1 固定資産税評価の利用|具体例
2 固定資産税評価|土地|主要な要素
3 固定資産税評価|地目
4 地目変更・新築登記×『税通』
5 固定資産税|現況調査|基本
6 固定資産税|現況調査|典型例
7 賦課期日×状況調査|認定ミス
8 固定資産税評価|評価替え

1 固定資産税評価の利用|具体例

固定資産税の算定上の『評価額』があります。
この評価額は,一般的な『実勢価格』とは異なります。
詳しくはこちら|土地の評価額の基本|実勢価格・時価・不動産鑑定評価|他の金額算定で使われる
固定資産税を算出するための便宜的な評価と言えます。
実務上は,多くの公的手続において流用されています。

<固定資産税評価の利用|具体例>

あ 本来の用途

固定資産税額の算定

い 流用|具体例

ア 不動産取得税の算定
イ 提訴手数料算定
提訴時の貼付印紙額の算定
ウ 登録免許税額算定
登記申請時に納付するもの

2 固定資産税評価|土地|主要な要素

土地の固定資産税の算定で使われる情報を整理します。

<固定資産税評価|土地|主要な要素>

あ 地目(※1)

現実的な利用状況のことである
登記上の『地目』という形式的なものではない

い 地積

登記上の『地積』がそのまま流用されることが多い

う 単価

宅地の場合
→一般的に『市街地宅地評価法』を用いる

3 固定資産税評価|地目

固定資産税評価では『地目』が使われます。
登記上の『地目』とは同じではありません。
『地目』についてまとめます。

<固定資産税評価|地目(※1)>

あ 登記上の地目

当事者の申請を元に記録する
職権での変更は例外的である
→現実の利用状況とは異なる『地目』の登記もよくある

い 現況地目

実際の利用状況のことを『現況地目』と呼ぶ
登記上の『地目』と区別するための呼称である

う 課税×現況地目

固定資産税の評価・算定上は現況を優先する
=『現況地目』を元に算定する

4 地目変更・新築登記×『税通』

『税通』という制度があります。
法務局から市区町村への情報伝達システムです。

<地目変更・新築登記×『税通』>

あ 登記×固定資産税|管轄
業務 管轄
登記 登記所=法務局
固定資産税 市区町村
い 登記×税通

法務局で登記を行った時
→法務局から市区町村に通知することがある
→市区町村は現地調査を行う
→課税台帳上の登録を変更する

う 税通|典型例

ア 地目変更登記
例;農地を宅地にした
イ 建物新築登記

5 固定資産税|現況調査|基本

固定資産税評価の算定では『現況』が重要です(前記)。
現況を把握するために,市区町村は現地調査を行っています。

<固定資産税|現況調査|基本>

あ 定期的状況調査(※2)

市区町村は固定資産の状況調査を行う
調査の頻度=1年に1回以上
※地方税法408条

い 調査方法|現地調査

職員or外注先の業者が現地を調査する
例;歩き回って外観を見る

う 調査方法|航空写真利用

航空写真から土地の現況を見る

6 固定資産税|現況調査|典型例

現況調査の具体的な状況を説明します。

<固定資産税|現況調査|典型例>

あ 事情

土地甲の登記上の地目は『原野』である
実際には立派な住宅が建っている宅地である

い 課税上の問題

『原野』の固定資産税評価は低い
『宅地』と比べると差は非常に大きい
『原野』として課税した場合
→『納税額が不足』する状態になる

う 調査によるリカバリー

市区町村は状況調査をしっかり行っている
→このような食い違いを見逃すことは少ない
『あ』の事例の場合
→宅地として評価,課税するのが通常である

7 賦課期日×状況調査|認定ミス

固定資産税の課税の『基準時点』が決まっています。
状況調査とのタイミングでミスが生じる可能性があります。
しかしミス発生が起きないような工夫がなされています。

<賦課期日×状況調査|認定ミス>

あ 状況調査|時期

市区町村の状況調査の時期について
→1年を通して実施されている
=1月1日の賦課期日に行うわけではない
詳しくはこちら|固定資産税|課税|賦課期日・新築の基準時点・台帳課税主義

い 判断ミスの可能性|例

1月10日に『新築建物』が確認された場合
→完成日が1月1日以前か2日以降かが分からない

う 判断ミス回避策

通常,市区町村から関係者に照会がなされる
問い合わせ・確認により正しい事情を把握する
→判断ミスは回避される
→誤った認定のまま課税通知が発送されることは少ない

8 固定資産税評価|評価替え

固定資産税の評価は定期的に行われています。
これについてまとめます。

<固定資産税評価|評価替え>

あ 評価替え|時期

土地・建物の固定資産評価の見直し
基準年度に見直しを行う
『評価替え』と呼ばれる

い 基準年度

3年に1回である
※地方税法341条6号

う 比較|状況調査の頻度

状況調査の頻度は1年に1回以上である(前記※2)
評価替えの頻度とは異なる