【ウィークリーマンションの旅館業該当性(通達における標準形態)】
1 ウィークリーマンション×旅館業
ウィークリーマンションは『旅館業』に該当するかどうかが問題となります。
まずは概要をまとめます。
ウィークリーマンション×旅館業|まとめ
一般的なウィークリーマンション
→標準的な営業の形態がある(※1)
→旅館業に該当する
※昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知
2 ウィークリーマンション|標準形態
上記の通達ではウィークリーマンションの標準形態を元に判断しています。
前提とされている標準的なサービスモデルをまとめます。
ウィークリーマンション|標準形態(上記※1)
あ 施設
既存のアパート・マンションの空室
専用に建築した建物の部屋
い 利用日数の単位
ア 形式1週間以上〜最長制限の定めはない
イ 実態1~2週間の短期利用者が大半である
う ゲストとの契約
ゲストは手付金を支払って予約する
物品保証金・利用料などを支払う
賃貸契約を締結する
入居する
え 客室設備
日常生活に必要な設備が完備している
例;調理設備・冷蔵庫・テレビ・浴室・寝具類など
お 持ち込み禁止
室内への電話器・家具などの持ち込みは禁止している
か 清掃
利用期間中における維持管理はすべてゲストが行う
例;室内の清掃など
き リネン
営業者はリネンサービスを提供しない
ゲストからの依頼があればサービス事業者を斡旋する
例;シーツ・枕カバーの取り換え・浴衣の提供など
く 食事提供
営業者は食事を提供しない
け 水光熱費
各戸メーターで集計する
契約解除時に別途清算する
こ メインユーザー
会社の短期出張者・研修生・受験生など
※昭和63年1月29日付厚生省生活衛生局指導課長通知
3 ウィークリーマンション×旅館業|通達|前提見解
上記の通達をちょっと詳しく説明します。
通達の結論は『質問者の見解』が元になっているのです。
質問者の見解も含めて、判断プロセス・理由をまとめます。
ウィークリーマンション×旅館業|通達|前提見解
あ 前提見解×通達
通達の中に質問者の見解が引用されている
厚生省(当時)は質問者の見解を肯定している
い 質問者
東京都衛生局環境衛生部長
う 質問文中の見解
ア 滞在期間期間1か月未満の契約
イ 衛生管理状況施設の衛生管理の基本的部分
=ユーザー入居・退去時の室内清掃・寝具交換
→営業者の責任において管理されている
ウ 結論衛生管理責任は営業者にあると言える
※昭和63年1月29日厚生省生活衛生局指導課長通知
4 ウィークリーマンション×建築基準法
建築基準法においてもウィークリーマンションは問題となります。
建築基準法における扱いは別に説明しています。
詳しくはこちら|建築基準法上の扱い|ウィークリーマンション・サービスアパートメント
5 他の法律問題(借地借家法の適用・NHK受信料;概要)
ウィークリーマンションは旅館業法以外の問題もいくつかあります。以下のそれぞれについて、別の記事で詳しく説明しています。
1つは、借地借家法の適用があるかどうか、というテーマです。
詳しくはこちら|ウィークリー/マンスリーマンション×借地借家法|定期借家の活用
もう1つは、NHK受信料の負担者の判断です。テレビジョンが設置されている場合はオーナーや管理者が受信料を負担するという裁判例があります。テレビジョンを設置した時点で、実際に宿泊者がNHKやその他の番組を見ても見なくても、オーナーなどに受信契約締結義務があるという判断となっています。
詳しくはこちら|NHK受信料の負担者の判断基準(マンスリーマンションの事例)
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


