遺言を書こうと思います。
長男に大部分を承継させたいのですが,『私の妻の面倒をみてくれること』を前提にできますか。

条文

[民法]
(祭祀に関する権利の承継)
第八百九十七条  系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。
2  前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

(遺言の効力の発生時期)
第九百八十五条  遺言は、遺言者の死亡の時からその効力を生ずる。
2  遺言に停止条件を付した場合において、その条件が遺言者の死亡後に成就したときは、遺言は、条件が成就した時からその効力を生ずる。

(負担付遺贈)
第千二条  負担付遺贈を受けた者は、遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行する責任を負う。
2  受遺者が遺贈の放棄をしたときは、負担の利益を受けるべき者は、自ら受遺者となることができる。ただし、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

判例・参考情報

(判例1)
[富山地方裁判所昭和29年(ワ)第59号土地所有権確認並びに権利変更登記請求事件昭和34年11月20日]
甲第一号証によれば、遺言として記載されたところのものは「一、私の遺産は包括的に全部R男に贈与相続させる、(略)六、S男は領策の命に伏し、N家の分散を防ぎ、R男はS男を援助して洫族の団結を計らねばならない、右二人の遺族も亦同様であらねばならぬ」の六項目であることが認められる。
(略)
およそ遺言が本件のように自筆証書によつてなされている場合、それが停止条件付のものであるかどうかは、遺言の要式性から考えて証書の記載内容自体のみに即して判断すべきものであると解すべきところ、前掲甲第一号証の記載内容を検討しても、本件遺言が被告に非行のあることを停止条件としているとは認められないので、右主張は理由がない。

(判例2)
[宇都宮家庭裁判所栃木支部昭和43年(家)第601号負担付遺贈遺言の取消申立事件昭和43年8月1日]
 思うにかように祖先の祭祀を主宰する者と指定された者は死者の遺産のうち系譜、祭具、墳墓のように祭祀に関係あるものの所有権を承継する(民法八九七条)ことがあるだけでそれ以上の法律上の効果がないものと解すべきである。すなわちその者は被相続人の道徳的宗教的希望を託されたのみで祭祀を営むべき法律上の義務を負担するものではない。その者が祭祀を行うかどうかは一にかかつてその者の個人的信仰や徳義に関することであつてこれを行わないからといつて法律上これを強制することはできない。従つて受遺者が偶々祭祀を主宰する者に指定されたからといつてこれを負担付遺贈を受けた者とすることはできない。