【仮想通貨交換業者登録の申請件数や所要期間の実情(平成30年8月)】

1 仮想通貨交換業登録申請の件数や審査・所要期間の実情
2 登録件数の状況(〜平成30年8月)
3 登録手続の所要期間
4 登録手続の具体的な審査の例
5 仮想通貨交換業者登録の申請手続の流れ(概要)

1 仮想通貨交換業登録申請の件数や審査・所要期間の実情

平成28年6月に改正された資金決済法で仮想通貨交換業の登録制度が作られました。
詳しくはこちら|仮想通貨交換所の規制(平成28年改正資金決済法)の全体像
この制度(改正法)の施行日は平成29年4月1日です。しかし,この時点で既にサービス提供を行っていて,その後半年間(平成29年10月1日まで)に登録申請をした事業者は,登録をしたものとみなされる特例措置があります。
詳しくはこちら|仮想通貨交換業の登録制度の施行日と平成29年10月までの特例期間
その後,登録件数は増えつつあります。
本記事では,登録申請の件数や登録審査に要する期間の実情について説明します。

2 登録件数の状況(〜平成30年8月)

仮想通貨交換業の登録申請中の件数は数十件はあります。
平成29年8月時点では登録完了となった件数はゼロでした。
平成29年9月29日に11件(業者数)が登録完了となりました。

<登録件数の状況(〜平成30年8月)>

あ 平成29年8月末時点の状況

仮想通貨交換業の登録を完了した件数はゼロであった

い 平成29年9月29日時点の状況

11件(業者)が登録完了となった
継続審査中は17件であった

う 平成29年12月1日時点の状況

15件(業者)が登録完了となった(4社追加)

え 平成29年12月26日時点の状況

16件(業者)が登録完了となった(1社追加)

お 平成30年8月時点の状況

登録完了の件数は変わっていない
外部サイト|金融庁|仮想通貨交換業者登録一覧(平成30年7月10日現在)
継続審査中は約100件である
みなし業者(申請済・審査中)は9件である
(みなし業者は16件であったが7社が申請を取り下げた)
※三菱UFJリサーチ&コンサルティング・経済レポート2018年4月25日

最後の経済レポートのソースは別の記事で紹介しています。
詳しくはこちら|平成30年前半の仮想通貨交換業者の規制(登録審査)の厳格化

3 登録手続の所要期間

仮想通貨交換業の登録の手続に要する標準的な期間は,全体でおおむね半年程度です。しかし,平成30年当初のコインチェックNEM流出事件を経て審査が厳格化されました。
詳しくはこちら|平成30年前半の仮想通貨交換業者の規制(登録審査)の厳格化
そのため,現在(平成30年8月)では,新規の登録申請が中止されており,また,審査の所要期間も平均的に1年程度まで伸びています。
もちろん,個別的な事情によって,審査の内容は大きく異なります。当然,審査に要する期間も大きく変わってくることがあります。

<登録手続の所要期間>

あ 平均的な期間

登録申請〜審査〜登録完了に要する標準的な期間はおおよそ半年程度である
取り扱う仮想通貨の種類によって大きく異なる
現在(平成30年8月)は平均的に1年程度となっている

い 期間が短くなる事情

取り扱う仮想通貨が有名な仮想通貨である場合
例=ビットコイン
→仕組みの把握が容易である
→登録審査は短期間で済む傾向がある

う 期間が長くなる事情

取り扱う仮想通貨がマイナーな仮想通貨である場合
『ア・イ』の審査を含めて時間を要する傾向がある
ア 仮想通貨への該当性イ 仮想通貨交換業への該当性

4 登録手続の具体的な審査の例

登録の手続や審査の内容については,内閣府令や事務ガイドラインで細かいことが規定されています。
これについて,分かりやすい具体的な事情を紹介します。
ビットコインのみを扱うサービスであれば,仕組みの把握が容易なので,最も審査が単純になり,所要期間も短くなります。
申請書の提出後の面談は1回だけで済む傾向があります。

<登録手続の具体的な審査の例>

あ 面談回数の具体例

ビットコインだけを取り扱う仮想通貨交換業であれば
金融庁(財務局)での面談は1回で済むことが多い
面談は代理人or申請者本人(代表者や担当者)による

い 他の手続のバラエティ

財務局から申請者本人との面談を要請することもある
財務局スタッフが事業所に赴いて調査することもある

う 事務ガイドラインの規定(参考)

特に事務(業務)遂行と法令遵守の体制の整備については実態が重視される
→事務ガイドラインで実地調査による検証も示されている
※仮想通貨交換業者ガイドライン『Ⅲ−2−1(2)②』・p49
詳しくはこちら|仮想通貨交換業者の体制の整備の登録審査と業務監督の着眼点

5 仮想通貨交換業者登録の申請手続の流れ(概要)

実際の仮想通貨交換業者登録の申請手続の流れについては,金融庁(財務局)が高頻度で変更しています。これに伴い,登録申請(審査)に要する平均的期間も長くなってきています。
平成30年4月時点の申請手続の流れや所要期間については別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|仮想通貨交換業者の登録申請の手続の流れ(事前面談・ドラフト審査・本申請)

仮想通貨交換業の登録には多くの細かいルールや運用上の扱いがあります。
みずほ中央法律事務所では,仮想通貨交換業の登録やその準備段階のサポートを行っています。
実際に仮想通貨交換業登録をお考えの方は,弁護士の法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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