1 共有物分割訴訟|形式的要件|条文規定
2 協議がととのわない|解釈論|全体
3 協議がととのわない|協議不能
4 協議がととのわない|成立後履行困難

1 共有物分割訴訟|形式的要件|条文規定

共有物分割訴訟を提起するには形式的な要件があります。
提訴の前に『協議を尽くす』ことが要請されているのです。
まずは条文の規定からまとめます。

<共有物分割訴訟|形式的要件|条文規定>

あ 要件

共有物分割について共有者間に協議がととのわない(※1)
※条文上は『調わない』だが本記事ではひらがなで表記する

い 効果=訴訟提起可能

共有物分割訴訟を提起できる
※民法258条1項

2 協議がととのわない|解釈論|全体

『協議がととのわない』の解釈がいくつかあります。
まずは大きく3種類に分けられます。

<協議がととのわない|解釈論|全体(※1)>

あ 協議不調

協議したが不調に終わった

い 協議不能(後記※2)

初めから分割協議を拒んでいる共有者がいる

う 成立後履行困難(後記※3)

分割協議が成立したが履行される見込みがない

3 協議がととのわない|協議不能

『協議がととのわない』の分類の1つに『協議不能』があります。
この内容をまとめます。

<協議がととのわない|協議不能(※2)>

あ 条文規定

共有物分割訴訟の形式的要件
→共有者の協議がととのわないこと
※民法258条1項

い 原則形態

協議を行ったが不調に終わった

う 協議不能

共有者の一部が共有物分割の協議に応ずる意思がない
例;はじめから分割協議を拒んでいる共有者がいる
→共有者全員において協議をすることができない
→これも『協議がととのわない』に該当する
現実の協議実施は必須ではない
※最高裁昭和46年6月18日

4 協議がととのわない|成立後履行困難

『協議がととのわない』に関するややレアな解釈があります。
いったん分割協議が成立したことが前提となっています。
特殊ではありますが,現実にこの状況になるケースもあります。

<協議がととのわない|成立後履行困難(※3)>

あ 分割協議成立→履行困難

任意の換価分割の合意が成立した
共同売却=任意売却ができない状態が続いた
約3年半が経過した
売却できる見込みがない

い 形式的要件→肯定

『協議がととのわない』に該当する
※東京高裁平成6年2月2日