1 受益者が複数×意思決定
2 受益権取得請求権
3 受益者の権利行使|困難となるトラブル
4 受益者代理人|概要

1 受益者が複数×意思決定

信託の受益者が複数人いるというケースもよくあります。
この場合,受益者の意思決定でトラブルが生じやすいです。
まずは意思決定の基本的事項をまとめます。

<受益者が複数×意思決定>

あ 基本

受益者の意思決定について
→次の『い〜え』のいずれかによって決定する

い 原則

全員一致が必要である

う 信託行為での設定

『多数決』という設定が可能である

え 受益権者集会

受益権者集会を招集する
→決議する
※信託法105条〜

信託法の改正により『全員一致』以外の設定も可能となりました。
つまり『多数決』が認められることになったのです。

2 受益権取得請求権

多数決では『少数者の意向』は尊重されません。
意向に反する内容の決定がなされることもあるのです。
そこで,受益者の保護のための制度があります。

<受益権取得請求権>

多数決による意思決定によって
少数受益者が損害を被るおそれがある場合
→受託者に対して『受益権取得請求』ができる
→『公正な価格』で受託者が受益権を取得する
※信託法103条1項,2項

3 受益者の権利行使|困難となるトラブル

受益者が複数だと,権利行使が困難となる状況があります。
典型的なケースをまとめます。

<受益者の権利行使|困難となるトラブル>

あ 権利行使トラブル|基本

次の『い』の事情がある場合
→受益者の意向の統一が難しくなる
→権利行使が困難となることがある

い 典型的要因

ア 受益者の変動
イ 受益者が多数存在する

う 典型的背景事情

次の事情がある場合
→『い』に該当する傾向がある
ア 多数の受益者が存在するファンド
イ 資産流動化のための信託
ウ 共有不動産の信託受益権化
詳しくはこちら|実質的共有状態の維持|信託受益権化・資産管理会社の活用

4 受益者代理人|概要

受益者の権利行使をスムーズにするいろいろな工夫があります。
その1つが『受益者代理人』の活用です。
信託法の改正により導入されたものです。
受益者代理人については別に説明しています。
詳しくはこちら|受益者代理人|基本|活用目的・典型例・リスク・予防策