1 遺産の内容・評価が分からなかったが,しっかりとした調査で合理的遺産分割が実現
2 多額の事業資金の援助を受けていたが,『父の事業への関与』立証により持ち戻し回避に成功
3 故人の長男が先に亡くなっていたが『孫』への相続を実現;代襲相続
4 長男とその妻が父の介護・世話をしていた→寄与分として遺産分割で有利な扱いを実現
5 家業への貢献度が『兄弟で同程度』という立証で,兄の『寄与分』の主張を排斥
6 兄の医学部の学費について持ち戻しに成功;特別受益

1 遺産の内容・評価が分からなかったが,しっかりとした調査で合理的遺産分割が実現

<解決実績>

あ 事案

父の相続後,兄弟(A,B,C)間の話し合いで遺産分割がまとまりませんでした。
このような状況でした。
・遺産の内容・価値が分からない
・遺言が出てきて,誰がどれだけ相続できるのか分からない
・遺産の分け方について,相続人間で意見が一致しなくて困っている

い 経過

Aから依頼を受け,弁護士が代理人として,相続人・遺産を調査し,合理的な遺産分割方法を他の兄弟に提案しました。
その後,交渉が決裂したので,調停を申し立てました。

う 解決

最終的に,調停の途中で,兄弟全員が納得する内容で和解(調停)が成立し,遺産の承継が完了しました。

2 多額の事業資金の援助を受けていたが,『父の事業への関与』立証により持ち戻し回避に成功

<解決実績>

あ 事例

Aは長男として父の生前,かわいがられていました。
飲食店を始める際の経費など,事業資金として1000万円程度をもらっていました。
しかし,最終的に事業はうまくいきませんでした。
その後,父が亡くなりました。
次男Bと長女Cが,『Aは生前贈与を受けているから持ち戻すべきだ』と,特別受益の主張をしてきました。

い 経過

Aから法律相談を受けました。
弁護士は事情を詳しく聴取しました。
事業自体,Aよりも父が積極的に推し進め,店舗の運営にも父が深く関与しているということを把握しました。
そこで,うまく立証ができれば特別受益として扱われない可能性があると説明しました。
Aから依頼を受けました。
当方は,B,Cと交渉しました。
B,Cは特別受益の主張を一切譲りませんでした。
B,Cは,遺産分割調停を申し立ててきました。

う 解決

当方は,父が飲食店経営に主体的に関わっていたこと飲食店の運営を非常に楽しんでいたことを詳しく主張しました。
飲食店従業員との社員旅行の写真など,細かい証拠を揃え,裁判所に提出しました。
調停委員は,当方の主張に納得し,BやC(代理人)を説得してくれました。
最終的には,特別受益は考慮しない前提での遺産分割が成立しました。
Aは,持ち戻しをしないで済んだのです。

3 故人の長男が先に亡くなっていたが『孫』への相続を実現;代襲相続

<解決実績>

あ 事例

母Aが子Bに『相続させる』という遺言を作成しました。
Aが亡くなるより前にBが亡くなっていました。
Bの子(Aの孫)であるCは,Bに代わって相続を受ける旨主張しました。
しかし,Bの兄弟Dは,Aの子であるDが優先であると主張しました。

い 経過

Cから依頼を受け,弁護士が提訴しました。
過去の裁判例など,法律的な解釈を中心に徹底して主張しました。
遺言に『相続させる』と書かれていたため,『遺贈』よりも(一般の)『相続』に近い,という主張です。

う 解決

裁判所は,当方の主張を採用しました。
『CはBの代襲相続人にあたる』という判決を下しました。
結局,Cは無事,相続を受けることができました。

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詳しくはこちら|相続手続全体の流れ,遺産分割の位置付け,『遡及効』のまとめ

4 長男とその妻が父の介護・世話をしていた→寄与分として遺産分割で有利な扱いを実現

<解決実績>

あ 事案

父が亡くなりました。
生前,父と長男A・その妻Bが同居していました。
父は体力が弱っていて,歩くこともサポートが必要な状態でした。
長男A・妻Bが父の介護や,通院に付き添うなどの世話を行っていました。
父の遺産は総額で約1億5000万円相当でした。
長男A,次男C,長女Dの3人の相続人で遺産分割の話し合いをしました。
次男C,長女Dは,『法定相続だから均等に分ける』ということを主張しました。
長男Aは弁護士に相談しました。

い 経緯

弁護士は,『父の生前の介護,世話』は,寄与分として遺産分割で計算に含めるべきであると説明しました。
弁護士は交渉を受任しました。
当方は,父の体が不自由であった状況や,具体的な長男A・妻Bのサポートの内容をできるだけ詳しく書面に再現しました。
写真,診断書,父の手帳への記載など,関係する資料も広く集めて整理しました。

う 解決

長男Aの弁護士は,当方提出の主張・証拠から,寄与分が認められるという考えを持つに至りました。
結局,介護・世話などについて約1000万円相当の寄与分を前提とした遺産分割が実現しました。

5 家業への貢献度が『兄弟で同程度』という立証で,兄の『寄与分』の主張を排斥

<解決実績>

あ 事案

亡くなった父の子A・Bともに父が経営していた会社の事業に関与していました。
父の遺産相続に際し,Aは『法定相続で良い』と考えていました。
しかしBは,『自身が事業への貢献した』ことを理由に寄与分を主張しました。
交渉は決裂しました。

い 経過

Aから依頼を受け,弁護士が,家庭裁判所に審判を申立てました。
Bも他の弁護士に依頼し,審判申立をしてきました。
当方(A)は,『BだけでなくAも故人(父)の会社で働いていた』ことを主張しました。
つまり『貢献はBだけではない』ということです。
さらに『貢献したのは父個人ではなく会社だから相続とは関係ない』という主張もしました。

う 結果

家庭裁判所は,当方の主張を採用し,双方の申立を却下しました。
つまり寄与分は認めないという当方の希望どおりの内容です。
結局,公平な遺産承継が実現しました。

6 兄の医学部の学費について持ち戻しに成功;特別受益

<解決実績>

あ 事案

故人は医師でした。
長男Aは学生の頃,医院を継ぐために医学部に進学しました。
その際,1年浪人をし,大学でも留年をしたため,卒業まで規定の『6年』よりも数年多く要しました。
次男Bは,学費等は特別受益として持ち戻す必要があると主張しました。
遺産分割協議は,特別受益の見解について,双方が譲らなかったため決裂しました。
Aから依頼を受けた別の弁護士が提訴しました。
Aは,次のように主張しました。
『歯学部に進学したのは,医院を継いでほしいという父の意向である』
『元々父は裕福であったため,不均衡は生じない』

い 経過

Bから依頼を受けて,『Aの主張と反対の事情』を反論しました。
また,『Aの言い分は願望であって,父の本意ではない』と,証拠の不備を追及しました。

う 解決

裁判所は,B(当方)の主張を採用し,学費等については,特別受益にあたると判断しました。
結局『Aは学費等を遺産に持ち戻す』という結果を実現しました。

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