【ドローン|法整備・テクノロジー→U.S.A.のリード|視界外飛行→解禁方向】

1 ドローン×法規制|現行・概要|U.S.A.
2 15年2月|FAAが『規制の原案』を公表|『視界外の飛行』NG
3 U.S.A.|官民プロジェクト『パスファインダー』
4 U.S.A.の視界外飛行=遠隔操作テクノロジー|BVLOS
5 U.S.A.のリード|法整備×テクノロジー|他の国は動きを見守る
6 日本で立法中の法律|FAA原案を参照している
7 U.S.A.の勢い×ブレーキ|既存プレイヤー=ALPA公式コメント

本記事ではU.S.A.のドローンに関する法整備についてまとめます。
国際的な法規制の競争については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|ドローン・ロボット|法整備への動き|日本政府のロボット新戦略・国際競争

1 ドローン×法規制|現行・概要|U.S.A.

米国ではドローンに関する法整備が進められています。
まずは,米国の現行法の概要をまとめます。

<ドローン×法規制|現行・概要|U.S.A.>

あ 公用

連邦政府・地方政府用は認可制である

い 民間・業務用

今後法制化する予定である(後記)
現在は『例外』として個別審査・認定がなされる

う 民間・非事業用

一般的な使用についての規制はない
※株式会社シード・プランニング『産業用無人機(飛行機,ヘリ)の現状と用途別市場動向』平成27年4月3日p7

2 15年2月|FAAが『規制の原案』を公表|『視界外の飛行』NG

米国では15年2月,FAAが法規制の『原案』を公表しました。

<U.S.A.の規制の原案|FAA=連邦航空局>

重量(質量) 25kg未満
飛行エリア 目視確認できる範囲内
飛行直下の状態 関係者以外の頭上飛行禁止(例外許可あり)
飛行時間帯 日の出〜日の入り(走れメロスルール)
最高速度 時速100マイル(約160km)
最高高度 500フィート(約150m)

※2015年2月15日FAA発表

『視界外の飛行』を否定した内容になっているのがポイントです。
この時点で『商用利用』は実質的に『NG』となったに等しいです。
他の国としてはある意味『緊張緩和・ほっとした』という状態と言えます。
しかしこれはあくまでも『原案』です。
他の国は油断できません,U.S.A.のこの原案はカモフラージュのように思える時が来るでしょう。
U.S.A.の動きを続けて紹介します。

3 U.S.A.|官民プロジェクト『パスファインダー』

米国は,15年2月に『視界外の飛行』について『解禁の方向性』も強く打ち出しています。

<U.S.A.×視界外の飛行|ルール解禁>

あ パスファインダー;Pathfinder

ア 構成員

構成員 本業 プロジェクトにおける役割・目的
連邦航空局(FAA) 公的ルール整備 視界外の飛行の問題点の洗い出し
CNN 報道機関 都市部の取材活動
プレシジョンホーク ドローンメーカー 農場の作物調査
BNSF 鉄道会社 鉄道インフラの点検
い 活動の方向性へのコメント;記者会見

ア 発言者 FAA長官;マイケル・ウェルタ
イ 記者会見の機会 15年2月
ドローン展示会@アトランタ
ウ コメント内容 オペレーターの『視界外の飛行』を解禁する方向性を示唆した

4 U.S.A.の視界外飛行=遠隔操作テクノロジー|BVLOS

米国では,既に『視界外飛行』=『無人ヘリの遠隔操作』は実用化されています。

<U.S.A.×視界外の飛行|BVLOSテクノロジー>

beyond visual line of sight
オペレーターの視界外=遠隔操作
→既に軍事用に開発され,実用化されている

次に軍事利用の実例を紹介します。
動物の殺傷を避けるような意向が見受けられますが,敵を掃討する作戦です。
過激なので閲覧にはご注意ください。
外部サイト;LiveLeak|2 APACHES KILL A PLATOON OF TALIBAN(閲覧注意)
外部サイト;YouTube|アパッチの遠隔操作・爆撃(閲覧注意)

なお,日本は農業での利用,という平和利用実績では世界をリードしています。
詳しくはこちら|ドローン|ラジコンヘリからの発展・世界の3強メーカー・期待される用途

5 U.S.A.のリード|法整備×テクノロジー|他の国は動きを見守る

米国は,ドローンのテクノロジーと法整備で世界をリードする状況になっています。
このままだと,企業・研究者・収益で他国に『超えられない壁』を作る勢いと言えましょう。
他の国は,緊張感を持って,テクノロジー・法整備のいずれにも注目しているのです。

6 日本で立法中の法律|FAA原案を参照している

日本では現在ドローンについての法規制の立法が進行中です。
ドローン規制法と航空法の改正,という2件が同時に審議中となっています。
改正航空法の案の中ではFAAの規制原案と同じ項目も多いです。
まさに,各国が米国(FAA)の動きを見守っていることが分かります。
(別記事『ドローン規制法・航空法改正』;リンクは末尾に表示)

7 U.S.A.の勢い×ブレーキ|既存プレイヤー=ALPA公式コメント

先進的とも言える米国ですが『ブレーキ』もあります。

<反対する既存勢力;ネオ・ラッダイト>

あ 公式コメント発表機関

航空パイロット協会;ALPA
U.S.A.運輸省に書簡提出

い コメント内容

機上キャメラではオペレーターの肉眼による直接確認と同じ安全性は確保できない
容認できないリスクを孕む;add unacceptable risk

最新のテクノロジー・産業に対して一定のブレーキが生じるのは社会の構造的な現象です。
詳しくはこちら|マーケットの既得権者が全体最適妨害|元祖ラッダイト→ネオ・ラッダイト

<参考情報>

『週刊ダイヤモンド2015年2月14日』p94〜
『週刊ダイヤモンド2015年5月23日』p85

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