【業法・法規制の悪影響|『クオリティ確保』の逆効果|評価システム導入ハードル】

1 『法規制』→逆効果発生現象|サービス・クオリティ低下
2 法規制→クオリティ低下現象|タクシーの例
3 既存事業者の『評価システム導入』→実効性低い|例=タクシー
4 既存事業者『ユーザーの評価』が反映されない構造|例=タクシー
5 法規制|ビジネスモデルの産業化抑止効果
6 法規制緩和vs既得権集団|『時間をかける』が最適手法

本記事では事業に関する法律が『悪影響を生じている』現象について説明します。
法規制が『存在意義を失っている』というテーマについては別記事で説明しています。
詳しくはこちら|業法・法規制の目的=情報の非対称性解消→サービスクオリティ確保|IT化→不要方向

1 『法規制』→逆効果発生現象|サービス・クオリティ低下

事業に関する法規制の趣旨・目的は『サービス・商品のクオリティ確保』です(別記事;リンクは冒頭記載)。
この点,現代社会ではむしろ『クオリティ低下』という影響を及ぼしている現象が多いです。

<『法規制』→逆効果発生現象>

あ 『法規制』の本来の目的

サービス・商品のクオリティ確保

い 法規制の目的が変容を遂げた結果生じる現象

ア 現象(結果) サービス・商品のクオリティが劇的に低下する
イ メカニズム 法規制=参入障壁
→競争抑止
→サービス・商品のクオリティ低下

競争による最適化メカニズムを稼働しなくさせる,というところがポイントです。
関連コンテンツ|マーケットメカニズムの基本|自由経済・商品流通の最適化・供給者の新陳代謝

2 法規制→クオリティ低下現象|タクシーの例

法規制がクオリティ低下を招いている具体例をまとめます。

<法規制→クオリティ低下現象|タクシーの例>

あ 虚無僧事件

行き先を告げてもドライバーは押し黙ったまま

い ドライバーの生きがい事件

ラジオの音量を下げるようお願いした
→ドライバーは拒否
理由の説明;『これが楽しみでタクシードライバーをやっている』

う 窓コントロール権事件

窓を開けたら閉められた

え マナー違反事件

ドライバーが窓からツバを吐いた
※野口悠紀雄氏;参考情報は末尾に記載

もちろん,このようなドライバーばかりではないでしょう。
しかし,通常どおりのマーケットメカニズムでは生じ難いひどい事象と言えましょう。

3 既存事業者の『評価システム導入』→実効性低い|例=タクシー

IT化したシステム・サービスでは『評価システム』が普及しています(別記事;リンクは冒頭記載)。
レガシービジネスでも同じように『評価システム』を使うという発想があります。
実際に『評価を反映させる方法』はなくはないです。
しかし,実効性が低い傾向にあります。

<既存事業者の『評価システム導入』→実効性低い|例=タクシー>

あ クオリティ低下現象への対応|現状

『タクシー会社に報告する』という方法は現在でも存在する
『オンライン評価システム』はない(電話くらい)

い 実効性

ア 電話で連絡するのが面倒イ 知らせても改善されるかどうか分からない

4 既存事業者『ユーザーの評価』が反映されない構造|例=タクシー

レガシー事業でも,スマホでオンライン評価をうpするシステムを導入することが考えられます。
しかし,ここでも法規制が邪魔をする構造を抱えています。

<既存事業者『ユーザーの評価』が反映されない構造|例=タクシー>

あ ドライバー流動性が低い

タクシー会社はドライバーとして『2種免許』を保有する者だけしか採用できない
→容易に排除(解雇・業務委託契約終了)ができない
=マーケットメカニズムが十分に機能しない

い 2段階の『法規制の悪影響』

労働(人材)市場でも『法規制→クオリティ低下現象』を発現している

5 法規制|ビジネスモデルの産業化抑止効果

法規制の悪影響として,以上の視点とは別の角度でまとめます。
新たなビジネスモデル・産業化,という視点です。

<法規制|ビジネスモデルの産業化抑止効果>

あ テクノロジーの進化

テクノロジー発展
→新しいビジネスモデルが実行可能となっている

い 『法規制』が阻害効果発生

法規制が『ビジネスモデル実行=産業化』を止めている

う 社会経済全体に不利益・国が貧しくなる方向へ
主体 利益/不利益
利用者・新規参入事業者(予定者) 不利益
既得権者 利益
社会経済全体 不利益

関連コンテンツ|産業誕生・経済発展の方程式|日本の環境=『プロの経営者』以外は揃っている
関連コンテンツ|日本の『経営』不足・基本|プロの経営者=真のエリートが必要

6 法規制緩和vs既得権集団|『時間をかける』が最適手法

法規制緩和は『既得権集団との衝突』は普遍的に生じます。
感情・感覚を排除して,最適化実現の方法自体を『最適化』することが必要でしょう。

<法規制緩和vs既得権集団>

法規制の緩和は既得権集団との直接の激しい利害対立を生じる
一定の時間をかけて行うことが社会全体の最適化された手段であろう

<参考情報>

週刊ダイヤモンド15年6月6日p100〜
早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問
野口悠紀雄氏
外部サイト|ダイヤモンドオンライン(会員登録要)

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【人権基本・違憲立法審査権|違憲審査基準|経済的自由権×目的2分論】

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