1 抵当権付不動産の売買|買主の負うリスク
2 抵当権付不動産の売買|買主の対応方法
3 代価弁済|基本
4 第三者弁済|基本
5 抵当権消滅請求・滌除|概要

1 抵当権付不動産の売買|買主の負うリスク

通常不動産を購入する際は既存の抵当権を抹消します。
しかし『抵当権が付いたまま』で購入するケースもあります。
まず,抵当権が付いている状態のリスクをまとめます。

<抵当権付不動産の売買|買主の負うリスク>

抵当権が付いたまま購入した場合
→抵当権が実行されるリスクがある
→競売で第三者に売却される
→買主は所有権を失うことになる

2 抵当権付不動産の売買|買主の対応方法

抵当権が存在することは異常な状態と言えます。
この状態への対応方法をまとめます。

<抵当権付不動産の売買|買主の対応方法>

あ 弁済→抵当権消滅

『ア〜ウ』のいずれかの方法を取る
→抵当権を消滅させる
ア 代価弁済(後記※1)
イ 第三者弁済(後記※2)
ウ 抵当権消滅請求(後記※3)

い 抵当権実行を止めない

抵当権が実行されることを前提とする
→一時的な期間だけ対象不動産を利用する

通常,このような対処を前提にして購入するのです。

3 代価弁済|基本

抵当権への対応の1つに『代価弁済』があります。
その基本的内容をまとめます。

<代価弁済|基本(※1)>

あ 合意

抵当権付不動産の買主が抵当権者に弁済する
弁済額=不動産の評価額
買主と抵当権者が合意することが必要である

い 抵当権消滅

代価弁済をした場合
→抵当権は消滅する
※民法378条

4 第三者弁済|基本

抵当権への対応の1つに『第三者弁済』があります。
その基本的内容をまとめます。

<第三者弁済|基本(※2)>

あ 基本

債務者以外の者が『債務者に代わって』弁済する
→債務は消滅する
→担保権も消滅する
※民法474条

い 金額=債務全額

第三者弁済は『本来の弁済』と同様である
→金額は債務全額となる

う 交渉・待機期間→不要

第三者弁済には次のようなメリットがある
ア 抵当権者との交渉は不要である
イ 一定の待機期間は生じない
比較;抵当権消滅請求の場合
→最大2か月の待機期間が必要となる
※民法474条2項
詳しくはこちら|抵当権消滅請求|対象者・評価額の主張・抵当権者の選択

5 抵当権消滅請求・滌除|概要

抵当権への対応の1つに『抵当権消滅請求』があります(※3)。
法改正の前は『滌除(てきじょ)』という制度でした。
買主のイニシアチブで抵当権を抹消するためのアクションです。
これらの制度はちょっと複雑なところがあります。
それぞれ別に説明しています。
詳しくはこちら|抵当権消滅請求|対象者・評価額の主張・抵当権者の選択
詳しくはこちら|滌除|改正前の制度|買主の主張・抵当権者の選択|共有持分取得者