1 親子関係・調停|特徴=事実調査が必要
2 親子関係・調停|事実調査が必要である理由
3 親子関係・調停|手続の流れ
4 親子関係の確認・立証方法|原則
5 親子関係の確認・立証方法|例外|具体例
6 親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×不都合
7 擬制自白・欠席判決|比較
8 親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×工夫
9 DNA鑑定|方法・内容

1 親子関係・調停|特徴=事実調査が必要

親子関係についての家裁の調停があります。
(別記事『親子関係・手続・基本』;リンクは末尾に表示)
このような調停の特徴をまとめます。

<親子関係・調停|特徴=事実調査が必要>

あ 一般的な調停

当事者が合意さえすれば調停が成立する
=合意内容が『調停調書』として作成されて手続が終了する
※家事事件手続法268条

い 親子関係の調停・特殊性

嫡出否認・認知・親子関係不存在確認の調停の場合
→『合意』だけでは終了しない
『必要な事実を調査した上』で『審判』を行う
この性質から『特殊調停』と呼ばれる
※家事事件手続法268条4項,277条1項
詳しくはこちら|家事事件|手続|種類・基本|別表第1/2事件・一般/特殊調停対象事件

2 親子関係・調停|事実調査が必要である理由

親子関係に関する調停で『事実調査』が必要な理由をまとめます。

<親子関係・調停|事実調査が必要である理由>

親子関係など戸籍に関する事項について
万一当事者で結託して不正が行われた場合
→『公的手当・扶助などの不正受給』につながる
→当事者による不正を回避する必要がある
→当事者の合意とは別に科学的調査・裏付けが要求される

3 親子関係・調停|手続の流れ

親子関係についての調停では『事実調査』が必要です(前述)。
これも含めた手続全体の流れを整理します。

<親子関係・調停|手続の流れ>

調停申立
→協議
→合意成立
→事実確認=DNA鑑定(後述)
→審判

4 親子関係の確認・立証方法|原則

親子関係を確認・立証する方法について説明します。
要するに『血縁関係』の証拠ということになります。
基本的な事項をまとめます。

<親子関係の確認・立証方法|原則>

あ 代表的方法=DNA鑑定

DNA鑑定で,医学的・科学的に親子関係を鑑定する
DNA鑑定を用いることが実務上,非常に多い

い その他の方法|可能性

DNA鑑定は必須ではない
他の手段を用いることもある

5 親子関係の確認・立証方法|例外|具体例

親子関係の確認はDNA鑑定とは限りません。
例外的な確認・立証方法もあります。

<親子関係の確認・立証方法|例外|具体例>

あ 前提・手続の種類

『嫡出否認』の手続において
前婚の夫と子の嫡出推定を否定する

い 立証事項

『外観的客観的に子の母と前婚の夫との性交渉が不能であること』を立証する
DNA鑑定以外の状況を裏付ける証拠を用いることもある
※『月報司法書士2015年1月』日本司法書士会連合会p85〜

DNA鑑定が必須か不要か,ということは裁判所の裁量で決められます。

6 親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×不都合

親子関係の立証では『夫の協力』が重要です。
事情によっては『夫の協力』が得られないこともあります。
このような場合の不都合をまとめます。

<親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×不都合>

あ 『夫』の協力を得られない|背景・典型例

『推定対象の父』=『夫』が手続に協力してくれない
できれば知らせずに手続を進めたい

い 『夫』の協力なし×不都合

『夫』がDNA鑑定の検体採取に応じてくれない
家事手続では『擬制自白・欠席判決』が適用されない(※1)
客観的な裏付けが不十分となる
→裁判所が判断しにくい
=実際には手続を進めにくい状態となる

7 擬制自白・欠席判決|比較

一般の訴訟では『擬制自白』という制度があります。
家裁の手続ではこの制度は適用されません。
『擬制自白』の制度を比較として紹介しておきます。

<擬制自白・欠席判決|比較(上記※1)>

一般的な訴訟では『擬制自白』が適用される
→協力しない当事者に不利な判断となる
=いわゆる『欠席判決』である
詳しくはこちら|相手方が欠席した場合の訴訟等の進行・擬制自白

8 親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×工夫

『夫の協力』がない場合でも立証をクリアできることもあります。
立証方法の工夫について紹介します。

<親子関係の立証方法|『夫』の協力なし×工夫>

あ 『夫』の協力なし×立証の工夫

『真実の父親』に協力してもらう
『真実の父親』からDNA鑑定の検体採取を行う
『真実の父親』と子に『血縁上の父子関係あり』という鑑定結果を得る
→結果的に『夫』と子には『血縁上の親子関係なし』と判断できる

い 認知との関係=別手続

『真実の父親』と子の『法律上・戸籍上の親子関係』は認められない
これは『認知』として別の手続で行うことになる
敢えて認知しないということも可能である
詳しくはこちら|死後の認知|全体|認知を回避or遅らせる背景事情

9 DNA鑑定|方法・内容

親子関係についての家裁の手続ではDNA鑑定を用いることが多いです(前述)。
DNA鑑定の具体的な方法・内容については別に説明しています。
(別記事『DNA鑑定|基本|方法・内容』;リンクは末尾に表示)