【衛生措置義務|標準的内容|衛生管理要領・条例の規定内容】

1 浴室の管理
2 洗面所の管理
3 トイレの管理
4 トイレの手洗い設備
5 廃棄物処理の管理
6 寝具の管理|基本・デイリー
7 注意|寝具・衣類|設置義務の有無|交換拒否
8 寝具の管理|マンスリー
9 タオルの管理
10 スリッパの管理

1 浴室の管理

本記事では,衛生措置義務の標準的な内容を説明します。
衛生管理要領や大田区の条例を元にまとめてあります。
『旅館業』全体に共通のものです。
これらのソースは別に紹介してあります。
(別記事『衛生措置義務|基本』;リンクは末尾に表示)
実際のサービス運用では『清掃・交換の周期』に要注意です。
項目ごとに整理します。

<浴室の管理>

あ 基本的事項

浴室の設備は次の基準で清掃・消毒する
清潔で衛生的に保つ

い 浴槽→毎日

完全に換水して浴槽を清掃する
困難な場合は1週間に1回でよい

う ろ過器・循環配管→1週間に1回以上

循環式の浴槽を使用する場合のみ次の措置を行う
ア 逆洗浄 ろ過器を十分に逆洗浄して汚れを排出する
イ 消毒 ろ過器・循環配管について,適切な消毒方法で生物膜を除去する

え 集毛器→毎日

清掃する
※衛生管理要領『III 8(5)』
※大田区旅館業法施行条例4条(8)

以下,項目別に整理したものを順に記載します。

2 洗面所の管理

<洗面所の管理>

あ 石鹸→常備

洗面設備には,石ケンを常に使用できるよう備える
※衛生管理要領『III 12』

い 大田区|くし・コップの交換→宿泊者ごと

くし・コップなどを備え付ける場合
→清潔なものとし,宿泊者ごとに交換する
※大田区旅館業法施行条例4条(10)

3 トイレの管理

<トイレの管理>

あ 臭気→周期規定なし

臭気の防除に努める

い 清掃→1日1回以上

清掃する
例;便器の汚れを十分に除去するなど

う 様式便座の消毒→1日1回以上

人に直接接触する便座の部分を消毒する

え 一般的消毒・清潔維持→周期規定なし

必要に応じて消毒する
常に清潔で衛生的に保つ
※衛生管理要領『III 13』

4 トイレの手洗い設備

<トイレの手洗い設備>

手洗いに常に支障が生じないように措置する
例;消毒液又は石ケンを備えるなど
※衛生管理要領『III 14』

5 廃棄物処理の管理

<廃棄物処理の管理>

あ 搬出→周期規定なし

施設で生じた廃棄物
例;ごみ
→放置しないよう適切に搬出する

い 収集・集積→周期規定なし

処理方法に応じて分別集積する
必要に応じて速やかに処理する

う 廃棄物の容器・集積場→周期規定なし

適切に清掃を行う
常に清潔を保つ
※衛生管理要領『III 23』

6 寝具の管理|基本・デイリー

寝具については交換頻度が高いです。

<寝具の管理|基本・デイリー(※1)

あ シーツ・カバー→必要

寝具は,次の基準により措置する
例;布団・枕・毛布
原則として敷布orシーツorカバーで適切に履う

い ゲスト入れ替え×交換

直接人に接触するものについて
例;寝衣・敷布・シーツ・布団カバー・枕カバー・包布
→宿泊者1人毎に洗濯したものと取り替える

う 連泊×交換頻度

同一の宿泊者が連泊している場合

寝衣 毎日交換する
その他のもの 3日に1回以上交換する

※衛生管理要領『III 26』

7 注意|寝具・衣類|設置義務の有無|交換拒否

上記の寝具などの基準は交換頻度が高いです。
実際の運用では違法リスクに注意する必要があります。
一方,法的解釈もちょっと複雑ですので整理します。

<注意|寝具・衣類|設置義務の有無|交換拒否>

あ 設置義務の有無

多くの条例・一般的解釈は次のとおりとなる

寝具=ベッド・布団 設置は必要である
衣類;就寝用など 設置は必須ではない

※大田区旅館業法施行条例7条(5)

い 設置×交換頻度のルール

就寝用の衣類を任意に設置した場合だけ
→上記※1の基準の対象となる

う ゲストの交換拒否

ゲストが交換を不要と希望した場合
例;エコ活動
→衛生管理要領ではなく条例の規定が適用される
詳しくはこちら|衛生管理要領|法的位置付け・ソース|従来バージョン・平成28年改正
『宿泊者ごと』という条例の規定が多い
→この場合は『3日ごとの交換』などは不要となる

8 寝具の管理|マンスリー

寝具のうち,交換・清掃の頻度が低いものもあります。

<寝具の管理|マンスリー>

あ 消毒・はたき

ア 対象グッズ 布団・枕・毛布・これに類するもの
イ 干す・はたき→周期規定なし 日光消毒・十分なはたきを適切に行う
ウ 加熱処理→1か月に1回以上推奨 加熱処理を行う方法が望ましい
中心部をおおむね60℃・30分間加熱乾燥する方法

い 丸洗い

ア 対象グッズ 布団・枕
イ 丸洗い→6か月に1回以上推奨 丸洗いを行うことが望ましい

う 洗濯・消毒→3か月に1回以上

ア 対象グッズ 寝衣を除く寝具衣類
例;丹前・羽織など
イ 消毒→3か月に1回以上 消毒効果を有する方法で洗濯する
これとは別に,定期的に洗濯する
※衛生管理要領『III 26(1)〜(3)』

9 タオルの管理

<タオルの管理>

あ 対象グッズ

客室・洗面所に備えるタオル・手ぬぐい

い 措置→周期規定なし

清潔で衛生的に取扱う
使用に支障が生じないよう適切な数を常に供給する
※衛生管理要領『III 26』

う 大田区|交換→宿泊者ごと

トイレに備え付けるタオル
→清潔なものとし,宿泊者ごとに交換する
※大田区旅館業法施行条例4条(11)

10 スリッパの管理

<スリッパの管理>

あ 対象グッズ

はき物
例;スリッパ

い 交換・消毒→周期規定なし

著しい破損・汚れがないよう清潔で衛生的に保つ
消毒を定期的に行う
例;日光照射など
※衛生管理要領『III 27』

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
【衛生措置義務|基本|法律の委任・違反へのペナルティ】
【衛生管理要領|改正・変更点|客室幅員・床面積・一般的緩和措置】

関連記事

無料相談予約 受付中

0120-96-1040

受付時間 平日9:00 - 20:00