【婚姻関係の「破綻」の基本的な意味と判断基準】

1 婚姻関係の「破綻」の基本的な意味と判断基準

離婚やいわゆる不倫の慰謝料に関して、婚姻関係(夫婦関係)が「破綻」しているかどうかが大きな問題となることがあります。
「破綻」は条文に出てくる言葉ではなく、裁判上の離婚原因の1つである「婚姻を継続し難い重大な事由」の解釈として出てきます。
本記事では、「破綻」の基本的な意味と、実際にどのように判断されるのかを説明します。
なお、基本的に離婚原因としての「破綻」について説明しますが、別の状況における「破綻」も共通です。

2 結論——「破綻」=共同生活の回復の見込みなし→一切の事情の総合判断

はじめに、本記事の内容をまとめておきます。

「破綻」は共同生活が回復する見込みのない状態で、一切の事情から総合的に判断される

あ 条文上の位置(どの条文の言葉か)

「破綻」は条文には出てこない。民法770条1項4号「婚姻を継続し難い重大な事由」の解釈として出てくる(令和6年改正の前は同項5号)

い 意味(どういう状態をいうか)

夫婦としての共同生活の実体を欠き、その回復の見込みが全くない状態

う 判断の材料(何を見て判断するか)

婚姻関係にあらわれた一切の事情(当事者の行為や態度、婚姻を続ける意思、子の状況、年齢や健康状態など)

え 裁量棄却との関係(破綻と関係のない事情も見るか)

2項の裁量棄却は1号から3号までで4号には及ばない。もっとも未成熟子の有無や年齢、子の意向は、4号にあたるかどうかの判断の中で考慮される

お 別居期間(長ければ破綻といえるか)

年数だけでは決まらない。別居が7年以上でも「破綻」を認めなかった裁判例がある

か 有責配偶者との順序(どちらを先に見るか)

破綻の有無が先に審理される。破綻していなければ、有責かどうかにかかわらず請求は棄却される

3 「破綻」が問題となる状況と共通性(概要)

「破綻」が問題となる状況とは、具体的には、離婚が認められるか(離婚原因)、有責配偶者にあたるか(離婚原因)、いわゆる不倫の慰謝料が発生するか、婚姻費用分担金を加減すべきかというものです。
それぞれの状況における「破綻」は同じ意味(判断基準)であるといえます。この点は別の記事で説明しています。

婚姻関係の「破綻」が問題となる状況と判断基準の共通性

4 民法770条1項4号の条文(令和6年改正で号が繰り上がった)

「破綻」は、条文に出てくる言葉ではありません。離婚原因の1つである「婚姻を継続し難い重大な事由」の解釈として出てきます。まずは条文そのものを押さえておきます。

この事由は、令和6年法律第33号(令和8年4月1日施行)による改正の前は、民法770条1項5号に置かれていました。この改正で同項4号(配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき)が削除され、繰り上がって同項4号になっています。同条2項が棄却の対象とする号も「第一号から第四号まで」から「第一号から第三号まで」に変わりました。
本記事が引用する判例や文献は、いずれもこの改正より前のものです。引用の中に出てくる「5号」「本号」は、現在の4号のことです。

条文

民法770条の条文

あ 1項(裁判上の離婚原因)

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

※民法770条1項

い 2項(裁量による棄却)

裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

※民法770条2項

5 昭和62年判例が示した「破綻」の内容(概要)

昭和62年の最高裁大法廷判決が、「婚姻を継続し難い重大な事由」とは婚姻関係の「破綻」であることと、その「破綻」の中身を示しています。
要するに、夫婦としての共同生活の実体を欠き、それが回復する見込みがまったくない状態、ということになります。

最大判昭和62年9月2日|有責配偶者からの離婚請求と信義誠実の原則|判例変更

6 「破綻」の内容に関する学説

学説も、言い回しは違いますが、昭和62年判例と同じような指摘をしています。

引用:文献・公開情報

通説=婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態

通説は、より端的に「婚姻を継続し難い重大な事由」とは「婚姻関係が破綻し、回復の見込みがない状態」とする(新版注民(22)375頁〔阿部徹]、新基本法コメ101頁〔浦野由紀子]参照)。

※神谷遊稿/二宮周平編『新注釈民法(17)』有斐閣2017年p467

引用:文献・公開情報

中核部分は婚姻の不治的破綻である

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは何かについては解釈の幅がありうるが、中核部分は婚姻の不治的破綻(婚姻関係が深刻に破綻しており、回復の見込みがないこと)であることについて、大方の意見は一致している。
その意味で、本号は、婚姻破綻を離婚原因とした規定(破綻離婚の規定)であるといえる。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p374

7 「破綻」の判断材料=婚姻関係にあらわれた一切の事情

「破綻」の意味が「共同生活の回復の見込みがない」ことである以上、実際の事案でこれを判断するときには、広い範囲の細かい事情を見ていくことになります。

引用:文献・公開情報

考慮されるのは婚姻関係にあらわれたいっさいの事情

「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、一般に、婚姻関係が深刻に破綻し、婚姻の本質に応じた共同生活の回復の見込みがない場合をいうものと解されている(中川=島津総判民(3)66、我妻174、久貴115、深谷74など)。
その判断にあたっては、婚姻中における両当事者の行為や態度、婚姻継続意思の有無、子の有無・状態、さらには双方の年齢・性格・健康状態・経歴・職業・資産状態など、当該婚姻関係にあらわれたいっさいの事情が考慮される。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p375

8 破綻と関係のない事情も離婚原因の判断に入る余地

ここまでは、婚姻が破綻しているといえるかどうかを見るときの話です。これとは別に、婚姻が破綻していても、それとは関係のない事情を考慮して離婚請求を退けてよいか、という問題があります。民法770条の作りとあわせて見ておきます。

(1)2項の裁量棄却は1号から3号までで、4号には及ばない

民法770条2項は、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは離婚請求を棄却できるとしていますが、その対象は同条1項1号から3号までで、4号(婚姻を継続し難い重大な事由)は入っていません。昭和62年判例も、この条文の作りを前提に、4号(判決当時の5号)にはこの制限が及ばないと述べています。

最大判昭和62年9月2日|有責配偶者からの離婚請求と信義誠実の原則|判例変更

条文

民法770条2項

裁判所は、前項第一号から第三号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。

※民法770条2項

(2)考慮事情に未成熟子の有無・年齢・子の意向

もっとも、2項が及ばないことは、破綻と関係のない事情がいっさい考慮されない、ということを意味しません。実際には、当事者の年齢や健康状態、職業や収入のほか、未成熟子の有無や年齢、子の意向といった事情も、4号にあたるかどうかの判断の中で考慮されています。信義誠実の原則による判断も、実質的にはこの枠の中で行われていると指摘されています。

引用:文献・公開情報

本号の判断では未成熟子の有無や年齢、子の意向も考慮される

なお、本号については、本条2項の離婚請求棄却条項が適用されない一方、本号の離婚原因の存否は、事実審の最終口頭弁論終結時までに明らかとなった事情を踏まえ、裁判官がその裁量によって判断することになる。
前述のように、場合によっては、婚姻破綻とは関係のない事情、例えば当事者の年齢や健康状態、職業や収入などの事情、未成熟子の有無や年齢、子の意向、あるいは③の場合には、病者の離婚後の生活についても考慮されて、離婚判決を正当化する事由の有無が探られることになる。
いわば実質的な信義則判断も本号の枠内で行われているといえ、その意味で、本号所定の事由は、婚姻の破綻そのものではなく、信義誠実の原則をはじめとする法的評価を含む概念と評される

※神谷遊稿/二宮周平編『新注釈民法(17)』有斐閣2017年p469

(3)未成熟子の利益による離婚の排斥=肯定・否定の両説

では、未成熟子の利益を理由に離婚請求を退けてよいのか。この点は考え方が分かれており、裁判例の立場もはっきりしていません。

引用:文献・公開情報

婚姻破綻以外の事情を考慮してよいか

(オ)婚姻破綻以外の事情
「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無を判断するにあたって婚姻破綻とは関係のない事情を考慮に入れてよいかは、かなり問題である。
まず、婚姻破綻が生じていないならば、他の事情いかんはともかくとして、離婚が認められることはない。
これについては、異論のないところと思われる。
問題は、婚姻破綻が生じているにもかかわらず、他の事情を考慮して離婚請求を斥けてよいかである。
立法趣旨は必ずしも明らかではなく、文言自体からも、当然に否定されるとはいえない。
問題になりそうなものとしては、次のような事情が考えられる。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p382〜383

引用:文献・公開情報

肯定・否定両説があり、判例の立場は明らかでない

第四に、未成熟子の利益。
これについても、肯定・否定両説が考えられる。
判例の立場は、必ずしも明らかでない(大阪地判昭27・9・13下民集3・9・1225[未成年の子の利益を考慮して離婚請求を棄却]、東京地判昭36・8・16判時281・22[3人の幼児があることを問題とせず離婚請求を認容〕、前掲横浜地判昭39・6・27〔成年に達した子が3人いることを離婚請求棄却の1つの理由とする]参照)。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p384

引用:文献・公開情報

「苛酷条項」活用の余地を残すべきとする見解

むしろ、親の都合で子どもの利益をないがしろにすることこそ問題というべきではなかろうか(中川266、佐藤隆夫「子のある夫婦の離婚問題に関する一考察」国学院法学13巻4号[昭51]21参照)。
もっとも、子どもの利益は事実上の婚姻破綻によってすでに損なわれているのであって、離婚によって改めて失うべきものはないとの見方もありえないではない。
しかし、一律にそうだといい切れるかは、かなり疑問である。
形だけの夫婦であるにもせよ、親が離婚しないでいることが子どもの利益にかなう場合は、実際問題として結構あるのではないだろうか。
離婚に対する不当な制限にならないよう慎重な配慮を必要とするが、「苛酷条項」活用の余地は、ここでは残しておくべきではないかと考える

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p385

9 「破綻」=規範的要件事実→判定のブレ

「破綻」の意味が「共同生活の回復の見込みがない」ことなので、判断しようとすると評価の部分が大きくなり、判断する人の価値観によって結果に違いが出てきます。最終的には訴訟で裁判官が判断しますが、性質上、どうしてもブレは大きいといえます。

引用:文献・公開情報

「破綻」は規範的要件事実であり、裁判官による違いが避けられない

ここでいう「破綻」は規範的要件事実(評価的要件事実)といわれる(二宮=榊原52頁)。
その結果、とくに上記の②や③の場合は、婚姻破綻の認定判断について、裁判官による違いが出てくることも避けられないし、実質的な信義則判断もなされるような事案では、本条2項の適用場面と同様、裁判官の個人的な価値観の押し付けが懸念されることになる

※神谷遊稿/二宮周平編『新注釈民法(17)』有斐閣2017年p469〜470

引用:文献・公開情報

裁判官は経験則と社会通念に従って判断するほかない

「婚姻を継続し難い重大な事由」というのは婚姻の不治的破綻を意味する(前述)。
「焼け棒杭に火がつく」といった場合まで含めて考えると、婚姻を継続しがたいかどうかは、厳密にはほとんど判定不可能であるともいえる(千種達夫「抽象的離婚原因」判時258号[昭36]6、明山和夫「離婚原因論」家月18巻12号[昭41]5、山畠正男「有責配偶者の離婚請求」演習民法〔親族・相続〕〔昭47]120、吉田欣子「婚姻破綻の原因の認定について」現代家族法大系II219参照)。
裁判官としては至難の判断を迫られる場合もあるが、経験則と社会通念に従って判断するほかはない。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p380

10 「破綻」の判断=第三者の目からみた客観的判断

「破綻」しているかどうかは客観的に判断します。当事者の気持ち(主観)も判断材料に含めますが、判断の基準としては、その立場に置かれた平均的な人なら離婚を求めるに違いないと思われるかどうか、ということになります。

引用:文献・公開情報

第三者の目からみて不治的破綻が生じていると認められるか

第一に、婚姻破綻の有無は客観的に判断すべきものとされる(中川314、久貴ほか140[浦本]、太田175)。
ややわかりにくいが、主観的側面(当事者の離婚意思ないし婚姻継続意思の喪失)を考慮しないというわけではなく、それも含めて、客観的にすなわち、第三者の目からみて婚姻の不治的破綻が生じていると認められる場合に離婚が正当化される、ということである。
いいかえると、離婚請求者(原告)の立場に置かれたならば、通常人ならだれしも離婚を求めるに違いないと思われる場合である(太田武男田中泰子「婚姻を継続し難い重大な現代の離婚問題[昭45]329、泉・前掲論文258、深谷69)。
したがって、原告の希望に反して離婚を拒否すべき場合もあることになる。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p380

11 別居=「破綻」を認めやすい典型事情

前述のように、「破綻」しているかどうかは多くの事情を考慮して判断するので、判断が難しいのですが、別居がすでに始まっていて、それが長期に及んでいる場合には、そのことから「共同生活が回復する見込みがない」と認めやすくなります。
離婚原因としての「破綻」が認められる別居期間の目安と、不貞の慰謝料(不法行為責任)の場面での「破綻」の判定は、それぞれ別の記事で説明しています。

長期間の別居期間は離婚原因になる(離婚が成立する期間の相場)

不貞慰謝料請求(不法行為責任)における「破綻」判定の実例

引用:文献・公開情報

別居が始まっていれば破綻を比較的容易に認めることができる

客観的婚姻破綻を比較的容易に認めることができるのは、夫婦間の別居がすでに始まっている場合である。
そして、それが長期に及んでいればいるほど、破綻の事実は明白となる。

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p381

12 別居期間は年数だけでは決まらない

別居期間は「破綻」を認める有力な事情ですが、年数だけで決まるわけではありません。何年たったかよりも、その間に当事者の事情がどう変わったかが見られます。

引用:文献・公開情報

別居が5年を超えるかどうかで判断の運びが変わる

すなわち、夫婦の別居が5年を超える事案では、原告配偶者に強い離婚意思が認められると、離婚請求が認容される事例が多いが、別居期間がそれより短い場合には、事情によっては子の意向も斟酌しつつ、相手方配偶者に真摯な婚姻継続意思があるかが問われ、相手方に関係修復に向けた十分な努力がみられないときは、離婚が認められることになるのに対し、相手方配偶者が強く離婚を拒んでいるといった場合は、請求を棄却する事例もみられる。

※神谷遊稿/二宮周平編『新注釈民法(17)』有斐閣2017年p474

引用:文献・公開情報

別居10年で不治的破綻とみてよいとする見解

さらに一歩を進めて、別居が10年程度以上に及ぶときは、これをもって婚姻の不治的破綻、すなわち「婚姻を継続し難い重大な事由」ありとみなしてよいのではあるまいか。
必要な期間をその程度にするのがよいのかどうかはなお検討する余地があるが、判例の現状や諸外国の立法例などを考慮して、さしあたり10年ぐらいが適当と解しておきたい。
判例も、現状では、7~8年程度の別居では離婚を認めていない

※阿部徹稿/島津一郎ほか編『新版 注釈民法(22)』有斐閣2008年p382

引用:文献・公開情報

別居期間の形式的な年数は客観的破綻の一資料にすぎない

この点については学説においても、形式的な別居年数をもって相当性があると判断するのではなく、「判決理由において、ことさらに別居期間の長短の評価を強調する意義は失われ、むしろ、別居後に『当事者双方についての諸事情が変化したのか否か』が主たる問題となるのであろう」とするもの9)、「別居期間を同居期間及び当事者の年齢との数量的な対比のみで何年以上ならと線引きするのではなく・・・・・・眼前の離婚請求が義に反しないと思われるほどの事情変更を伴う時の経過があるかが問題なのである」とするもの10)、「別居期間の形式的な年数は、あくまでも客観的破綻の一資料に過ぎないということである」とするもの11)

※大杉麻美稿/『新・判例解説Watch26号』日本評論社2020年4月p127〜128

13 7年以上の別居でも「破綻」の否定=東京高判平成30年12月5日(概要)

実際に、別居が7年以上に及んでいた事案で、「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとはいえないとして離婚請求を退けた裁判例があります。東京高等裁判所平成30年12月5日判決で、上告は棄却され、上告受理申立ても受理されなかったため、この判断は確定しています。夫が単身赴任中に突然離婚を切り出し、その後は妻との話し合いを一切拒み続けていた、という事案でした。
この判決は続けて、仮に「婚姻を継続し難い重大な事由」があるとしても、離婚請求は信義誠実の原則に反して許されない、とも述べています。信義誠実の原則との関係は後述します。

東京高判平成30年12月5日|話し合い拒絶下の7年別居|「婚姻を継続し難い重大な事由」の否定・信義則違反

14 破綻の有無の審理→信義則の判断はその後

有責配偶者からの離婚請求かどうかにかかわらず、まず婚姻が破綻しているかどうかが審理されます。破綻していなければ、そこで請求は退けられます。信義誠実の原則による判断は、そのあとの段階です。
有責配偶者からの離婚請求を認めるかどうかの判断基準は、別の記事で説明しています。

有責配偶者からの離婚請求を認める判断基準(3つの要件)

引用:文献・公開情報

信義則違反の審理の前に、婚姻の破綻の有無が審理される

有責配偶者からの離婚請求であっても、被告の抗弁である「信義則違反」の審理の以前に、婚姻の破綻の有無がまず審理されなければならない。
破綻していなければ、有責配偶者からの離婚請求であるか否かにかかわらず、5号にあたらないとして請求は棄却される。

※二宮周平ほか著『離婚判例ガイド 第3版』有斐閣2015年p67

15 おわりに

本記事では、婚姻関係の「破綻」の基本的な意味と判断基準について説明しました。

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

本記事の引用は、書籍・判例などの原文から範囲を選んで載せたものです。改行の位置は読みやすさのために当方で整えており、原文の改行と同じとは限りません。また、記号や外字の扱いにより、文字の一部が原文と異なって表示されることがあります。

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