【共有持分更正登記|出資割合と齟齬があると贈与税の対象になる】

1 出資割合と持分割合が違うと『贈与税』を課税されることがある
2 共有持分の『齟齬』による贈与税課税を避けるには『持分更正登記』をすると良い

1 出資割合と持分割合が違うと『贈与税』を課税されることがある

不動産を購入して,共有名義にすることがあります。
このような場合,不動産の購入代金の出資割合登記の持分割合が異なる場合,税務上の問題が生じます。
その差額について,現金の贈与があったとみなされます。
そのままですと,贈与税が課せられることになります。
仮に,このような共有持分割合で登記を行ってしまうと,税務署から問い合わせがなされることがあります。

2 共有持分の『齟齬』による贈与税課税を避けるには『持分更正登記』をすると良い

登記上の共有持分割合と出資割合の齟齬により,贈与税の対象となることがあります。
この場合,登記上の持分割合を,本来の割合=出資割合,に修正すると良いでしょう。
具体的には,共有持分更正登記を行うことです。
税務署から,共有持分更正登記をするようアドヴァイスがなされることもあります。
ただし,タイムリミットは次のとおりです。

<贈与税(みなし贈与)を避ける要件>

贈与税の申告日より前に更正登記が行われた
※通達;昭57直資2-177改正

さらに注意点として,更正登記は『錯誤』による登記にする必要があります。
これがないと,新たに共有持分を譲渡したとみられ,さらに贈与税が課せられるということになることがあります。
錯誤を原因として明記しておけば,当初の登記を修正した,ということがハッキリするのです。

判例・参考情報

(通達1)
[昭57直資2-177改正]
(過誤等により取得財産を他人名義とした場合等の取扱い)
5 「1」又は「2」に該当しない場合においても、他人名義により不動産、船舶、自動車又は有価証券の取得、建築又は建造の登記、登録又は登載等をしたことが過誤に基づき、又は軽率にされたものであり、かつ、それが取得者等の年齢その他により確認できるときは、これらの財産に係る最初の贈与税の申告若しくは決定又は更正(これらの財産の価額がその計算の基礎に算入されている課税価格又は税額の更正を除く。)の日前にこれらの財産の名義を取得者等の名義とした場合に限り、これらの財産については、贈与がなかったものとして取り扱う。
 自己の有していた不動産、船舶、自動車又は有価証券の名義を他の者の名義に名義変更の登記、登録又は登載をした場合において、それが過誤に基づき、又は軽率に行われた場合においても、また同様とする。
 「3」の取扱いは、これらの場合について準用する。

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