1 判決言渡の後は『控訴・上告』しないと『判決確定』となる|刑事民事共通
2 確定判決は覆せない|例外は『再審』だがハードルが高い|刑事民事共通
3 民事訴訟の再審事由
4 民事訴訟の『訴訟行為の追完』
5 刑事訴訟の有罪判決に対する再審事由
6 刑事訴訟の『法定期間の延長』|上訴提起期間だけは対象外

1 判決言渡の後は『控訴・上告』しないと『判決確定』となる|刑事民事共通

判決が言い渡されて,内容に不服がある場合は『控訴・上告』という手続があります。
『控訴・上告』には,一定の時間制限があります。
詳しくはこちら|刑事・民事の控訴・上告の申立|2段階書面提出|理由書・趣意書の提出期限
この期間を超えると『控訴・上告』できなくなります。
これを『判決の確定』と呼んでいます。

2 確定判決は覆せない|例外は『再審』だがハードルが高い|刑事民事共通

判決が『確定』すると,文字どおり『覆す』ことがほぼできなくなります。
例外的な場合には『審査し直す』制度はあります。

<確定判決を覆す方法>

あ 手続

『再審』申立
=『確定した』判決に対する不服申立

い 概要

確定判決を覆す事情=再審事由は特殊な事情だけに限定されている
非常にハードルが高い

判決が確定すると強制執行など,これを前提とした動きが生じます。
『安定性』という意味でも,そう簡単には『再審』は認められません。
具体的な『再審が認められる事情』については次に説明します。

3 民事訴訟の再審事由

民事訴訟での『再審事由』をまとめます。

<民事訴訟法の再審事由>

ア 裁判所・裁判官の構成に法律違反があった
イ 訴訟を遂行した代理人に権限がなかった
ウ 判決に関与した裁判官が,事件について職務上の罪を犯した
エ 証拠となった証言・証拠書類が虚偽・偽造・変造されたものであった
オ 判決の基礎となった民事or刑事の判決・行政処分が後から判決・行政処分で変更された
カ 脅迫・暴行などの犯罪行為によって自白の強制or証拠の提出妨害を受けた
キ 重要な事項について判断の遺脱(誤り)があった
ク 前に確定した判決に抵触する
※民事訴訟法338条1項

非常にレアなケースばかりです。
『確定』していない判決へは期間さえ守ればハードルなしで『控訴・上告』ができました。
『確定前/後』で大きくハードルが違うのです。

4 民事訴訟の『訴訟行為の追完』

民事訴訟における一般論ですが『期限切れ』に対する救済制度があります。

<民事訴訟|訴訟行為の追完>

帰責事由なく期間を遵守することができなかった
→帰責事由が消滅した後1週間まで訴訟行為の追完ができる
=期限が延長した,と同じ意味
※民事訴訟法97条1項

実際にはこの救済措置は容易には発動されません。
『代理人弁護士のミス』について適用しないという判例もあります。
詳しくはこちら|控訴・上告などの『期限切れ』→『弁護士のミス』でも救済されない

5 刑事訴訟の有罪判決に対する再審事由

刑事訴訟の『有罪判決』に対する再審事由をまとめます。

<刑事訴訟法|有罪判決に対する再審事由>

あ 証拠が虚偽である証明成功

証拠となった証言・証拠が『虚偽・偽造・変造された』ことが証明された

い 虚偽告訴罪の有罪判決確定

有罪判決を受けた者を虚偽告訴した罪が証明され有罪判決が確定した

う 根拠となる別の裁判が後の裁判で変更された

判決の証拠となった裁判が,後の裁判で変更する判決が確定した

え 知的財産権の無効

特許権・実用新案権・意匠権・商標権侵害による有罪判決の前提の権利が無効となった

お 新たな証拠の発見

有罪判決を受けた者の利益となる,新たな証拠が発見された

か 証拠の偽造などの有罪判決確定

証拠の作成に関与した公務員が,当該事件について職務上の罪による有罪判決が確定した
※刑事訴訟法435条

民事訴訟と同様に極端な事情がない限りは対象にならないのです。

6 刑事訴訟の『法定期間の延長』|上訴提起期間だけは対象外

刑事訴訟においての『救済措置』は民事とはちょっと違います。
『法定期間の延長』という制度です。

<刑事訴訟|法定期間の延長>

あ 裁判所に対する訴訟行為の法定の期間|原則

住所・事務所所在地が裁判所の遠方にある・交通機関の便が悪い
→法定期間の延長を決定できる
※刑事訴訟規則66条1項

い 例外

上訴の提起期間については適用しない
※刑事訴訟規則66条2項

このように『遠方』のための救済措置です。
しかも『上訴』に関する期間の延長はしない,と明文で規定されています。