【民法上の組合の共同事業の基本(目的となりうる事業・事業の共同性)】

1 民法上の組合の共同事業の基本

民法上の組合が成立する要件は大きく4つあります。
詳しくはこちら|民法上の組合の成立要件(当事者・出資・共同事業・合意)の全体像
要件の1つに(組合員による)共同事業があります。
本記事では、共同事業(事業の共同性)の基本的事項について説明します。

2 組合契約における共同事業

民法の条文規定として、民法上の組合の成立には共同の事業が必要とされています。

組合契約における共同事業

あ 共同事業の目的の必要性

各組合員が何らかの事業を共同の目的とすることが必要である
※鈴木禄弥編『新版 注釈民法(17)債権(8)』有斐閣1993年p47、48

い 組合の目的となりうる事業(概要)

営利性・継続性は不要である
公序良俗に反する事業は認められない(後記※1

う 事業の共同性

各構成員(組合員)が事業に関与する権利を持つことが必要である(後記※2

3 組合の目的となりうる事業

組合の事業の内容としては、比較的幅広い活動が認められます。ただし、(当然ですが)公序良俗に反するものは否定されます。

組合の目的となりうる事業(※1)

あ 営利性(不要)

事業の種類は、営利、非営利(公益、中間的なもの)を問わない

い 継続性(不要)

継続的であることを要しない
例=1回だけ物を共同購入・転売すること
※鈴木禄弥編『新版 注釈民法(17)債権(8)』有斐閣1993年p47、48

う 公序良俗適合性(必要)

公序良俗に反する内容を目的とする組合は無効である
※大判大正5年8月12日参照(無尽について)
※東京地裁昭和58年3月30日(3店方式違法判決)
詳しくはこちら|パチンコの特殊景品・3店方式の違法性から組合の成立を否定した裁判例

4 組合の事業の共同性

組合の事業は、組合員が共同で行うものである必要があります。とはいっても、全員が平等に事業の遂行に関与することまでは必要ありません。最低限、監督する権限を有する(行使する)という関係で足ります。
また、共同の事業といえるためには、組合員の全員が利害関係を有する必要があります。

組合の事業の共同性(※2)

あ 事業の遂行に関与する権利

すべての当事者が組合の事業の遂行に関与する権利を持つことが必要である
関与の程度は低くてよい
例=業務執行に対する監督(検査)の権限(民法673条)だけを有する
※鈴木禄弥編『新版 注釈民法(17)債権(8)』有斐閣1993年p48

い 事業の成功への利害関係

すべての当事者が事業の成功に利害関係を有することが必要である
利害関係は経済的なものでも精神的なものでもよい
ただし営利事業を目的とする場合は全員への利益分配が必要である
※鈴木禄弥編『新版 注釈民法(17)債権(8)』有斐閣1993年p48、49

5 共有物の共同使用と共同事業の判別の困難性

以上のように、組合が成立するには共同の事業が認められることが必要です。
実際には、共同の事業といえるかどうかをハッキリと判断できない状況も多いです。
というのは、財産を共有しているケースでは、財産を共同使用する関係があります。この単なる共同使用共同事業の判別には曖昧なところがあるのです。

共有物の共同使用と共同事業の判別の困難性

あ 土地の共有者間の共同目的

土地の共有者の共有物使用関係が、何らかの共同目的のものであれば組合となりうるが、たんに共有物の使用方法の協定にすぎなければ組合とはならない
しかし、その限界の認定は必ずしも容易ではない。
※福地俊雄稿/鈴木禄弥編『新版 注釈民法(17)』有斐閣2010年p49

い 共有物の使用方法の決定(参考)

持分の過半数を有する共有者の同意により共有物の使用方法を決定できる
詳しくはこちら|共有物の変更・管理・保存行為の意思決定に必要な同意の範囲と大まかな分類

組合の共同事業の判断基準(目安)や多くの具体例(判例)については、別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|民法上の組合の共同事業と共有物の共同使用の判別(基準と判例の集約)

本記事では、民法上の組合の成立要件の1つである共同事業(事業の共同性)の基本的な内容を説明しました。
実際には個別的な事情や主張・立証のやり方次第で結論は違ってきます。
実際に民法上の組合(共有の財産)の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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