1 筆界特定|判断
2 筆界特定制度|結論|位置or範囲
3 筆界特定|通知+公告
4 筆界特定|登記への記録
5 筆界特定制度→分筆・地積更正登記
6 筆界特定制度|資料の保管
7 筆界特定制度|事後的な謄写・閲覧
8 筆界特定|結果への不服→訴訟提起
9 筆界特定→事後的な確定判決|反映処理

1 筆界特定|判断

法務局が土地の境界を特定する『筆界特定制度』があります。
基本的・全体的な事項は別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|筆界特定制度|基本|特徴・標準処理期間・申請・手続の流れ
本記事では筆界特定の手続の終了に関する事項を説明します。
まずは筆界特定の内容,つまり最終判断のプロセスについてまとめます。

<筆界特定|終了・判断>

あ 筆界特定書の作成

登記官は,筆界を特定する
筆界特定書を作成する・電磁的記録でも良い

い 筆界特定書|内容

ア 結論
イ 理由の要旨
※不動産登記法143条

2 筆界特定制度|結論|位置or範囲

当然,筆界特定の手続は『筆界が決まる』ことが最終ゴールです。

<筆界特定制度|結論|位置or範囲>

筆界特定の結論は次のいずれかである
ア 筆界の『位置』を特定する
イ 筆界の『位置の範囲』を特定する
※不動産登記法123条2号
※不動産登記規則237条

筆界が『1点(というか1線)』に決まらない,ということがあるのです。
これは,筆界特定制度の大きな問題点の1つです。

3 筆界特定|通知+公告

筆界特定の結論が出た後のプロセスについてまとめます。

<筆界特定|通知+公告>

あ 基本的事項

登記官は,遅滞なく,通知+公告をする

い 筆界特定書交付

申請人に筆界特定書の写しを交付する

う 筆界特定をした旨の通知・公告

筆界特定をした旨を通知・公告する
ア 通知
関係人に対して個別に通知する
イ 公告
公告する
※不動産登記法144条1項

4 筆界特定|登記への記録

筆界特定の手続は『登記官』が行います。
実質的には『法務局』と言えます。
自動的に登記への記録がなされます。

<筆界特定|登記への記録>

あ 登記への記録

筆界特定の結果は登記に記録される

い 具体的表記

対象土地の表題部に記録される
『平成○年○月○日筆界特定(手続番号平成○年○月○日第○号)』

う 注意|他の登記は別

地積更正登記・分筆登記がなされるわけではない

登記に記載されるのは『筆界特定手続の番号』くらいです。
地積や境界の記録が自動的に変更されるわけではありません。

5 筆界特定制度→分筆・地積更正登記

『筆界特定』の結論と従来の登記の状態が一致しないことも多いです。
この場合,登記の記録を変更する要請が出てきます。
当事者が一定の申立をするのが通常です。

<筆界特定制度→分筆・地積更正登記>

筆界特定の結果に基づく分筆・地積更正登記ができる
隣地所有者の同意は不要である
法務局で自動的に登記の変更をしてくれるわけではない

6 筆界特定制度|資料の保管

筆界特定の手続き終了後は『資料の保管』がなされます。

<筆界特定制度|資料の保管>

あ 記録の編綴

申請人,関係人から提出された意見書や資料
→筆界特定手続記録に編綴される

い 筆界特定手続記録|保管

手続終了後,対象土地を管轄する登記所で記録が保管される
※不動産登記法145条

7 筆界特定制度|事後的な謄写・閲覧

保管された筆界特定の資料を『利用する』ことがあります。
その場合は謄写や閲覧をすることになります。

<筆界特定制度|事後的な謄写・閲覧>

あ 写しの交付

次の資料について写しの交付請求ができる
ア 筆界特定書
イ 筆界調査委員が作成した測量図
※不動産登記法149条1項

う その他の図面

測量or実地調査した結果に基づいて作成された図面

い 閲覧の請求

『あ』以外の部分について閲覧の請求ができる
閲覧は『利害関係を有する部分』に限定される
※不動産登記法149条2項

8 筆界特定|結果への不服→訴訟提起

筆界特定の結論・判断には納得出来ないことも生じます。
その場合の対応・救済措置についてまとめます。

<筆界特定|結果への不服→訴訟提起>

あ 不服申立

筆界特定は行政処分には該当しない
→審査請求・行政訴訟の提起はできない

い 境界確定訴訟提起

筆界特定の内容に不服がある場合
→境界確定訴訟を提起できる

う 判決の効力

筆界特定終了後に境界確定訴訟の判決が確定した場合
→筆界特定結果は,判決を抵触する範囲で効力を失う
※不動産登記法148条

このように,不服があったら『境界確定訴訟を提起する』ことになります。
訴訟が判決に至った場合の処理については次に説明します。

9 筆界特定→事後的な確定判決|反映処理

筆界特定の手続終了後に境界確定訴訟がなされることもあります(前述)。
そうすると『筆界特定の結果』と『判決』の2つの公的判断が存在することになります。
法務局では登記の記録への反映をする手続があります。

<筆界特定→事後的な確定判決|反映処理>

あ 確定判決|提出手続

筆界特定の終了後に境界確定訴訟の判決が確定した場合
→当事者が登記所に確定判決の正本or謄本を提出する
→登記官が次の処理を行う

い 確定判決|反映処理

ア 筆界特定書へ記載する
イ 判決書の保存をする
※不動産登記規則237条
※平成17年12月6日法務省民二第2760号通達第11『164』項
外部サイト|法務省|平成17年12月6日法務省民二第2760号通達