【借地条件変更の付随的裁判の内容(財産上の給付・期間延長・地代改定)】

1 借地条件変更の付随的裁判(総論)
2 財産上の給付(承諾料)の相場(概要)
3 財産上の給付の方式
4 借地条件変更と借地期間の延長
5 借地条件変更と地代の変更

1 借地条件変更の付随的裁判(総論)

借地条件変更の裁判で,裁判所が変更を認める場合,付随的な処分をすることができます。
これを付随的裁判・付随処分と呼びます。
借地条件変更の付随的裁判の内容は,大部分が増改築許可の付随的裁判と重複します。
詳しくはこちら|借地上の建物の増改築許可と付随的裁判の内容と法的効果
本記事では,借地条件変更の付随的裁判について説明します。

2 財産上の給付(承諾料)の相場(概要)

借地条件変更の付随的裁判のうち,実務で対立が生じやすいのは財産上の給付,つまり承諾料の金額です。
非堅固から堅固建物所有目的に変更するケースでの相場は更地価格の10%相当額です。
他の内容の条件変更だとこれより低くなる傾向があります。

<財産上の給付(承諾料)の相場(概要)>

あ 非堅固→堅固

非堅固建物借地から堅固建物借地への変更について
相場=更地価格の10%相当額
原則的な扱いである

い 他の内容の条件変更

更地価格の10%よりは低くなる
『用途変更』は大幅に低い
詳しくはこちら|借地条件変更の承諾料の相場(財産上の給付の金額)

3 財産上の給付の方式

財産上の給付は,理論的には単独で請求できる方式も可能です。
しかし,実務では,借地条件変更(認容決定)の条件とする方式が一般的です。

<財産上の給付の方式>

財産上の給付は認容決定の条件とすることが多い
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p221

4 借地条件変更と借地期間の延長

付随的裁判で存続期間を変更することもできます。
非堅固から堅固建物所有目的に変更するケースでは新たな期間を30年と設定することが多いです。
他の内容の条件変更では存続期間には触れないのが一般的です。

<借地条件変更と借地期間の延長>

あ 非堅固→堅固

旧法時代の借地について
非堅固建物借地を堅固建物借地にするケース
実務の一般的な決定の内容として
→『条件変更の効力が生じた日から30年』が多い
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p221

い 他の内容の条件変更

存続期間の変更は通常行わない
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p221

5 借地条件変更と地代の変更

非堅固から堅固建物所有に変更するケースでは,地代の増額を付随的裁判で行うことが多いです。
借地の利用効率が上がっているので適切な地代がアップしたと考えられるのです。

<借地条件変更と地代の変更>

非堅固建物借地から堅固建物借地への変更について
→実務では一般的に地代の増額を決定している
※澤野順彦『実務解説 借地借家法 改訂版』青林書院2013年p221,222

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