【株券喪失登録制度|請求→名簿への登録→無効・株券再発行】

1 株券喪失登録制度|請求・登録
2 株券喪失登録制度|効力
3 株券喪失登録制度|従来の制度からの改正

1 株券喪失登録制度|請求・登録

一般的に有価証券を喪失した場合『除権決定』の手続があります。
(別記事『除権決定』;リンクは末尾に表示)
一方『株式』については『公示催告・除権決定』の手続が使えません。
以前は使えましたが,法律改正で『別の制度』が作られたのです(後述)。
新設された『株券喪失登録制度』について説明します。
手続の最初の段階についてまとめます。

<株券喪失登録制度|請求・登録>

あ 利用する状況|典型例

株券を喪失した・盗難に遭った場合

い 株券喪失登録請求

ア 請求者 株券を喪失した者=株主
イ 手続 会社に対し株券喪失登録の請求を行う
※会社法223条

う 登録簿への記録

会社は,株券喪失登録簿に記録する
※会社法221条

このような『流れ』自体は除権決定の制度と似ています。
主催機関が『裁判所ではなく発行会社』であるところが大きな特徴です。
手続を利用する方の時間・作業的手間などのコストが節約できるのです。

2 株券喪失登録制度|効力

株券喪失登録制度による『効果』の部分をまとめます。

<株券喪失登録制度|効力>

あ 株券無効の前提条件

次のいずれにも該当する
ア 喪失株券の所持者が現われないイ 株券喪失登録の翌日から1年が経過した

い 株券無効の効果発生

ア 対象の株券は無効となるイ 新株券が再発行される 『不発行』を規定している場合は発行されない
※会社法228条

『1年間』は待機期間が必要になる,ということです。

3 株券喪失登録制度|従来の制度からの改正

株券喪失登録制度は法改正で作られたものです(前述)。
この法改正・制度変更についてまとめます。

<株券喪失登録制度|従来の制度からの改正>

あ 制度施行=変更時点

平成15年4月1日
商法改正により株券喪失登録制度が新設された
その後会社法に引き継がれている

い 従来の制度

ア 施行日以前 『公示催告・除権決定(判決)』の手続の対象であった
イ 現在=施行日以降 公示催告・除権決定の手続の対象にはならない
※会社法233条

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