【公務員・教職員の懲戒処分|相続関連の『うっかり抵触』に注意】

1 公務員の身分保障|法律・人事院規則・条例の規定に該当しない限り安泰
2 公務員の懲戒処分|法律上の懲戒と実務上の懲戒がある
3 公立学校の教職員の懲戒処分
4 公立学校の教職員|教育委員会による懲戒の基準
5 公務員の懲戒処分|『相続によるうっかり抵触』に注意

1 公務員の身分保障|法律・人事院規則・条例の規定に該当しない限り安泰

公務員は『身分保障』が厚く設定されています。

<公務員の身分保障>

不利益処分(懲戒処分)は法律・人事院規則・条例の規定に該当するものに『限定』される
※国家公務員法75条
※地方公務員法27条

民間企業における『解雇規制』に相当するルールと言えます。
関連コンテンツ|解雇権濫用の法理|合理的理由がないと解雇は無効となる

2 公務員の懲戒処分|法律上の懲戒と実務上の懲戒がある

公務員の懲戒処分の大枠は法律上明確に定められています。

<公務員の懲戒処分>

あ 法律上の懲戒処分
免職 職員の職を失わせる処分
降任 職務の等級・階級を1〜2クラス下のものに変更する処分
停職 一定期間職務に従事させない処分
減給 一定期間,給与の一定割合を減額して支給する処分
戒告(譴責) 職員の非違行為の責任を確認し,将来を戒める処分

※国家公務員法82条,地方公務員法27条,28条

い 実務上の懲戒処分

ア 訓告(訓諭・訓戒)イ 厳重注意ウ 口頭注意(注意)

実務上の懲戒処分は,ある意味『非公式』のものです。
一般的に言う『賞罰』には該当しません。
また,経済的な損失・直接的な実害がないものです。

3 公立学校の教職員の懲戒処分

公立学校の教職員も『公務員』です。
ただ,職務の特殊性から,一般の公務員とは別に扱われています。
具体的には懲戒処分の実施機関が教育委員会となっているのです。

<公立学校の教職員の懲戒|実施機関>

分類 実施機関 地方教育行政法
原則 都道府県教育委員会 37条
政令指定都市 政令指定都市の教育委員会 58条

4 公立学校の教職員|教育委員会による懲戒の基準

(1)教育委員会の懲戒処分の基準作成

公立学校の教職員の懲戒処分については,教育委員会が『責任者』です。
そこで多くの教育委員会が懲戒処分の『基準』を作っています。
懲戒処分の基準は大体似通っています。

<教育委員会における懲戒処分の基準|標準的な対象行為>

あ 職務に関する行為
い 職務とは無関係の行為

ア 交通事故イ 交通違反ウ 一派的な刑法犯

粗暴カテゴリ 暴行・傷害など
財産カテゴリ 窃盗・横領など

(2)各エリア教育委員会の超過基準あれこれ

教育委員会が教職員の懲戒処分の基準を公表している例も多いです。
外部サイト|東京都教育委員会|教職員の主な非行に対する標準的な処分量定
外部サイト|埼玉県教育委員会|懲戒処分の基準(p23〜)
外部サイト|千葉県教育委員会|懲戒基準(免職・停職事由)
外部サイト|石川県教育委員会|懲戒基準(免職・停職事由)
外部サイト|愛媛県教育委員会|懲戒基準(免職・停職事由)
外部サイト|長崎県教育委員会|懲戒基準(免職事由)

5 公務員の懲戒処分|『相続によるうっかり抵触』に注意

公務員の懲戒処分は,一見して『大きな過ち』に限定されているように見えます。
『身分保障の強さ』と言えるところです。
しかし,油断していると思わぬ落とし穴もあります。

<公務員×油断大敵>

『相続』での兄弟バトルに注意あれ

『相続』に絡んで『うっかり懲戒処分事由に抵触』ということがたまに生じるのです。

<公務員の懲戒処分|典型的な『うっかり抵触』>

あ 典型事例

公務員Aの親が亡くなり,相続が発生した
→兄弟間で熾烈な見解の食い違い・対立が生じている
→親の生前・死後に『親の財産の流用』があった
→『承諾の有無・使途』の記録がなく,曖昧な状態

い 事態の思わぬ進展

兄弟が公務員Aについて『横領』を理由として行政処分を申し立てた

当然,公務員の懲戒処分の事由としては『横領』は含まれます。
親子間でのお金のやり取り,と言うと大した問題ではないと考えがちです。
しかし『金銭使用についての承諾』がハッキリしないと『無断での使用=横領』に該当することになるのです。
仮に『親の承諾を得ていた』という場合でも『承諾の立証』が問題になってしまうのです。

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