【国有財産法の『行政財産』の内容と基本的ルール】

1 行政財産の内容と基本的ルール
2 『行政財産』の種類(定義)
3 行政財産の管理は各省各庁の長が行う
4 行政財産は原則的に処分できない
5 行政財産の使用収益を許可できる

1 行政財産の内容と基本的ルール

国有財産法では『国有財産』の管理や処分についてのルールが定められています。
そして『国有財産』は2つに分類されています。
詳しくはこちら|国有財産法の『国有財産』の定義と分類
本記事では,『国有財産』のうち『行政財産』の内容と適用される基本的なルールについて説明します。

2 『行政財産』の種類(定義)

『行政財産』の内容として4つの種類が定義されています。
要するに公共性の強い用途のものです。

<『行政財産』の種類(定義)>

あ 公用財産

国において国の事務・事業or職員の住居の用に供しor供するものと決定したもの
具体例=一般官庁の庁舎や防衛施設など

い 公共用財産

国において直接公共の用に供しor供するものと決定したもの
具体例=一般国道・河川・港湾,国営公園など

う 皇室用財産

国において皇室の用に供しor供するものと決定したもの
具体例=皇居・御用邸・陵墓など

え 森林経営用財産

国において森林経営の用に供しor供するものと決定したもの
※国有財産法3条2項
※不動産行政法規研究会著『要説 不動産に関する行政法規 第29版』学陽書房2014年p472,473

3 行政財産の管理は各省各庁の長が行う

行政財産の用途は公共的なものなので,一般的な行政の役割分担となります。
つまり,各省・各庁が管理を担当するのです。

<行政財産の管理機関>

あ 管理の主体

行政財産について
各省各庁の長が管理する

い 管理主体の例

衆・参両院議長
内閣総理大臣
各省大臣
最高裁判所長官
会計検査院長など
※国有財産法5条,5条の2

4 行政財産は原則的に処分できない

行政財産は,公共性が強いものなので,維持されるべきです。
売却などの処分をすると使えなくなります。また,権利を設定すると利用が制限されます。
これらの行為は原則として禁止されます。

<行政財産の処分の制限>

あ 処分の制限

行政財産について
原則として『ア・イ』の処分はできない
ア 貸付・交換・売払・譲与・信託・出資の目的とすることイ 私権の設定 ※国有財産法18条1項

い 制限の例外

一定の公的な用途の処分について
例外的に可能なものもある
※国有財産法18条2項

う 制限に違反する行為の効果

処分制限(あ)に違反した行為の効果について
→無効となる
※国有財産法18条5項

5 行政財産の使用収益を許可できる

行政財産は使えなくなるような処分が禁止されています(前記)。
逆にいえば,公共の用途に支障がない範囲では他の活用も許されます。

<行政財産の使用収益>

あ 使用収益の許可

用途or目的を妨げない範囲において
使用or収益の許可をすることができる
※国有財産法18条6項

い 借地借家法の適用

許可による使用収益権(あ)について
→公法上の権利である
→借地借家法の適用はない
※国有財産法18条8項
詳しくはこちら|借地借家法による借家の保護の主な内容と借家の種類

う 有償の原則

使用収益(あ)は原則として有償である
例外的に無償とすることができる
具体例=公的な主体に対して道路・水道・下水道の用に供する
※国有財産法18条7項

え 許可権者

行政財産を管理する各省各庁の長が許可する
※国有財産法5条

お 使用料について

普通財産の貸付料と同様の扱いがなされる
※国有財産法19条,21〜25条
詳しくはこちら|普通財産の貸付は有償性・上限期間・解除に関するルールがある

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