1 登録申請の全体像と申請書記載事項・添付書類
2 仮想通貨交換業の登録申請書
3 仮想通過交換業の登録申請書の記載事項
4 登録申請書の添付書類(法律指定)
5 登録申請書の添付書類(内閣府令指定)
6 業務委託契約書記載事項
7 内閣府令により定められた書面様式
8 財産的基礎や運営体制整備の審査方法(概要)

1 登録申請の全体像と申請書記載事項・添付書類

改正資金決済法により,平成29年から仮想通貨交換業は登録が必要になりました。
詳しくはこちら|仮想通貨交換所の規制(平成28年改正資金決済法)の全体像
本記事では,仮想通貨交換業の登録申請の全体的な説明をします。
また,登録申請書の記載事項と添付書類についても説明します。

2 仮想通貨交換業の登録申請書

仮想通貨交換業の登録申請は,書面(申請書)の提出によって行います。

<仮想通貨交換業の登録申請書>

あ 登録制度(前提)

仮想通貨交換業を行うには
内閣総理大臣の登録を受けることが必要である
※資金決済法63条の2
詳しくはこちら|仮想通貨交換所の規制(平成28年改正資金決済法)の全体像

い 登録申請

『あ』の登録を受けようとする者は
登録申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない
申請書の記載事項は定められている(後記※1)
※資金決済法63条の3第1項

3 仮想通過交換業の登録申請書の記載事項

登録申請書に記載する内容は,資金決済法と内閣府令で定められています。

<仮想通過交換業の登録申請書の記載事項(※1)>

あ 商号・住所
い 資本金の額
う 仮想通貨交換業に係る営業所の名称・所在地
え 取締役・監査役の氏名

監査等委員会設置会社にあっては取締役とする
指名委員会等設置会社にあっては取締役・執行役とする
外国仮想通貨交換業者にあっては外国の法令上これらに相当する者とする

お 会計参与の氏名or名称

会計参与設置会社のみ

か 国内における代表者の氏名

外国仮想通貨交換業者のみ

き 取り扱う仮想通貨の名称
く 仮想通貨交換業の内容・方法
け 第三者に委託する業務の内容・委託先の氏名or商号or名称・住所

仮想通貨交換業の一部を第三者に委託する場合のみ

こ 他の事業の種類

他に事業を行っている場合のみ

さ 取り扱う仮想通貨の概要
し 利用者の財産の管理の方法
す 苦情・相談の窓口

仮想通貨交換業の利用者からの苦情or相談に応ずる営業所の所在地・連絡先

せ 加入する認定資金決済事業者協会の名称

仮想通貨交換業者を主要な協会員or会員とするものに限る
※資金決済法63条の3第1項
※仮想通過交換業者に関する内閣府令5条

4 登録申請書の添付書類(法律指定)

登録申請の際には,申請書だけではなく,多くの資料を提出します。
添付書類は多いので,まずは,資金決済法で指定されているものだけを整理します。

<登録申請書の添付書類(法律指定)>

あ 誓約書

登録拒否要件に該当しないことを誓約する書面(※2)
登録拒否要件=資金決済法63条の5第1項
詳しくはこちら|仮想通貨交換所の規制(平成28年改正資金決済法)の全体像

い 財務に関する書類
う 業務遂行体制整備書類

仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制の整備に関する事項を記載した書類

え 内閣府令指定書類

その他の内閣府令で定める書類(後記※3)
※資金決済法63条の2第2項

5 登録申請書の添付書類(内閣府令指定)

登録申請書の添付書類は内閣府令でも多くのものが指定されています。

<登録申請書の添付書類(内閣府令指定・※3)>

あ 宣誓書の要式

前記※2の宣誓書について様式が定められている
※別紙様式3号

い 取締役などの住民票の抄本

取締役などが外国人である場合は『ア〜ウ』のいずれか
ア 在留カードの写し
イ 特別永住者証明書の写し
ウ 住民票の抄本

う 取締役などの婚姻前の氏名を証する書面

婚姻前の氏名を登録申請書に記載した場合において
『い』の書類が婚姻前の氏名を証するものでない場合のみ

え 制限能力者・破産者でない証明書

取締役などが『ア〜ウ』に該当しない旨の官公署の証明書
ア 成年被後見人
イ 成年被保佐人
ウ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

お 取締役などの履歴書or沿革

様式が定められている
※別紙様式5号,6号

か 株主名簿・定款・登記事項証明書

様式が定められている
※別紙様式7号

き 外国における仮想通貨交換業の登録証明書

外国において日本の仮想通貨交換業登録と同種類の登録を受けた証明書
外国仮想通貨交換業者である場合のみ

く 最終の貸借対照表・損益計算書

登録の申請日を含む事業年度に設立された法人の場合
→法人成立の日における貸借対照表

け 前事業年度の会計監査報告書

会計監査人設置会社である場合のみ

こ 収支計画書面

事業開始3事業年度における
仮想通貨交換業に係る収支の見込みを記載した書面

さ 取り扱う仮想通貨の概要を説明した書類

ア 仮想通貨交換業の概要図
仮想通貨交換業の内容毎に仮想通貨交換業者,利用者その他関係者の契約関係や債権・債務関係がわかるように簡略に図示する
イ 仮想通貨の名称,単位,仕組み
仕組みは発行者の有無,取り扱う仮想通貨が有するリスクその他の利用者が認識すべき当該仮想通貨の特性について簡潔に記載する
※別紙様式第1号第7面記載上の注意より

し 仮想通貨交換業に関する組織図

内部管理に関する業務を行う組織を含む

す 仮想通貨交換業を管理する責任者の履歴書
せ 仮想通貨交換業に関する社内規則など

社内規則その他これに準ずるもの

そ 利用者との間の契約書類

仮想通貨交換業の利用者と仮想通貨交換業に係る取引を行う際に使用する契約書類

た 業務委託契約書

仮想通貨交換業の一部を第三者に委託する場合のみ
記載事項が定められている(後記※4)

ち 紛争解決機関に関する書面

『ア・イ』のうち該当する方の事項を記載した書面
ア 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関が存在する場合
手続実施基本契約の相手方である指定仮想通貨交換業務紛争解決機関の商号or名称
ロ 指定仮想通貨交換業務紛争解決機関が存在しない場合
仮想通貨交換業者の苦情処理措置・紛争解決措置の内容

つ その他参考となる事項を記載した書面
て 官公署が証明する書類の有効期限

申請日の前3か月以内に発行されたものに限る
※仮想通過交換業者に関する内閣府令第6条

6 業務委託契約書記載事項

業務の一部を外注する場合は,業務委託契約書の調印をします。
この業務委託契約書も登録申請の際に提出します(前記)。
さらに,業務委託契約書の内容(記載事項)も指定されています。
逆に,業務委託先を探す段階から,契約書案を準備しておく必要があるといえます。

<業務委託契約書記載事項(※4)>

あ 業務委託契約書の添付

仮想通貨交換業の一部を第三者に委託する場合
登録申請書に業務委託契約書を添付する
業務委託契約書には『い』の事項が記載されている必要がある

い 記載事項

ア 資金決済法などを遵守する旨の文書
イ 委託業務の範囲に関する事項
ウ 委託手数料の決定・支払いに関する事項
エ 委託業務の取扱いに必要な経費の分担に関する事項
オ 営業用の施設・設備の設置主体など
※仮想通貨交換業者ガイドライン『Ⅲ−2−1(1)①ハ』・p48

7 内閣府令により定められた書面様式

仮想通貨交換業の登録申請書の記載事項や添付書類についての様式(フォーマット)は,内閣府令で定められています。
当然ですが,資金決済法や内閣府令の条文で規定された事項(項目)が列挙されたものです。

<内閣府令により定められた書面様式>

あ 内閣府令別紙の様式
様式第1号 登録申請書(一般)
様式第2号 登録申請書(外国登録業者)
様式第3号 宣誓書(一般)
様式第4号 宣誓書(外国登録業者)
様式第5号 履歴書
様式第6号 沿革
様式第7号 株主の名簿
様式第8号 仮想通貨交換業者の登録について(※5)
様式第9号 登録の拒否について(※5)
様式第10号 変更届出書
様式第11号 事業報告書
様式第12号 事業報告書
様式第13号 利用者財産の管理に関する報告書
様式第14号 仮想通貨交換業の廃止等届出書
様式第15号 仮想通貨交換業廃止公告届出書
様式第16号 法令違反行為等届出書

※5 財務局長の作成する書面である(申請者・事業者が用いるものではない)

い 書式に関する他の公式情報

申請書の記載事項・添付書類について
『あ』以外に公式の情報はない
例=通達・関連団体による出版物
※平成29年8月関東財務局金融監督第6課ヒアリング

8 財産的基礎や運営体制整備の審査方法(概要)

仮想通貨交換業の登録申請書を提出した後に,登録の審査が行われます。
要するに登録拒否要件がないかどうかを金融庁が審査・判断するのです。
特に,財産的基礎事務遂行の体制やルール遵守の体制の整備ができているかどうかは,多くの事情から評価して判断する事項です。
審査において申請書や添付書類は重要な審査対象となります。
さらに,個別的にヒアリングや現地の確認も行われます。
このような審査や判断の方法や基準については別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|仮想通貨交換業登録における財産的基礎の審査方法と判断基準
詳しくはこちら|仮想通貨交換業者の体制の整備の登録審査と業務監督の着眼点

また,資金決済法,内閣府令,事務ガイドラインの情報ソースは別の記事で紹介しています。
詳しくはこちら|仮想通貨交換所の規制(平成28年改正資金決済法)の全体像

仮想通貨交換業の登録には多くの細かいルールや運用上の傾向があります。
みずほ中央法律事務所では,仮想通貨交換業の登録やその準備段階のサポートを行っています。
実際に仮想通貨交換業登録をお考えの方は法律相談をご利用くださることをお勧めします。