1 借地条件(制限)の有効性
2 借地条件への違反の効果
3 借地条件違反の典型例と解除の効果
4 建物の用途制限違反と解除の効力(概要)

1 借地条件(制限)の有効性

借地にはいろいろな借地条件が設定されていることがあります。
詳しくはこちら|建物に関する借地条件の内容(基本的な分類)
本記事では,借地条件の有効性について説明します。
まず,一般論として,借地条件として借地の利用方法を制限することは合理的です。
一方,これを禁止する規定もあります。
そこで有効とされています。

<借地条件(制限)の有効性>

あ 建物による地主の利害への影響

建物によって『ア・イ』が異なる
→地主の利害に重大な影響が生じる
ア 地代の額
建物によって設定する金額(相当な金額)が異なる
イ 契約終了時の建物買取額

い 借地条件の有効性

借地上に築造される建物の制限
=『借地条件』と呼ぶ
→有効である
※稲本洋之助ほか『コンメンタール借地借家法 第2版』日本評論社2003年p118

2 借地条件への違反の効果

有効な借地条件があるケースで,借地人がこれに違反することもあります。
その場合は,債務不履行に該当するので,原則的に地主が解除できることになります。
しかし,信頼関係破壊の理論によって,解除が認められないということが実際には多いです。

<借地条件への違反の効果>

あ 債務不履行と解除

借地条件に借地人が違反した場合
→用法違反のため債務不履行に該当する
→原則として借地契約の解除ができる
※最高裁昭和39年6月19日;堅固建物への改築について

い 解除の効力の制限

信頼関係を破壊しない場合
→解除は効力を生じない
※最高裁昭和41年4月21日;増改築禁止特約違反について
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p209

3 借地条件違反の典型例と解除の効果

実際に生じる借地条件違反は『非堅固建物』の限定に関するものです。
つまり,地主の承諾なく借地人が堅固建物を建築したというケースです。
前記のように,原則論としては解除が認められます。
一方,解除が認められないということもよくあります。

<借地条件違反の典型例と解除の効果>

あ 非堅固建物所有目的の違反

非堅固建物所有目的の借地条件があった
借地人が無断で堅固建物を築造した
→重大な債務不履行となる

い 解除の効力

原則的に解除が認められる
※最高裁昭和39年6月19日
しかし,解除の効力が認められるとは限らない

う 解除が無効になる典型例

防火地域において
堅固建物を建築した場合
非堅固建物所有の条件に違反する
→しかし,解除は無効となる傾向がある
詳しくはこちら|防火地域での非堅固の条件違反の建築と解除の効力(裁判例集約)
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p209

4 建物の用途制限違反と解除の効力(概要)

前記のような『建物の構造』(非堅固)という条件違反は重大なものです。
一方,建物の用途制限違反というケースもあります。
これは比較的小さい違反です。
そこで,解除が認められない傾向が強いです。
ただし,特殊な事情があったために解除が認められた事例もあります。
詳しくはこちら|借地上の建物の賃貸と借地権譲渡(否定)・建物賃貸禁止特約の効力