1 シェアリング・サービス×適法化|全体
2 シェアリング・サービス×許認可なし|適法化|基本
3 シェアリング×『有償』を避ける方法
4 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|発想
5 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|基本
6 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|具体例
7 シェアリング×『事業』該当を避ける方法
8 シェアリング×『貸す』を避ける方法
9 シェアリング・サービス|普及×法整備

1 シェアリング・サービス×適法化|全体

シェアリング・サービスは大きなニーズがあり,期待されています。
一方で法規制との抵触という問題もあります。
(別記事『シェアリング・レンタル全般』;リンクは末尾に表示)
事業化における『適法化』の全般的・一般的な事項を説明します。
まずは『適法化』の方向性を整理します。

<シェアリング・サービス×適法化|全体>

あ 許認可を取得する

『所有者が』貸すことについての許認可を取得する
ア コスト
時間・費用的コストを要する
イ 対象マーケットが小さい
許認可を取得する前提の時点で利用を断念する所有者が多い

い 許認可の取得なし

法規制への抵触を避ける必要がある
→解釈による『違法認定リスク』をテイクする

許認可を『取得する/しない』という大きな2つの方針があります。
『取得しない』方法で適法性を確保する方法について次に説明します。

2 シェアリング・サービス×許認可なし|適法化|基本

シェアリング・サービスを『許認可なし』で『適法化』する方法を整理します。

<シェアリング・サービス×許認可なし|適法化|基本>

あ 法規制を避ける・基本事項

『規制対象の要件』(次項目)のうち1つを『該当しない』にする
→規制対象外となる
=許認可不要となる

い 法規制対象の要件|これを避ける

ア 『有償』
イ 『事業』
ウ 『貸す』

一般的な『業法=事業の法規制』では,上記の3要素が『規制対象』となっています。
この要件は,法規制を避ける=適法化のための重要な前提事項です。
適法化の具体的な内容・方法については順に説明します。

3 シェアリング×『有償』を避ける方法

シェアリング・サービスを『有償』に該当させない方法をまとめます。

<シェアリング×『有償』を避ける方法>

あ マッチングサービス|規約上の『無償』明記

ユーザーが『無償』で利用することを規約上義務付ける

い 解釈上の『無償』範囲内の料金設定

『無償』には一定の範囲がある
例;実費程度
詳しくはこちら|道路運送法|無償/有償・判断基準|国交省解釈・通達

う 『他のサービスとの融合』という方法

具体的内容・具体例は後述する

え 注意;『無償』も規制対象となる事業もある

『有償』が規制対象の要件に含まれていない場合もある
→この場合『無償』にしても違法となる
例;食品衛生法
詳しくはこちら|飲食店営業許可|反復継続意思がポイント|出張料理人の許可の要否が曖昧

4 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|発想

有償を避ける方法として『他のサービスとの融合』があります(前記)。
発想のモトから考えると理解しやすいです。

<『有償』を避ける|他のサービスとの融合|発想>

あ ネットカフェ・マンガ喫茶×宿泊

ネットカフェなどの店舗で『寝て過ごす』人もいる
ホテル・旅館と同じ機能のように思える
ネットカフェなどは『旅館業法の許可』を取っていない

い 『旅館業』規制・ポイント

『宿泊』サービスが規制対象である
『ネットサーフィンをする場所の提供』は『宿泊サービス』ではない
顧客の料金は『ネット利用』の対価である
詳しくはこちら|『旅館業』に該当する/しない|具体例|シェアハウス・ホームステイ

5 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|基本

他のサービスとの融合,という方法の基本的考え方をまとめます。

<『有償』を避ける|他のサービスとの融合|基本>

あ 基本的方針

規制対象サービス単体への課金・料金設定を避ける
次のいずれかの方向性がある

い 総合的体験タイプ

規制対象サービス+規制なしサービスを組み合わせる
→『総合的体験』をサービス=提供価値とする
『体験』についての料金として設定する

う 別サービス課金タイプ

規制対象サービスの対価はゼロと設定する
同時に提供する別の規制なしサービスの対価を設定する

6 『有償』を避ける|他のサービスとの融合|具体例

他のサービスとの融合,という方法の具体例を挙げます。

<『有償』を避ける|他のサービスとの融合|具体例>

あ 規制対象サービスの『対価』→避ける|例

ア 宿泊料
イ 自動車使用の対価
ウ 自動車による運送の対価

い 別のサービスの『対価』→代替用|例

ア マッチングサービスの料金
貸し手・借り手の情報提供料・優先交渉権の対価
マッチングサービスにおいて実用化されている
(別記事『リアルサービス・適法化確保の方法』;リンクは末尾に表示)
イ インターネット使用料
ウ 家具使用料
エ アドバイス料・ガイド料・各種情報提供料
観光案内の料金など

う 注意|解釈論

ア 実態による判断
『有償』の要件は実態で判断される
→単に名称・形式だけ,では適法化にならない
イ パッケージ分解論
『パッケージ全体への対価』
→含まれる個々のサービスが『有料』となる

『注意』として記載したとおり,安直な方法では『脱法』にもなりません。
当事務所は『脱法』『潜脱』を推奨するものではありません。

7 シェアリング×『事業』該当を避ける方法

シェアリング・サービスを『事業』に該当させない方法を整理します。

<シェアリング×『事業』該当を避ける方法>

あ 基本事項

次のいずれかに『該当しない』
→『事業性』が否定される

い 『事業』の要件・基準

ア 反復・継続の意思
イ 『事業の遂行』と言える規模

実際には比較的広く『事業』性が肯定されるケースが多いです。
『事業該当性』を回避するハードルは高いです。
詳しくはこちら|業法一般|『業』=反復継続意思+事業遂行レベル|不特定多数は1事情

8 シェアリング×『貸す』を避ける方法

シェアリングが法規制に抵触する重要な要件が『貸す』というものです。
『貸す』に該当しない方法・方式があります。

<シェアリング×『貸す』を避ける方法>

あ 契約形式

ア 会員制
イ 共有方式
ウ 組合方式
エ 法人方式
オ 信託受益権化方式

い マネタイズポイント=料金設定方式

ア 情報提供料
イ 優先交渉権(の対価)

実際の判断では『実態』が重視されます。
契約形態だけで形式的に判断されるわけではありません。
ユーザーと『運営事業者=所有者』との『独立性』が重要な判断事情となります。
詳しくはこちら|シェアリング×会員制・組合方式|法規制の対象・該当性|基準=独立性

9 シェアリング・サービス|普及×法整備

シェアリング・サービスは社会に大きな利益をもたらすものです。
法規制が『現在の社会に最適化されていない』という状況も多いです。
法規制を打ち破る方法の1つが『世論形成』です。
世論形成が『法改正』につながります。
この点『法規制』と『普及』との競争という状況も生じることが多いです。

<シェアリング・サービス|普及×法整備>

あ 普及

ア 『便利・有益』の認知度アップ
現実に利用したことのあるユーザーが大きく増える
イ 信頼性アップ
サービスを工夫して『弊害・事故が生じない』ように徹底配慮する
→現実に『事故が少ない』ことが実証される
→多くの方がサービスへの信頼を高める

い 民主的プロセス→法整備への影響

普及により『実績』(上記)が蓄積される
→『世論=大衆の声』が『既存事業者のロビー活動』に競り勝つ
→規制を緩和する方向の法改正・法整備の実現につながる

う 世論形成vs取り締まり|スピード競争

次の2つの『スピード競争』と捉える見方もできる
ア 新サービスの『普及→実績蓄積』
イ 取り締まり=解釈論

新ビジネスモデルについての普及と法規制については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|ネオ・ラッダイト討伐|3権・テクノロジー・グレーゾーン=ベンチャーの聖域