【コンプガチャ|賭博罪・景品表示法違反・『カード合わせ』】

1 コンプリートガチャ|システム
2 コンプリートガチャ×適法性|昔の見解
3 コンプリートガチャ×景品表示法|消費者庁見解
4 景品表示法『カード合わせ』|規制内容

1 コンプリートガチャ|システム

コンプガチャというシステムが問題になったことがあります。
まずはコンプガチャのシステム内容をまとめておきます。

<コンプリートガチャ|システム>

あ コンプリートガチャ|内容

次のようなシステムのことである
オンラインゲームにおいてアイテムを購入する
→『アイテム(カード)の種類』がランダムで選ばれる
→特定の複数アイテムを全部揃えると希少なアイテムを入手できる

い コンプリートガチャ|ネーミング

『くじ引き・ガチャガチャ』で『完成=コンプリート』させる
→コンプリートガチャ/コンプガチャ

2 コンプリートガチャ×適法性|昔の見解

コンプガチャが問題となった当初,公的な見解が出されました。

<コンプリートガチャ×適法性|昔の見解>

あ 国家公安委員長コメント

景表法上の『カード合わせによる景品類の提供』に該当する恐れがある
これまで景表法に基づく措置をとったケースはない
景表法上の規制が及ぶことを明確にする運用基準等は存在しない
賭博罪その他の刑罰法令に該当する実態は確認されていない
※平成24年5月10日国家公安委員長コメント

い コメントの解釈

景品表示法の『カード合わせ』に該当する可能性はある
賭博罪の成立については否定的である

その後,ゲーム運営者側で自主的にこのシステムを廃止しています。
そのため,裁判所での正式な公的判断がなされたわけではありません。
賭博罪については該当しないという見解とも読めます。
一方,景品表示法違反については可能性を指摘しています。
これについては,その後,消費者庁で公式見解が出されています。
次に説明します。

3 コンプリートガチャ×景品表示法|消費者庁見解

平成24年に消費者庁からコンプガチャの適法性についてコメントが出されました。

<コンプリートガチャ×景品表示法|消費者庁見解>

コンプリートガチャは景品表示法の『カード合わせ』に該当する
→違法である(後記)
※『カード合わせの考え方』平成24年5月18日消費者庁
※『懸賞による景品類の提供に関する事項の制限』の運用基準平成24年6月28日消費者通達4(1)

この見解は,景品表示法違反,というものです。
賭博罪についての判断をしているわけではありません。

4 景品表示法『カード合わせ』|規制内容

コンプガチャが『カード合わせ』に該当すると法律違反となります。
『カード合わせ』に関するルールの内容をまとめます。

<景品表示法『カード合わせ』|規制内容>

あ 禁止

『カード合わせ』は禁止されている
※景品表示法3条
※懸賞景品制限告示平成8年2月16日5項

い 違反×措置命令

内閣総理大臣は違反者に対して次の事項を命令できる
ア 違反行為の差止イ 再発防止 ※景品表示法6条

う 違反×罰則|法定刑

措置命令に違反した場合
→懲役2年以下or罰金300万円以下
併科あり
※景品表示法16条

景品表示法違反となりますが,直接的に刑事罰の対象とはなっていません。
まずは,行政が措置命令を出すことができる状態になるだけです。
そして,措置命令を無視して初めて刑事罰の対象となるのです。

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【特殊景品と3店方式の法的問題(実質的には金銭提供)と耳栓判決】
【不動産の公正競争規約(表示規制と景品規約)(全体)】

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