暴利行為|窮迫・軽率・無経験に乗じた著しく過当な利益の獲得は民法90条で無効

1 暴利行為|窮迫・軽率・無経験に乗じた著しく過当な利益の獲得は民法90条で無効

契約の内容が一方に著しく偏っていることがあります。代金額や賃料が相場から大きく離れている、違約金が実際の損害とかけ離れて高い、といった形です。

こうした契約や特約が、相手の弱い立場に乗じて結ばれたものとして、公序良俗違反(民法90条)で無効になることがあります。これを暴利行為といいます。

本記事では、暴利行為として無効になるための要件と、無効になったときの効果を説明します。なお、ここでいう主観的要件は相手方の窮迫・軽率・無経験に乗じたことを指し、民法90条そのものの要件として問われる主観的な認識とは別の問題です。

公序良俗(民法90条)そのものの要件は、別の記事で説明しています。

民法90条(公序良俗)の要件|対象は内容・条件・表示された動機、認識は要件でない

2 窮迫・軽率・無経験に乗じた著しく過当な利益→無効(大判昭和9年5月1日)

暴利行為という言葉は民法にありません。明文の規定がないまま、判例がこの法理を民法90条に読み込んできました。その一般的な定式を確立したのが、大審院昭和9年5月1日の判決です。

同判決は、貸金業者が農業を営む借主の無知と窮迫に乗じ、解約返戻金があることを黙ったまま生命保険契約上の権利に質権を設定させた事案です。

条文

民法90条=公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は無効

公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする。

※民法90条

判決は次のように述べています。

引用:文献・公開情報

大判昭和9年5月1日の判旨=窮迫・軽率・無経験を利用した著しく過当な利益の獲得は無効

「他人ノ窮迫軽卒若ハ無経験ヲ利用シ著シク過当ナル利益ノ獲得ヲ目的トスル法律行為ハ、善良ノ風俗二反スル事項ヲ目的トスルモノニシテ、無効ナリト謂ハザルベカラズ。
然ラバ本件担保ノ目的タル保険契約二基ク解約返戻金ガ金980円余ヲ算スルコトヲ業務上知悉セルXハ、農ヲ業トスルYノ此ノ点ニ関スル無知ト窮迫二乗ジ貸金ノ倍額ニモ等シキ返戻金アルコトヲ秘シ、特二短期間ノ弁済期ヲ定メ、前記ノ如ク貸金シ、Yニ於テ其返還ヲ為サザルトキハ。右返戻金が貸金ニ比シ過不足ヲ生ズルモYXニ対シ不足金ヲ支払ハザルト共ニ、剰余金ノ支払ヲ請求セザル旨ノ特約ヲ為サシメタルモノナルコト明ナルヲ以テ、斯ノ如キ特約ハ民法第90条二依り無効ナルモノト断ズルヲ相当トス」。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p30

文献は、この判決が2つの要件による命題を確立したものと整理しています。

引用:文献・公開情報

大判昭和9年5月1日は、窮迫等に乗じた過大の利益の獲得を無効とする命題を確立した

そしてついに大審院昭和9年5月1日判決(民集13・875)は、
①相手方の窮迫・軽率・無経験に乗じて、
②過大の利益を獲得する行為
は公序良俗に反するという命題を確立した。
これは、上記のように学説継受されたドイツにおける暴利行為論を、大審院が承認したものである

※森田修稿/川島武宜ほか編『新版 注釈民法(3)』有斐閣2003年p106

3 主観的要素と客観的要素は法律要件でなく相関的に判断する考慮要素

暴利行為として契約を無効とする判断材料(要素)は、主観的要素と客観的要素に分けられます。この2つの要素を相関的に判断して、有効か無効かを決めます。

主観的要素は、相手方の窮迫・軽率・無経験を利用したこと(相手方がそうした事情にあり、行為者がそれに乗じたこと)です。客観的要素は、著しく過当な利益の獲得を目的とする法律行為であること(両者の給付の間に著しい不均衡が存すること)です。

文献は、暴利行為論を、客観的な給付の不均衡に加えて主観的要件を満たすことを条件に公序良俗違反による無効を導くものとし、適格秩序を維持する中核の法理だと位置づけています。

暴利行為(公序良俗違反)の判断基準・要素

あ 判断基準(全体)

主観的要素と客観的要素の2つを相関的に判断して有効・無効を決する
公序良俗に反するといえれば無効となる

い 主観的要素

相手方の窮迫・軽率・無経験を利用した
(相手方が窮迫・軽率・無経験などの事情にあり、行為者がそのことに乗じた)
この要素は緩和される傾向がある

う 客観的要素

著しく過当な利益の獲得を目的とする法律行為である
(両者の給付の間に著しい不均衡が存する)

引用:文献・公開情報

暴利行為論=客観的給付不均衡+主観的要件で無効を導く適格秩序の中核

内容に関する適格秩序としては、給付に著しい不均衡がある取引の効力を否定する場合が考えられる。
既述した暴利行為論は、この客観的給付不均衡に加えて、一方当事者の窮迫無思慮に他方当事者が乗じたという主観的要件を満たすことを条件に、公序良俗違反による無効を導くものであり、適格秩序維持の中核を担う法理である。

※川島武宜ほか編『新版 注釈民法(3)』有斐閣2010年 10月p146

2つを別々の法律要件として立てると、片方が欠ければ無効にならないことになります。評釈はそうではないと整理しています。

引用:文献・公開情報

2要素は法律要件でなく、相関的に判断して有効・無効を決する考慮要素

そこで、暴利行為の主観的要件客観的要件は、一般に、各々を充足しない限り無効の効果が認められないという意味での法律要件ではなく、両者を相関的に判断して法律行為の有効・無効を決するための考慮要素として理解されている
(その意味で、「主観的要素」・「客観的要素」と呼ぶ方が正確である)。
ゆえに、客観的要素(契約内容の不当性)が強い場合には、主観的要素(契約締結過程の問題性)が弱くても無効となりえ、その逆もありうる。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

(1)主観的要素の拡張=畏怖・困惑・無知・判断力の低下・従属状態・心理的な抑圧

主観的要素は、裁判例の積み上がりの中で広がってきました。窮迫というほどの事情がなくても、無効が認められることがあります。

主観的要素として裁判例が挙げた事情

あ 拡張の全体

窮迫・軽率・無経験に直接当てはまらない場合でも、法律行為の無効が認められている
下記はいずれも「利用された」事情として挙げられたもの

い 畏怖・困惑

窮迫というほどの事情がなくとも、相手方の弱みにつけ入り畏怖・困惑させた

う 相手方の無知

大判昭和9年5月1日の事案が既にこれに触れている

え 理解力・判断力の低下

理解力や判断力が落ちた状態を利用した

お 従属状態

ホステス保証(ホステスが客の飲食代金債務について店に対してした保証)がこの型に当たる
ただし最高裁はホステス保証そのものを有効としており、以後は下級審でも無効とする裁判例が減っている

か 心理的な抑圧状態

心理的に抑圧された状態を利用した

き 著しく不公正な方法

消費者契約(先物取引)の領域では、主観的要件がここまで緩和されている

評釈は、裁判例が「利用された」と見た事情を次のように並べています。

引用:文献・公開情報

窮迫・軽率・無経験に直接当てはまらない場合にも無効が認められている

まず、主観的要件についていうと、裁判例においては、窮迫・軽率・無経験に直接当てはまらない場合についても、法律行為の無効が認められている。
例えば、
窮迫というほどの事情がなくとも、相手方の弱みにつけ入り畏怖・困惑させた場合
(東京高判昭和53・7・18判時900号69頁)
や、
相手方の無知
(本判決が既にこれに触れているほか前掲東京高判昭和53・7・18.東京地判平成17・9・27判時1932号99頁など)・
理解力や判断力の低下
(東京地判平成30・5・25判夕1469号240頁、
東京高判平成30・3・15判時2398号46頁、
大阪高判平成21・8・25時2073号36頁など)、
従属状態
(前述のホステス保証の問題がこれに当たるほか、
大阪地判平成22・5・25時2092号106頁など)・
心理的な抑圧状態
(名古屋地判昭和58・3・31判時1081号104頁など)
などが利用された場合にも、公序良俗違反が認められている。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

消費者契約の領域では、要件がさらに緩和されています。

引用:文献・公開情報

消費者契約の領域で主観的要件が拡張され「著しく不公正な方法」まで緩和された

しかし1970年頃からは消費者契約の領域に再び目立って用いられるようになってきている。
それにつれて、暴利行為の主観的要件(既述した①の要件)は拡張される。
例えば、先物取引に関する最高裁昭和61年5月29日判決(裁判集民148・1)では、この要件は「著しく不公正な方法によって行われた」ことにまで緩和されている。

※森田修稿/川島武宜ほか編『新版 注釈民法(3)』有斐閣2003年p107

(2)客観的要素=著しく過当な利益の獲得(概要)

客観的要素は、著しく過当な利益の獲得を目的とする法律行為であること、言いかえれば両者の給付の間に著しい不均衡があることです。どの程度の開きがあれば「著しく」に当たるのかという金額の目安は、別の記事で説明しています。

暴利行為の客観的要素(売買の代金額や違約金)の判断基準

(3)債権法改正での明文化は見送り=暴利行為の定式は残された課題

債権法の改正では、暴利行為の明文規定を設けることが提案されました。もっとも、適切な要件について合意できないという理由で、明文化は見送られています。

評釈は、提案された案文と見送りの理由を次のように整理しています。

引用:文献・公開情報

改正では新しい定式が提案されたが、要件の合意が困難で明文化は見送られた

債権法改正に際しては、以上のような暴利行為論の到達点を踏まえ、新たな定式によって暴利行為の明文規定を設けることが提案された。
例えば、
「当事者の困窮従属もしくは抑圧状態、または思慮経験もしくは知識の不足等を利用して、その者の権利を害し、または不当な利益を取得することを内容とする法律行為は、無効とする」
との規定が提案された
(民法(債権法)改正検討委員会編「詳解・債権法改正の基本方針I序論・総則」[2009]50頁)。
また、中間試案第1-2(2)は、
「相手方の困窮、経験の不足、知識の不足その他の相手方が法律行為をするかどうかを合理的に判断することができない事情があることを利用して、著しく過大な利益を得、又は相手方に著しく過大な不利益を与える法律行為は、無効とするものとする」
としていた。
もっとも、最終的に改正民法では、適切な要件について合意形成が困難であるとの理由から、明文化が見送られた

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

4 損害賠償額の予定・違約金→420条の枠内でも公序良俗違反で無効(概要)

債務の不履行に備えて賠償額をあらかじめ定めた場合には、民法420条1項が別に明文を置いています。額が著しく過当なときに公序良俗違反がどう当たるかは、条文の移り変わりと無効の範囲を含めて、別の記事で説明しています。

損害賠償額の予定・違約金が著しく過当|民法420条の下でも公序良俗違反で無効

5 無効の範囲=一部無効と全部無効|近時の課題は悪質な取引からの解放

暴利行為として無効になったときの効果は、契約の一部だけを無効にする形と、契約を全部無効にする形に分かれます。一部無効なら、裁判所が代金額や違約金の額を実質的に修正することになります。

暴利行為論の機能の変化

あ 伝統的な暴利行為論

契約の効力を部分的に否定する
→取引内容を修正する機能があった

い 近時の暴利行為論

悪質な取引そのものから被害者を解放することが主要な課題になっている

評釈は、この2つの形の重みが時期によって入れ替わったと整理しています。

引用:文献・公開情報

伝統的な暴利行為論=取引内容の修正/近時=悪質な取引からの解放

すなわち、伝統的な暴利行為論は、本判決が特約だけを無効とするように、契約の効力を部分的に否定することにより、取引内容を修正する機能を有していた。
これに対し近時においては、悪質な取引そのものから被害者を解放することが、主要な課題となっている。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

6 適用領域の入れ替わり=伝統的な領域は特別法へ、新領域は消費者取引へ

暴利行為論がどの場面で使われるかは、立法と判例の積み上がりによって入れ替わってきました。伝統的な領域は特別法に引き取られ、代わりに消費者取引の場面が前に出てきています。順に見ていきます。

(1)高利・違約金=利息制限法が引き受けて90条の出番が後退

伝統的な適用領域は高利でした。最高裁は、高い利率であっても窮迫・軽率・無経験を利用して著しく過当な利益を得る目的と認められない限り、公序良俗違反に当たらないとしていました。昭和29年の利息制限法の制定で、制限を超える部分を一部無効とする解決が法定されました。

引用:文献・公開情報

高利=昭和29年の利息制限法で一部無効が法定され、公序良俗違反を持ち出す必要がなくなった

暴利行為の伝統的な適用領域は高利に関するものであった。
最高裁は、月8分から1割程度の高い利率の利息契約であっても、借主の窮迫、軽卒もしくは無経験を利用し、著しく過当な利益の獲得を目的としたことが認められない限り、公序良俗違反には当たらないとしていた(最判昭27・3・6民集6・3・320、最判昭29・11・5民集8・11・2014、最判昭32・9・5民集11・9・1479)。
しかし昭和29年の利息制限法の制定によって、制限利息超過部分については一部無効とする解決が法定されたために、利息の支払い請求を退けるためにはもはや公序良俗違反を持ち出す必要はなくなった。

※川島武宜ほか編『新版 注釈民法(3)』有斐閣2010年 10月p146

違約金と損害賠償額の予定についても同じことが起きました。評釈は、利息制限法4条が上限を定めたことで処理の要請が後退し、代物弁済予約も判例と仮登記担保法に引き取られたと整理しています。

引用:文献・公開情報

違約金は利息制限法4条の上限へ、代物弁済予約は清算義務の判例と仮登記担保法へ移った

違約金損害賠償額の予定については、現利息制限法(昭和29年施行)4条に上限が定められたことにより、暴利行為論による処理の要請が後退した。
また代物弁済予約については、最判昭和42・11・16(民集21巻9号2430頁)を契機として、清算義務を認める判例が確立されたことにより、暴利行為として無効とされることはなくなった。
さらに、昭和53年には仮登記担保法が制定され同法による規制に委ねられた

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p30〜31

(2)新領域=消費者取引・投資取引の不当勧誘|付随的条項は信義則の不当条項規制へ

入れ替わりに前に出てきたのが、消費者取引や投資取引における不当勧誘と、既存の関係を利用して過大な利益を得る契約です。昭和50年代以降、下級審の裁判例が積み上がっています。

引用:文献・公開情報

新領域=消費者取引・投資取引の不当勧誘と既存の関係の利用|ホステス保証は最高裁が有効とした

それに代わって、昭和50年代以降、下級審裁判例を中心に消費者取引や投資取引における不当勧誘、既存の関係を利用して過大な利益を得る契約などが、暴利行為論の新たな適用領域として浮上してきた
(昭和60年頃までの裁判例については、大村敦志『公序良俗と契約正義』[1995]273頁以下〔初出1987年〕が網羅的な研究を行っている。
さらにその後の裁判例も加えた検討として、山本敬三『公序良俗論の再構成』[2000]123頁以下〔初出1998年〕を参照)。
前者の初期の例として、長野地判昭和52・3・30(判時849号33頁、ネズミ講の事案)や名古屋地判昭和57.9.1(判時1067号85頁、原野商法の事案)を挙げることができる。
また、後者については、一時期、ホステス保証(ホステスが客の飲食代金債務について店に対してした保証)の問題が注目されたが、これを有効とする最高裁裁判例
(最判昭和61・11・20判時1220号61頁。
中舎寛樹本百選Ⅰ<第5版新法対応補正版〉34頁も参照)
が出て以降、下級審においても無効とする裁判例は減少した。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

もっとも、付随的な契約条項については、信義則に依拠する不当条項規制の制度が整いました。評釈は、その結果として暴利行為論の余地は狭まっていると述べています。

引用:文献・公開情報

付随的条項の不当条項規制は信義則に依拠する=暴利行為論の余地は狭まった

このような暴利行為論の機能変化との関係で、今日では不当条項規制の制度が存在することにも、留意する必要がある。
すなわち、消費者契約における不当条項については、消費者契約法8条以下の規定が適用される。
とりわけ、同10条は、一般条項として不当条項を広く規制しうるものである。
さらに、平成29年の民法改正により定型約款についても、不当条項規制に関する一般条項が設けられた(民548条の2第2項)。
これらの規定は、暴利行為論が依拠する公序良俗ではなく、信義則(1条2項)に依拠している。
このような不当条項規制の確立により、付随的契約条項の問題について、暴利行為論の活躍する余地は狭まっている。

※武田直大稿『暴利行為』/『民法判例百選Ⅰ 第9版』有斐閣2023年p31

7 類型ごとの当てはめ=低い代金での取得・高い代金での売却・高額な違約金(概要)

暴利行為が問題になる場面は、3つの形に分けられます。財産を安く取り上げられる形、代金や賃料を高く取られる形、形式的な違反を理由に高い金額や財産を取り上げられる形です。

暴利行為が問題になる類型

あ 低い代金で財産を取得する契約

財産を安く取り上げられる

い 高い代金で財産を売る契約

代金を高く取られる
賃料が高いというものもある

う 高額な違約金・損害賠償額の予定の特約

形式的な違反で高い金額や財産を取り上げられる

代金額が不当だとして争われた裁判例は、別の記事で説明しています。

売買代金が時価と大きく離れる|無効となるのは比率ではなく相手の状態に乗じたとき

違約金の額が不当だとして争われた裁判例は、別の記事で説明しています。

売買の違約金が過大|過大なだけでは無効にならず、乖離の程度と約款の作り方で決まる

賃料額を理由とする暴利行為の主張が否定された裁判例は、別の記事で説明しています。

サブリースの賃貸借該当性・暴利性(7倍の賃料)を判断した裁判例(イクスピアリ事件)

8 安く買った土地の明渡請求→権利の濫用(参考)(概要)

土地を安く買い受けた者が、その土地上の建物について収去と明渡しを求めた場合、権利の濫用として請求が否定されることがあります。代金が異様に安いことは、濫用を認める方向に働きます。

土地・建物の明渡請求について権利濫用の判断をした裁判例は、別の記事で説明しています。

土地・建物の明渡請求について権利濫用の判断をした裁判例(集約)

9 おわりに

本記事では、暴利行為として契約が無効になるための要件と、無効になったときの効果を説明しました。2つの要素を相関的に判断する枠組みなので、実際には個別の事情の主張・立証の仕方で結論が動きます。

公序良俗(民法90条)そのものの要件は、別の記事で説明しています。

民法90条(公序良俗)の要件|対象は内容・条件・表示された動機、認識は要件でない

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

本記事の引用は、書籍・判例などの原文から範囲を選んで載せたものです。改行の位置は読みやすさのために当方で整えており、原文の改行と同じとは限りません。また、記号や外字の扱いにより、文字の一部が原文と異なって表示されることがあります。原文の段落の行頭にある字下げは再現していません。

本記事の表示では、読点を「、」に統一しています(引用の原文が全角の「,」や半角の「,」である場合を含みます。ただし「1,000」のような桁区切りはそのまま表示しています)。

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【人類の未踏エリアへの進出と領有・帰属のルールの歴史(無主地先占)】
【暴利行為の客観的要素(売買の代金額や違約金)の判断基準】

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