1 不動産売買×上下水埋設管|変更工事が必要だと多額のコストを要する
2 不動産売買×上下水埋設管|『口径』確認+コスト把握の方法
3 建物購入後に多額のコストを要するリスク|耐震基準・アスベスト
4 昭和56年に耐震基準が大きく変更された|新耐震/旧耐震

1 不動産売買×上下水埋設管|変更工事が必要だと多額のコストを要する

不動産売買後に問題が発覚して,トラブルになるケースは多いです。
宅地の売買で生じるのが『上下水の埋設管』に関するものです。
購入後に建物を建築する際に,そのまま上下水道の埋設ができないことがあるのです。

<不動産売買×上下水管埋設状況>

あ 建築確認の基準

原則的な上下水道管の口径
20ミリ以上が必要

い 問題になりやすいケース

既設の上下水道管の口径が13ミリ

う 埋設管が基準未満の場合の対応

ア 基本的対応
20ミリ口径に変更(更新)工事が必要
イ 付随的対応
口径変更(拡大)
→近隣の住居への配管の水圧が下がる
→水圧対策を含めた工事が必要
→多額の費用がかかる

なお,上記の建築制限とは別に『近隣の方との埋設する権利の有無』が問題になることもあります。
これは別記事で説明しています。
詳しくはこちら|導管袋地|ライフラインを隣地の地下に埋設できる

2 不動産売買×上下水埋設管|『口径』確認+コスト把握の方法

宅地の売買で『上下水埋設管の口径』を調べておくことは重要です。
その方法などをまとめます。

<上下水埋設管の『口径』・変更コスト確認方法>

あ 現状確認方法

現地の水道メーターのフタに『口径』が表示されている

い コスト把握

口径13ミリであった場合
→市区町村の水道課や水道局に問い合わせると良い
ヒアリング事項=必要となる工事の規模・費用について

売買契約の後からこのような『想定外』が発覚した場合は法的責任の問題となります。
具体的状況によっては契約解消やコスト分の損害賠償請求が認められます。

3 建物購入後に多額のコストを要するリスク|耐震基準・アスベスト

(1)建物・ビルの売買→多額のコストの必要が発覚するケース

建物・ビルの売買で『後から多額のコストが判明する』というトラブルがあります。

<建物・ビル購入時の『想定すべきコスト』>

建物のコンディションによっては将来『工事が必要』となる
→将来の『多額の費用を要する』ことにつながる

(2)事後的にコストが生じる建物のコンディション

後から工事コストが生じる事情の典型例をまとめます。

<建物のコンディション×事後的コスト発生>

あ 建築・建築時期

『旧耐震基準』の場合,事実上補強工事が必要となることがある

い 耐震補強工事歴

過去に行った工事内容によっては『不十分』ということもある
→改めて事実上補強工事が必要となる

う アスベスト(石綿)対策工事歴

テナント募集の前提として事実上撤去工事が必要となることがある

契約締結の前に,しっかりと建物のコンディションを明らかにしておくべきです。
仮に契約の後から『想定外』が発覚した場合は事情によって法的責任の有無・内容が決まります。
事情によっては契約解除やコスト相当分の損害賠償が認められます。

4 昭和56年に耐震基準が大きく変更された|新耐震/旧耐震

耐震基準については,昭和56年に大きな変更が行なわれています。
建設時期がこの前/後で大きく『その後のコスト』が違ってきます。

<耐震基準の変更>

昭和56年(’81年)に大きく改正された

建設時期 耐震基準
昭和56年6月1日以前 旧耐震基準(旧耐震)
昭和56年6月1日以降 新耐震基準(新耐震)

『旧耐震基準』でも,現時点で『新耐震基準』に適合するよう補強工事をする法的義務はありません。
しかし,テナント募集をする場面などで,事実上,工事が必要となることはよく生じています。
自治体によっては『補強工事』を促進・要請しているところもあります。
東京都などの施策については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|耐震強度不足→建物賃貸借終了・明渡|耐震偽造・旧耐震・建築物応急危険度判定

<参考情報>

エコノミスト15年4月14日p33,35