1 子供(18歳未満)は『労働』に規制がある
2 高校生(18歳未満)×『労働』の規制
3 小中学生×『労働』の規制
4 子供(18歳未満)×労働|その他のルール
5 子供自身が事業として『販売』〜実質的飛び級をテクノロジーが実現〜
6 飛び級ができないのは教育産業のネオラッダイト

1 子供(18歳未満)は『労働』に規制がある

年齢によって『労働』について,法律上,一定の規制があります。
大きく分けて次の3つのセグメントに分けられます。
単純に『年齢』ではないので,まとめておきます。

<子供×労働|規制の区分>

あ 『18歳未満』
い 『満15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまで』

一般的な『中学生』に相当する

う 『13歳未満』

※労働基準法56条,61条

以下『い』は『中学生』と簡略化して言います。

2 高校生(18歳未満)×『労働』の規制

(1)18歳未満は原則『労働』OK

18歳未満の者の労働について,一定の法規制があります。
『高校生』という範囲と大部分が重複しますが,あくまでも『年齢』基準です。

<高校生(18歳未満)×『労働』>

あ 原則

適法
『一律に禁止する』規定はない
※労働基準法56条

い 例外的な禁止・規制

一定の危険・有害な業務は禁止される
『18歳未満』は深夜業が禁止される
高校生の『深夜業』=午後10時〜午前5時(原則)
→厚生労働大臣が『午後11時〜午前6時』に変更可能
※労働基準法61条

(2)校則は別問題

よくあるのは『高校生のアルバイト』です。
『(個人)営業』ではないので法定代理人(親権者)の同意は不要です。
また,親権者の同意書・学校長の証明書(後述)も不要です。
ただ,これはあくまでも法律上のルールだけの話しです。
学校内部の独自ルールは別問題です。

(3)禁止される危険・有害業務の典型は『JK◯◯』系

18歳未満は一定の『危険・有害』業務が禁止されています。
具体的な基準は規則などで規定され,解釈基準の通達もあります。
典型的なのは『JKリフレ』などのソフトセクシャルモノです。
実は細かい基準はハッキリしていないです。
詳しくはこちら|ソフト性的サービスと労働基準法の抵触

3 小中学生×『労働』の規制

小中学生の『労働』の規制は大幅に制限されます。

<小中学生×『労働』>

あ 原則

禁止
※労働基準法56条

い 例外

セグメント別に例外のルールがある
ア 中学生
イ 13歳未満

中学生以下は一律に『原則禁止』です。
例外もあるのですが,例外については中学生と『13歳未満』で違う扱いも含まれます。
次にまとめます。

<小中学生×『労働』|例外=可能になる条件>

あ 労働の『業種』

ア 中学生
製造業等工業的業種(別表1第1〜5号)以外の業種
イ 13歳未満
映画の製作・演劇の事業(のみ)

い 労働の種類(小中学生共通)

ア 健康と福祉に有害ではない
イ 軽易な業務である
ウ 修学時間外
エ 危険・有害業務は禁止(上記の高校生同様)
オ 深夜業は禁止(上記の高校生同様)
小中学生の『深夜業』=午後8時〜午前5時(原則)
→厚生労働大臣が『午後9時〜午前6時』に変更可能

い 手続

雇用主が労働基準監督署長の許可を得る
法定代理人(親権者or後見人)の同意書+学校長の証明書が必要
※労働基準法56条,別表1,61条5項
※学校教育法20条
※年少者労働基準規則1条

『13歳未満』で可能なのは『子役タレント』くらい,ということです。
『深夜業禁止』の時間制限が厳し目です。
『午後8時まで(原則)』なのです。
『許可で緩和される』ということはありません。
そこで,生放送の夜の歌番組では『早めの出番』に設定する,などの工夫が必要となります(平成26年紅白歌合戦)。

中学生はもうちょっと広くなります。
ただし個別的に『労基署の許可+親権者・学校の承諾』が必要です。
典型的な労働は『新聞配達(レガシー)』です。
『午前5時まではNG』なので,ちょうどギリギリの時間設定です。
今後は新聞・ニュースはオンライン化が進んでいるので『昔の懐かしい風景』に追いやられつつあります。

また,一定の『過激』なものは児童福祉法の規制に抵触することがあります。
詳しくはこちら|小学生アイドルの『抱っこ会』は児童福祉法違反の疑いあります!

4 子供(18歳未満)×労働|その他のルール

『子供が働く』と言うと,レガシーな『古き良くない時代』を連想させます。
昔ながらの『親が子供を働かせる』『奉公に行かせる(おしん)』というシーンです。
当然,『子供の権利侵害』なので,現代では許されません。
個別的な『搾取』の行為が法律上禁止されているのです。
『アコギな親』のカタログ化です。

<子供の強制労働・搾取禁止ルール>

親権者が代理して労働契約締結 労働基準法58条
親権者が賃金を受け取る 労働基準法59条
『児童の酷使』 憲法27条3項

賃金受取(い)に似ているものに『お年玉の代理受領(取り上げる)』というものがあります。
これは他の条文で許されています。
『未成年者の財産管理』を親権者が行う,というものです(民法824条)。
この点『賃金』は子供自身の労務の対価なので,バリアーが張られているのです。

5 子供自身が事業として『販売』〜実質的飛び級をテクノロジーが実現〜

(1)テクノロジー進化→子供の活躍

以上は子供の『労働』についての説明でした。
現代では,テクノロジーの進化で『価値創設プロセス・構造』が大きく変化しています。
少年(少女)でも,『企業・大資本』を通さずに,社会に価値を提供することが可能となっています。

<少年・少女の活躍;直接『販売』>

プログラムを書いてアプリをApple Storeで販売する
イラストを描いてLINE Creators Marketで販売する
『歌ってみた・踊ってみた』でユーチューバーになる(YouTube投稿で広告収入を得る)

関連コンテンツ|アプリの作成,運営者も著作権のケアをしないと責任を負うことがある
関連コンテンツ|ダンス自体は『著作物』ではない→『踊ってみた』は適法の傾向

これらは『他の事業主・企業による管理の介在』がないので,『労働・雇用』ではありません。
法律上は一般の『取引・販売』であり,通常は『反復継続の意思』があるので『営業』になります。
一般的には『お父さんのアカウントを借りて』ということもありましょう。
ここではこのような『代理・代行』方式は説明対象にはしません。
以下,法律的に『子供(というか未成年者)自身』が主体として取引・事業を行うことについて説明します。

(2)未成年者の『取引』制限

一般的な『取引』(法律行為)について,民法上大きな制限があります。
法定代理人(親権者・後見人)の同意か代理でないと『有効』にならないのです。
未成年者は『行為無能力者』と,心ないネーミングが当てられています。法律上は。
逆に取引する相手としては,取引・購入のためには『親権者の同意』が事実上必須と言えます。

(3)成年擬制は『法律婚』のみ

未成年でも『婚姻』をしている場合は『営業の許可は不要』です(成年擬制;民法753条)。
未成年は『婚姻』のためには『親権者の同意』が必要です。
逆に『婚姻済(既婚ステータス)』ということは『親権者の同意』が既になされているのです。
そして『婚姻』により生じる責任の重さから考えると『営業の責任』は『婚姻の責任』未満,と言えるのでしょう。

(4)親権者の承諾のスタイル

未成年者の『取引』について親権者が承諾する方法が2つあります。
1つは『個別的取引』ごとに『同意or代理』する方法です。
もう1つは,『営業(事業)』単位で『許可』する方法です。
『営業の許可』があれば,その範囲内であれば『未成年者が単独で取引をしても有効』となります。

オンライン販売のような場合は,『販売』の個数が多いです。
またアプリ開発である程度の規模で人員を集める・機材を揃える,という場合も『機材購入』などの取引の個数が多いです。
『営業の許可』が適切です。

(5)営業許可の登記|未成年者登記

法律用語で言えば,『営業をする者』は『商人』に該当します(商法4条)。
ネーミングが,RPGの独特のキャラ(職業)みたいで場違い感がありますが,法律用語です。
一般的に言う『個人事業主』というようなものです。
ここで『未成年者の営業(事業)』については,取引先が『親権者の許可済』をハッキリ分かる必要があります。
そこで,公示制度として『未成年者登記』があります(商法5条)。
これもネーミングが分かりにくいのです。
具体的には『未成年者が親権者から営業の許可を得た』ことを記録(登記)するものです。

<登記事項>

あ 未成年者の氏名・生年月日・住所
い 営業の種類

『プログラム・アプリ開発』など

う 営業所

※商業登記法35条1項

6 飛び級ができないのは教育産業のネオラッダイト

(1)飛び級実現を阻止するネオラッダイト=教育産業

現代社会では,公的な進学レールとは外れた『才能の発揮』が望まれます。
またテクノロジーの進化・情報流通の民主化・無償化により,実現が容易となっています。
制度論はいろいろありますが,ごく簡単な方法は『飛び級』が考えられます。
要するに,大学の受験・入学の要件から『年齢』を排除する,ということです。
逆に『年齢制限により才能をスポイルされる現象』が実際に生じています。

<年齢制限が優秀な子供をダメにする現象>

中2で東大に入れるレベルに到達

約5年間『足踏み』を強要される

18歳でようやく東大に入れる

既に『時間・エネルギー』というアドバンテージ喪失済

才能発揮ができないまま埋もれてしまう

以前よりいろいろな方が指摘しているものを参考にしています。
外部サイト|藤沢数希氏|灘や開成に行く子供こそ中卒で働いたほうがいい その3

『飛び級』導入などの制度改良が実現するには時間がかかるでしょう。
教育産業の権益維持圧力=ネオラッダイト,が非常に強いのです。
詳しくはこちら|マーケットの既得権者が全体最適妨害|元祖ラッダイト→ネオ・ラッダイト

(2)テクノロジールートによるネオラッダイト突破

そこで,現在の制度を前提とした突破方法をまとめておきます。

<優秀な中高生のネオラッダイト突破法>

あ 労働タイプ

休学・退学して企業(ベンチャーなど)で働く

い 事業タイプ

オンラインを中心に直接販売する
↑テクノロジーを活用したネオラッダイトの突破(回避)

日本からも是非,第2のジョブスが誕生して欲しいものです。