1 建物に関する借地条件の内容
2 建物の種類・構造・規模・用途
3 建物の種類と用途の組み合わせの例

1 建物に関する借地条件の内容

借地において,現在では通常,借地条件が設定されています。
借地条件のうち建物に関するものは,裁判所による借地条件変更の手続の対象となります。
この点,建物に関する借地条件の内容は多くのバラエティがあります。
本記事では,建物に関する借地条件の内容を説明,紹介します。
まず最初に,条文上規定されている具体例をまとめます。

<建物に関する借地条件の内容>

あ 借地条件についての条文上の列挙

借地条件変更の裁判の対象として
条文上列挙されている内容
→建物の種類,構造,規模,用途を制限する旨の借地条件
※借地借家法17条1項

い 建物の借地条件の内容

『あ』は例示である
実際には広い範囲のものが含まれる(後記※1)
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p215

2 建物の種類・構造・規模・用途

条文上,建物に関する借地条件としては種類・構造・規模・用途の4つが規定されています。
この4つの基本的な内容をまとめます。

<建物の種類・構造・規模・用途(※1)>

あ 『建物の種類』

建物の主たる用途からみた建物の種類である
例;居宅,店舗,倉庫など
※不動産登記法44条3号,不動産登記規則113条1項参照

い 『建物の構造』(概要)

建物の主たる部分の構成材料,屋根の種類,階数による種別である
※不動産登記法44条3号,不動産登記規則114条
詳しくはこちら|借地条件のうち建物の構造の内容(堅固/非堅固の判断基準)

う 『建物の規模』

建物の大きさによる種別である
例;建物の高さ,階数,床面積
→『建物の構造』の種別と重複することも多い

え 『建物の用途』

建物の用法に関するものである
→『建物の種類』と重複することもある
例;居住用,店舗用,事務所用,これらの複合型など
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p216
※稲本洋之助ほか『コンメンタール借地借家法 第2版』日本評論社2003年p118,119

3 建物の種類と用途の組み合わせの例

実際には,上記の4つの分類はあまりハッキリしないこともあります。
特に建物の種類と用途は似ていて,重複するともいえます。
具体例を使って説明します。

<建物の種類と用途の組み合わせの例>

あ 居宅+自家用

建物の種類=『居宅』
建物の用途=『自家用(借地人自らの居住)』
→第三者への賃貸を許容しない

い 菓子店限定

建物の種類=『店舗』
建物の用途=『菓子店として使用』
→菓子店(店舗)に限定される
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p216