【借地上の建物の再築許可の形式的要件(申立ができる条件)】

1 再築許可の形式的要件(総論)
2 再築許可の形式的要件(全体)
3 『更新』・耐用年数の解釈(概要)
4 再築許可の申立権者
5 解約権放棄の特約による適用除外

1 再築許可の形式的要件(総論)

借地借家法では,初回の更新後(第2ラウンド)における建物の再築について,裁判所が許可する手続があります。
詳しくはこちら|借地上の建物の再築許可の裁判制度の基本(趣旨・新旧法の違い)
裁判所に再築許可の申立ができるための形式的な前提条件(形式的要件)がいくつかあります。
本記事では,再築許可の形式的要件について説明します。

2 再築許可の形式的要件(全体)

再築許可の制度の条文規定の中に,全体的な形式的要件が含まれています。
最初に,条文の規定をまとめます。

<再築許可の形式的要件(全体)>

あ 前提事情

更新の後(第2ラウンド)において
借地人が残存期間を超えて存続する建物を新たに築造する
地主が建物の再築(築造)を承諾しない

い 裁判所の許可の申立

借地人(後記※3)は裁判所に再築の許可を申し立てることができる

う 適用除外

地主が解約申入をすることができない特約がある場合
→借地人は『い』の申立をすることができない(後記※4
※借地借家法18条1項

3 『更新』・耐用年数の解釈(概要)

再築許可の形式的要件の中に『更新』『残存期間を超えて存続する建物』というものがあります。
これらの解釈については,別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|建物再築による解約と再築許可に共通する要件(更新・耐用年数)

4 再築許可の申立権者

形式的要件として,申立をできる人もあります。
つまり,申立ができる人は借地人(側)に限定されているのです。

<再築許可の申立権者(※3)

申立権者は借地人or転借地人に限られる
地主には申立権はない
※借地借家法18条1項,3項,17条5項

5 解約権放棄の特約による適用除外

原則として,無断の再築に対して地主は借地契約を解約することができます。
特約で,この解約権が放棄されている場合は,借地人は再築許可の申立をできません。
むしろ,再築許可を得なくても,解約される,という本質的な問題が生じないから,再築許可が不要という状況なのです。

<解約権放棄の特約による適用除外(※4)

あ 基本的事項

借地人の再築による地主の解約権を放棄する特約がないこと
→再築許可の申立の消極的要件である

い 趣旨

再築許可の裁判の制度の趣旨について
再築による地主の解約権に対応する制度である
詳しくはこちら|借地上の建物の再築許可の裁判制度の基本(趣旨・新旧法の違い)
※稲本洋之助ほか『コンメンタール借地借家法 第2版』日本評論社2003年p129

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【借地上の建物の再築許可の裁判制度の基本(趣旨・新旧法の違い)】
【借地借家法(新法)の更新後の建物再築許可の実質的要件(判断基準)】

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