1 第1種動物取扱業の定義
2 『業』の解釈論
3 第1種動物取扱業の参入規制=登録制
4 第2種動物取扱業の定義
5 飼養施設の内容(第2種)
6 取り扱う動物の下限の設定(第2種)
7 第2種動物取扱業の参入規制=届出制
8 第1種/第2種動物取扱業の比較
9 動物取扱業の行為規制と行政の監督(概要)

1 第1種動物取扱業の定義

本記事では動物取扱業について説明します。第1種と第2種に分類されています。まずは第1種動物取扱業の定義を整理します。

<第1種動物取扱業の定義>

あ 第1種動物取扱業|定義の基本

『い』の動物の『う』の取扱を業として営む
→営利性がある
『業』であるサービスのみが対象である(後記※3)

い 対象となる動物

哺乳類・鳥類・爬虫類に属する動物

う 取扱業

ア 販売・販売取次ぎ・販売の代理
イ 保管
ウ 貸出し
エ 訓練
オ 展示
動物との触れ合いの機会の提供を含む
カ 競りあっせん業
キ 譲受飼養業
※動物愛護法10条,動物愛護法施行令1条
※環境省『動物の愛護及び管理に関する法律のあらまし 平成24年改正版』p12

え 飼養施設の要否

飼養施設の有無を問わず対象となる

お 飼養施設なしの具体例

インターネットを利用した代理販売
出張訓練
→いずれも第1種動物取扱業に該当する
※東京弁護士会公害・環境特別委員会『動物愛護法入門〜人と動物の共生する社会の実現へ〜』民事法研究会p29,30

2 『業』の解釈論

実際に動物取扱業の規制対象となるか,ならないかで見解が分かれやすいのは『業』の解釈論です。動物取扱業の『業』の解釈についての文献の見解を紹介します。

<『業』の解釈論(※4)>

あ 定義における『業』の規定

第1種/第2種動物取扱業の規制対象について
いずれも『業として』行うor営むものに限定されている
※動物愛護法10条1項,24条の2

い 『業として』の解釈

次の態様で営利をもって扱うこと
ア 社会性
特定かつ少数の者を対象としたものでないこと
イ 反復継続的にor多数の動物
ウ 有償・無償の別を問わない

う 頻度・取扱量の目安(文献)

年間2回以上or2頭以上
※動物愛護論研究会『改正動物愛護管理法Q&A』大成出版会p37

『業』の内容・解釈は非常に多くの法律に関して見解の対立が生じています。しかし,具体的な基準として示した判例はないと言えます。少なくとも『年間何回以上』という回数を数字で示したものはありません。別の記事で『業』の解釈だけを詳しく説明しています。
詳しくはこちら|業法一般|『業』解釈論|基本|反復継続意思・事業規模・不特定多数
詳しくはこちら|『業』『営業』解釈論|判例・行政見解・文献の集約

3 第1種動物取扱業の参入規制=登録制

第1種動物取扱業を行うためには『登録』が必要とされています。

<第1種動物取扱業の参入規制=登録制>

あ 第1種動物取扱業の登録制

第1種動物取扱業を行う場合
→都道府県知事or指定都市の登録を受ける必要がある
※動物愛護法10条1項

い 違反への罰則|法定刑

罰金100万円以下
※動物愛護法46条1号

4 第2種動物取扱業の定義

第2種動物取扱業は,第1種よりも規模が小さいものです。最初に定義の基本的部分をまとめます。

<第2種動物取扱業の定義>

あ 第2種動物取扱業|定義の基本

ア サービスの内容
『い』の動物の『う』の取扱を業として行う
『業として』行うサービスのみが対象である(前記※3)
イ 営利性
営利性がない
ウ 飼養施設
飼養施設(後記※1)を設置している
エ 規模
取り扱う動物が一定頭数以上である(後記※2)
※動物愛護法24条の2

い 対象となる動物

哺乳類・鳥類・爬虫類に属する動物

う 取扱業

ア 譲渡し
イ 保管
ウ 貸出し
エ 訓練
オ 展示
※動物愛護法24条の2

え 非営利の具体例

ボランティア・非営利の団体による活動やサービス

5 飼養施設の内容(第2種)

第2種動物取扱業は飼養施設を持つ場合だけが対象となります。飼養施設がない場合は該当しないため,届出が不要となります。

<飼養施設の内容(第2種;※1)>

あ 人間居住部分との隔離

ア 規定
人の居住する部分と区別できる施設である
※動物愛護法施行規則10条の5第1項
イ 解釈
専用の飼養場所がない場合でも
飼養のための部屋を設ける
ケージによって飼養場所が区分されている
→人の居住する部分と区別できる施設といえる
→飼養施設に該当する
※環境省通知『動物の愛護及び管理に関する法律の一部を改正する法律の施行について』平成25年5月10日環自総発1305101号

い 一時的な飼養・保管の除外

一時的に委託を受けて動物を飼養・保管する場合
→飼養施設に該当しない
※動物愛護法施行規則10条の5第1項

6 取り扱う動物の下限の設定(第2種)

第2種動物取扱業の規模として,取り扱う動物の下限が規定されています。この内容をまとめます。

<取り扱う動物の下限の設定(第2種;※2)>

タイプ 頭胴長・全長 合計数 根拠(※3)
大型 約1m以上 3頭以上 1号
中型 約50cm〜1m 10頭以上 2号
小型 約50cm以下 50頭以上 3号
大型+小型 10頭以上 4号
大型+中型+小型 50頭以上 5号

※動物愛護法施行規則10条の5第2項
※3 動物愛護法施行規則10条の5第2項の各号

7 第2種動物取扱業の参入規制=届出制

第2種動物取扱業を行うためには『届出』が必要とされています。

<第2種動物取扱業の参入規制=届出制>

あ 第2種動物取扱業の届出制

第2種動物取扱業を行う場合
→都道府県知事に届出を行う必要がある
※動物愛護法24条の2

い 違反への罰則

法定刑=罰金30万円以下
※動物愛護法47条1号

8 第1種/第2種動物取扱業の比較

動物取扱業の第1種と第2種の主な違いなどをまとめます。

<第1種/第2種動物取扱業の比較>

項目 第1種 第2種
営利性 あり なし
飼養施設 無関係 ありのみ
規模 無関係 一定頭数以上のみ
参入規制 登録制 届出制
行為規制 あり あり

9 動物取扱業の行為規制と行政の監督(概要)

動物取扱業を行うには,第1種か第2種の登録か届出が必要です。登録や届出を行った後も,一定のルールが適用されます。
サービスの運用上のルールを行為規制といいます。これについては別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|第1種/第2種動物取扱業の行為規制と行政の監督