1 射幸心・技術介入性×賭博罪・風俗営業法|概要
2 風俗営業法『射幸』『射幸心』解釈論|基礎
3 技術介入性|解釈論|古めの見解
4 技術介入性|解釈論|新しめの見解
5 技術介入性|解釈論|具体例

1 射幸心・技術介入性×賭博罪・風俗営業法|概要

ギャンブル・賭博に近い遊技・コンテンツは違法となることがあります。
賭博罪や風俗営業の規制に該当するかどうか,ということです。
いずれの判断でも『技術介入性』が関係してきます。
本記事では『技術介入性』に関する解釈論を説明します。
まずは『技術介入性』が法律のルールとどのように関係するのか,をまとめます。

<射幸心・技術介入性×賭博罪・風俗営業法|概要>

あ 技術介入性と賭博罪の関係

『偶然の支配』が賭博罪の要件である
→『技術介入性』により『偶然』を否定する傾向がある

い 技術介入性と風俗営業法の関係

『射幸心をそそるおそれのある遊技』は風営法の規制対象である
『7号営業』として許可が必要となる
→『技術介入性』により『射幸(心)』が否定される傾向がある

う 結論|概要

『あ・い』の判断において『技術介入性』はあまり考慮しなくて良い
解釈論の内容は後記する

解釈の内容については次に説明します。

2 風俗営業法『射幸』『射幸心』解釈論|基礎

風俗営業法では『射幸心』が7号営業許可が必要となるポイントとなります(前記)。
『射幸(心)』の解釈の内容が重要です。
いくつかの見解・表現をまとめます。

<風俗営業法『射幸』『射幸心』解釈論|基礎>

あ 『射幸』

僥倖(偶然の幸運)・偶然をあてにして利益を得ようとすることをいう

い 『射幸心』

ア 警察サイド表現
偶然の利益を労せずに得ようとする欲心をいう
※鶴代隆造『ぱちんこ営業の健全化を推進する取組状況について〜平成16年7月1日以降の状況〜』警察学論集59巻4号p113
イ 元検事表現
射幸心とは,幸を頼んで利益を得ようとする気持ちである
※飛田清弘ほか『条解風俗営業等取締法』立花書房p87〜88
↑著者=元検事3名

共通するのは『偶然』『利益』という要素です。

3 技術介入性|解釈論|古めの見解

技術介入性によって,賭博罪・7号風俗営業の判断に影響があります(前記)。
どのように影響するか,という解釈論について説明します。
まずは,やや古い見解をまとめます。

<技術介入性|解釈論|古めの見解>

遊技にどの程度技術介入性があるかによって判断する
※滝田一成『風俗営業に関する一問題・ぱちんこ遊技の健全化について』警察学論集18巻6号

この見解は『技術介入性の程度』を考える,というものです。
最近の考え方の傾向としては,この見解から離れつつあります。
次に説明します。

4 技術介入性|解釈論|新しめの見解

技術介入性と賭博罪・7号風俗営業との関係について,最近の考え方をまとめます。
最近とは言っても,見解自体は大正時代から存在するものです。

<技術介入性|解釈論|新しめの見解>

あ 判断基準|判例・元検事見解

遊技が財産的利益とどの程度結びつく可能性があるか,によって判断する
※大判大正4年6月10日
※大判昭和6年5月2日
※飛田清弘ほか『条解風俗営業等取締法』立花書房p87〜88

い 技術介入性の位置付け|判例

勝負の結果が技量のいかんによって多少影響される場合でも賭博罪は成立する
『技術介入性』のことである
※大判大正11年7月12日
※大判大正4年10月16日
※大判大正3年10月7日

う 政府委員見解

『射幸心をそそるかどうか』と『技術介入性の程度』は別問題である
技術介入性が高くても偶然という要素が金銭的利益獲得につながっていれば射幸心をそそるという解釈が定着している
※昭和59年7月5日衆地行22鈴木(良)政府委員

5 技術介入性|解釈論|具体例

以上説明した技術介入性の解釈論はちょっと細かく,難しいものです。
具体的なコンテンツについて判断したものが分かりやすいです。

<技術介入性|解釈論|具体例>

あ 『射幸心をそそるおそれのある遊技』|見解

ア その遊技自体の正確として偶然性及び娯楽性を有する
イ 偶然性にはある程度技術介入の余地がある
必ずしも遊技結果に対して利益が提供されることを必要としない
例;まあじゃん
※『風俗警察の理論と実務(12)』警察公論38巻12号(昭和60年12月)p56

い 『射幸心をそそるおそれ』|政府コメント

例えば,偶然性と技術性の調和がとれていない
そして技術介入の度合いが低いとか
あるいは1回当たりの出玉が著しく多かったり,
あるいは発射速度が著しく速いといったこと(※1)
※昭和59年7月31日参地行21古山説明員
※1 『発射の頻度』のことと思われる