【SNSの法律問題発生メカニズム|気軽→心のブレーキが効かない】

1 SNSの『悪ふざけ投稿』の典型例と法的責任

(1)『悪ふざけ投稿』の例

SNSはその『拡散の容易性』から、目立つ目的での『ふざけた行為』の画像の投稿が拡がることがあります。
画像ではなく文字(テキスト)としての投稿でも『悪ふざけ』が散見されます。
ニュースとして報道されることもよくあります。

悪ふざけ投稿などの例

あ アルバイトがふざけ行為の撮影→投稿

例;ギガ盛り・販売棚に寝そべる

い 従業員が『顧客』の来店・行為をテキスト投稿・撮影→画像投稿

例;『今芸能人がお店に来てる!』

う 高度なジョーク(のはず)→ブラックジョーク→深刻な受け止め方をされる

(2)プライバシー権侵害の可能性

テキストの情報でも『プライバシー権』の侵害に該当する可能性があります。
ただし、有名人の場合は、違法性が否定される傾向にあります。
詳しくはこちら|プライバシー権のまとめ|判例の基準|定義の発展

(3)従業員の投稿→店舗側への損害賠償責任

なお、店舗の従業員が投稿した場合は、『店舗側から投稿者への損害賠償請求』もあり得ます。
店舗の評判を落とすことになり、大きな経済的『損害』が生じたような場合です。

『悪ふざけ投稿』→解雇・損害賠償|公益通報には該当しない

2 悪ふざけ投稿発生メカニズム|基本的要因

多くの『悪ふざけ投稿』が報じられてきました。
ここでは、『悪ふざけ投稿』の発生メカニズムを分析してみます。

悪ふざけ投稿発生要因

あ 悪ふざけ投稿発生の条件式

興味本位・おもしろさ>>>問題発生(リスク)想定

い 根本的・重要ポイント

投稿への『心のブレーキ』が効きにくい

要するに、『問題発生リスク』が低く見積もられる→ブレーキが効かない、ということです。
さらに分析を進めます。

3 SNS投稿|リスクが低く見積もられる理由

SNSへの投稿では背後にある『リスク』を十分に意識しない傾向が強いです。
気付かないor低く見積もられる『リスク』をまとめます。

SNS投稿のリスクが低く見積もられる理由

あ 文章の分量が少ない

twitterの場合テキスト140文字以内

い 投稿の作業が少ない

アプリ・ブラウザから直接入力→投稿ボタン、だけ

う 流通量が膨大→感覚麻痺

多くのユーザーの投稿が常時流れている
その中には『おもしろい』『きわどい』ものも含まれる

え 2次的な『拡散』が容易

『投稿を読んだユーザー』が『送信』することが容易(twitterの『リツイート』)

お 削除による『拡散解消』が不可能

投稿の『削除』は容易でも『拡散した情報』は消せない
→半永久的に情報がオンライン上に存続する

か 2次的読者は『疎遠』→ジョークを真顔で受け止める

知っている人にはギャグでも、一見さんには深刻文章

閲覧者 受け止め方
1次的読者(フォロワー) ギャグ
『疎遠』な2次的読者 深刻
き 2次的『拡散』を忘れがち

日頃『いつものフォロワー』との相互コミュニケーションが行なわれている
→『その先への拡散』を意識しない傾向が生じる
例;転送(リツイート)・検索(検索エンジン)

く 匿名性

『責任追及を受けないだろう』という感覚が生じる
なお、法的責任が発生すると、投稿者の調査→特定可能性がある

け 異文化エリアへの伝達|グローバルな影響

インターネット上の情報は世界中の人が瞬時に閲覧可能である
=文化(エリア)の境を超える
→ある地域では正しい発言であっても、別の地域では不適切or違法となる可能性がある

4 従来型投稿システム=ブログ・HPとの比較

ここで、SNSと比較する意味で、従来型の投稿システムの特徴もまとめます。

従来のブログ・HPの特徴(SNSとの比較として)

あ 1つの記事(『投稿』)の分量がある程度多い
い 投稿の作業が比較的多い

例;ログイン→『編集』画面へ遷移→『公開』ボタン

う 流通数が比較的少ない

ブログ開設者・投稿者はSNS投稿と比べるととても少ないです。

え 2次的な『拡散』は容易ではない

twitterの『リツイート』のような容易な『連鎖伝達』機能はありません。

5 第三者経由で『情報漏洩』が生じるメカニズム

本来拡散すべきではない情報が『第三者経由』で公表・拡散してしまうケースもあります。

第三者経由で問題内容が投稿される具体例

企業勤務のお父さんが家族団らん・夕食時に研究内容(企業秘密)を自慢気に話す
→中学生の子供がSNSに投稿→拡散
《漏洩した企業秘密の例》
ア タレントのCM起用イ 新商品発売

では、このような『第三者経由の拡散』が生じてしまう理由をまとめます。

第三者経由での拡散の要因

子供・学生・主婦は『拡散する手段を持たない』という過去の常識
↓
『拡散』を想定できない

6 SNSの匿名性→『なりすまし』による違法行為

SNSの投稿が法的問題を生じるパターンとして『なりすまし』があります。

SNSにおける『なりすまし投稿』の例

・有名人になりきって『おかしな発言』をしてみる
・有名人になりきって『攻撃的な発言』をする→炎上を狙う

『なりすまし投稿』は、次のような責任を生じる可能性があります。

SNSにおける『なりすまし投稿』により生じる責任

あ 民事的責任

ア 損害賠償責任イ 差止(削除)義務

い 刑事的責任

ア 名誉棄損罪・侮辱罪イ 信用毀損罪ウ 業務妨害罪

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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