなく、規模に応じて備わっているべきものになりました。
登録が義務になる範囲と手続は、別の記事で説明しています。
賃貸住宅管理業の登録義務|200戸以上は登録が必要・無登録営業は罰則
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


