サブリースの規制|特定転貸事業者の誇大広告・不当勧誘の禁止と書面交付

1 サブリースの規制|特定転貸事業者の誇大広告・不当勧誘の禁止と書面交付

オーナーから建物を一括で借り上げ、自ら貸主となって入居者へ転貸する——いわゆるサブリースの方式です。賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律は、この方式について管理受託とは別の章を設け、広告・勧誘・書面の面から規制しています。

管理受託のほうに置かれている登録制度については、別の記事で説明しています。

賃貸住宅管理業の登録義務|200戸以上は登録が必要・無登録営業は罰則

本記事では、規制の対象になる契約と事業者、誇大広告と不当な勧誘の禁止、締結前後の書面交付、書類の閲覧、国土交通大臣の監督と申出の制度、そして罰則を説明します。

2 結論——サブリースに登録制度はないが、広告・勧誘・書面に義務

本記事の結論を先にまとめます。いずれの行も、後述の各節で条文を挙げて説明します。

サブリースにかかる規制の対象と中身

(ア)特定賃貸借契約=賃借人が第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結される賃貸住宅の賃貸借契約(法2条4項)(イ)特定転貸事業者=特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者(法2条5項)。登録制度は置かれていない(ウ)賃貸人と人的関係・資本関係その他の関係で密接な関係を有する者が賃借人であるものは特定賃貸借契約から外れる=親族・親会社・子会社など(法2条4項・規則2条)(エ)この章の規制は令和2年12月15日から働いている(規則附則1条)(オ)誇大広告等の禁止=家賃・維持保全の実施方法・解除に関する事項などについて、著しく事実に相違する表示や、著しく優良・有利と誤認させる表示をしてはならない(法28条)(カ)規制は勧誘者にも及ぶ=特定転貸事業者が勧誘を行わせる者も「特定転貸事業者等」として28条・29条の対象(法28条)(キ)不当な勧誘等の禁止=判断に影響を及ぼす重要なものにつき、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為(法29条1号)(ク)締結前の書面交付と説明(法30条1項)・締結時の7号の事項を記載した書面交付(法31条1項)(ケ)業務および財産の状況を記載した書類を営業所・事務所に備え置き、求めに応じて閲覧させる(法32条)(コ)指示(法33条)と業務停止命令(法34条)は、いずれも公表される(サ)何人も国土交通大臣に申し出て適当な措置を求められる(法35条)(シ)罰則=故意の不告知・不実告知と業務停止命令違反は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金(法42条)/書面の不交付は50万円以下の罰金(法43条)/誇大広告・書類の閲覧・指示違反・検査拒否は30万円以下の罰金(法44条10号〜13号)

3 規制の対象=特定賃貸借契約・特定転貸事業者・勧誘者

まず、何が規制の対象になるのかを定義の条文で確かめます。契約の側と事業者の側に別の定義が置かれ、勧誘を行わせる者まで射程に入っています。

(1)特定賃貸借契約と特定転貸事業者(法2条4項・5項)=登録の対象ではない

法2条4項は、特定賃貸借契約を、賃貸住宅の賃貸借契約であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるものと定めます。いわゆるマスターリースの契約です。

5項は、特定転貸事業者を、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者と定めます。

特定転貸事業者には登録制度が置かれていません。賃貸住宅管理業の登録義務は、賃貸人から委託を受けて管理業務を行う事業(法2条2項)にかかるもので、自ら貸主となって転貸する事業は「委託を受けて」に当たらないからです。サブリースの側は、参入を絞るのではなく行為を規制する形になっています。

法2条4項=転貸する事業を営む目的で締結される賃貸借契約

この法律において「特定賃貸借契約」とは、賃貸住宅の賃貸借契約(賃借人が人的関係、資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者であるものを除く。)であって、賃借人が当該賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営むことを目的として締結されるものをいう。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律2条4項

法2条5項=特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を転貸する事業を営む者

この法律において「特定転貸事業者」とは、特定賃貸借契約に基づき賃借した賃貸住宅を第三者に転貸する事業を営む者をいう。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律2条5項

(2)特定賃貸借契約から外れる相手方(規則2条)=親族・親会社・子会社など

法2条4項は括弧の中で、賃借人が人的関係・資本関係その他の関係において賃貸人と密接な関係を有する者として国土交通省令で定める者であるものを除いています。グループ内で建物を回しているだけの契約を規制の対象から外す趣旨です。

規則2条が7つの号でその範囲を定めています。賃貸人が個人なら親族と、賃貸人またはその親族が役員である法人。賃貸人が会社なら親会社・子会社・関連会社などです。ほかに登録投資法人、特定目的会社、不動産特定共同事業の組合や特例事業者、信託の受託者である場合の定めが並びます。

規則2条1号=賃貸人が個人なら、その親族と、親族が役員である法人

法第二条第四項の国土交通省令で定める者は、次に掲げる者とする。
一 賃貸人が個人である場合における次に掲げる者
イ 当該賃貸人の親族
ロ 当該賃貸人又はその親族が役員である法人

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則2条1号

(3)サブリース規制が始まったのは令和2年12月15日

同法の施行日は章ごとに違います。法附則1条2号が第1章・第3章・第4章などを本体より先に施行するとしており、サブリースの規制は第3章なのでこちらに入ります。

その日付は、同じ日に施行された規則の附則が示しています。令和2年12月15日です。管理受託の登録制度(第2章)が動き出したのは、その半年後です。

規則附則1条=法附則1条2号の規定の施行の日は令和2年12月15日

この省令は、法附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日(令和二年十二月十五日)から施行する。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律施行規則附則(令和二年国土交通省令第八十三号)1条

4 広告と勧誘の規制=誇大広告等の禁止・不当な勧誘等の禁止

第3章の中心は、契約を結ばせる手前の場面です。広告の表示と、勧誘の仕方の2つに禁止が置かれています。

(1)誇大広告等の禁止(法28条)=勧誘者も規制の対象

法28条は、特定賃貸借契約の条件について広告をするときは、特定転貸事業者が支払うべき家賃、賃貸住宅の維持保全の実施方法、特定賃貸借契約の解除に関する事項その他の国土交通省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、または実際のものよりも著しく優良でありもしくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならないと定めます。

同条は規制の主体も決めています。特定転貸事業者と、特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者を「勧誘者」と呼び、両者をあわせて「特定転貸事業者等」とします。事業者自身が広告しなくても、勧誘を行わせた者の広告が規制にかかります。

違反すると30万円以下の罰金の対象です(法44条10号)。

法28条=家賃・維持保全・解除などについて、著しく事実に相違する表示の禁止

特定転貸事業者又は勧誘者(特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者をいう。以下同じ。)(以下「特定転貸事業者等」という。)は、第二条第五項に規定する事業に係る特定賃貸借契約の条件について広告をするときは、特定賃貸借契約に基づき特定転貸事業者が支払うべき家賃、賃貸住宅の維持保全の実施方法、特定賃貸借契約の解除に関する事項その他の国土交通省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律28条

(2)不当な勧誘等の禁止(法29条1号)=故意の不告知と不実告知

法29条1号は、特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、またはその解除を妨げるため、相手方または相手方となろうとする者に対し、契約に関する事項であって判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為を禁じます。

「故意に」が要件に入っているので、過失で告げなかった場合は1号に当たりません。2号は、そのほか相手方の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるものを禁止しており、省令に委ねられています。

1号の違反は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金で、併科もありえます(法42条2号)。この章の罰則のなかで最も重い段です。

法29条=故意に事実を告げず、または不実のことを告げる行為の禁止

特定転貸事業者等は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 特定賃貸借契約の締結の勧誘をするに際し、又はその解除を妨げるため、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者に対し、当該特定賃貸借契約に関する事項であって特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為
二 前号に掲げるもののほか、特定賃貸借契約に関する行為であって、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の保護に欠けるものとして国土交通省令で定めるもの

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律29条

5 特定賃貸借契約の締結前・締結時の書面交付(法30条1項・31条1項)

書面を渡す場面は管理受託と同じく2つです。法30条1項は、特定賃貸借契約を締結しようとするときは、相手方となろうとする者に対し、締結するまでに、契約の内容およびその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるものについて、書面を交付して説明しなければならないと定めます。相手方からは、特定転貸事業者である者その他の専門的知識および経験を有すると認められる者として省令で定めるものが除かれます。

義務を負うのは特定転貸事業者だけで、勧誘者は入りません。広告と勧誘の禁止が勧誘者にも及ぶのとは射程が違います。

法31条1項は、締結したときは、相手方に対し遅滞なく、対象となる賃貸住宅、相手方に支払う家賃その他賃貸の条件、特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法、契約期間、転借人の資格その他の転貸の条件、更新または解除に関する定めがあるときはその内容、そして省令で定める事項の7つを記載した書面を交付しなければならないと定めます。

法30条1項=締結までに、内容と履行に関する事項を書面を交付して説明する

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約を締結しようとするときは、特定賃貸借契約の相手方となろうとする者(特定転貸事業者である者その他の特定賃貸借契約に係る専門的知識及び経験を有すると認められる者として国土交通省令で定めるものを除く。)に対し、当該特定賃貸借契約を締結するまでに、特定賃貸借契約の内容及びその履行に関する事項であって国土交通省令で定めるものについて、書面を交付して説明しなければならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律30条1項

法31条1項=締結したときは、遅滞なく7号の事項を記載した書面を交付する

特定転貸事業者は、特定賃貸借契約を締結したときは、当該特定賃貸借契約の相手方に対し、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一 特定賃貸借契約の対象となる賃貸住宅
二 特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃その他賃貸の条件に関する事項
三 特定転貸事業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法
四 契約期間に関する事項
五 転借人の資格その他の転貸の条件に関する事項
六 契約の更新又は解除に関する定めがあるときは、その内容
七 その他国土交通省令で定める事項

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律31条1項

6 業務及び財産の状況を記載した書類の閲覧(法32条)

法32条は、特定転貸事業者の業務および財産の状況を記載した書類を、国土交通省令で定めるところにより、特定賃貸借契約に関する業務を行う営業所または事務所に備え置き、相手方または相手方となろうとする者の求めに応じ、閲覧させなければならないと定めます。

サブリースでは家賃の支払が長期間続くので、相手方にとっては事業者の財務の状況が契約を決める材料になります。備え置くだけでなく、求めがあれば見せる義務です。違反は30万円以下の罰金の対象です(法44条11号)。

法32条=業務および財産の状況を記載した書類を備え置き、求めに応じ閲覧させる

特定転貸事業者は、国土交通省令で定めるところにより、当該特定転貸事業者の業務及び財産の状況を記載した書類を、特定賃貸借契約に関する業務を行う営業所又は事務所に備え置き、特定賃貸借契約の相手方又は相手方となろうとする者の求めに応じ、閲覧させなければならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律32条

7 監督と申出=指示・業務停止命令の公表と、何人もできる申出

違反があったときに国土交通大臣が動く手段は2段で、どちらも結果が公表されます。あわせて、誰でも大臣へ申し出られる制度が置かれています。

(1)指示と業務停止命令の公表(法33条3項・34条3項)

法33条1項は、特定転貸事業者が法28条から法32条までの規定に違反した場合などに、違反の是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示できると定めます。2項は勧誘者に対する指示で、対象は法28条・29条の違反に限られます。3項は、指示をしたときはその旨を公表しなければならないと定めます。

法34条1項は、より重い手段です。違反の場合に特に必要があると認めるとき、または指示に従わないときは、1年以内の期間を限り、勧誘を行うことや勧誘者に勧誘を行わせることの停止、もしくは特定賃貸借契約に関する業務の全部・一部の停止を命ずることができます。2項が勧誘者に対する勧誘停止命令で、3項が公表です。

登録制度がないので登録の取消しという手段はありません。公表と業務停止が実効性を担っています。

法33条=違反の是正のための措置を指示でき、指示したときは公表する

国土交通大臣は、特定転貸事業者が第二十八条から前条までの規定に違反した場合又は勧誘者が第二十八条若しくは第二十九条の規定に違反した場合において特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、その特定転貸事業者に対し、当該違反の是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる。
2 国土交通大臣は、勧誘者が第二十八条又は第二十九条の規定に違反した場合において特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、その勧誘者に対し、当該違反の是正のための措置その他の必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3 国土交通大臣は、前二項の規定による指示をしたときは、その旨を公表しなければならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律33条

法34条=1年以内の勧誘・業務の停止を命じられ、命令したときは公表する

国土交通大臣は、特定転貸事業者が第二十八条から第三十二条までの規定に違反した場合若しくは勧誘者が第二十八条若しくは第二十九条の規定に違反した場合において特定賃貸借契約の適正化を図るため特に必要があると認めるとき、又は特定転貸事業者が前条第一項の規定による指示に従わないときは、その特定転貸事業者に対し、一年以内の期間を限り、特定賃貸借契約の締結について勧誘を行い若しくは勧誘者に勧誘を行わせることを停止し、又はその行う特定賃貸借契約に関する業務の全部若しくは一部を停止すべきことを命ずることができる。
2 国土交通大臣は、勧誘者が第二十八条若しくは第二十九条の規定に違反した場合において特定賃貸借契約の適正化を図るため特に必要があると認めるとき、又は勧誘者が前条第二項の規定による指示に従わないときは、その勧誘者に対し、一年以内の期間を限り、特定賃貸借契約の締結について勧誘を行うことを停止すべきことを命ずることができる。
3 国土交通大臣は、前二項の規定による命令をしたときは、その旨を公表しなければならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律34条

(2)国土交通大臣に対する申出(法35条)=主体の限定なし

法35条1項は、何人も、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対しその旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができると定めます。申出ができる者に限定がありません。

2項は、申出があったときは必要な調査を行い、申出の内容が事実であると認めるときは、同法に基づく措置その他適当な措置をとらなければならないと定めます。調査と措置の側が義務になっているところが、単なる情報受付との違いです。

法35条=何人も申し出られる。大臣は調査し、事実なら措置をとらなければならない

何人も、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、国土交通大臣に対し、その旨を申し出て、適当な措置をとるべきことを求めることができる。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律35条1項

国土交通大臣は、前項の規定による申出があったときは、必要な調査を行い、その申出の内容が事実であると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律35条2項

(3)報告徴収と立入検査(法36条)→犯罪捜査のためのものではない

法36条1項は、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、特定転貸事業者等に対し業務に関し報告を求め、または職員に営業所・事務所その他の施設へ立ち入らせて検査・質問をさせることができると定めます。対象が「特定転貸事業者等」なので、勧誘者も含みます。

3項は、立入検査の権限は犯罪捜査のために認められたものと解してはならないと定めます。報告をせず、虚偽の報告をし、検査を拒んだときなどは30万円以下の罰金の対象です(法44条13号)。

法36条=報告徴収と立入検査。権限は犯罪捜査のためのものではない

国土交通大臣は、特定賃貸借契約の適正化を図るため必要があると認めるときは、特定転貸事業者等に対し、その業務に関し報告を求め、又はその職員に、特定転貸事業者等の営業所、事務所その他の施設に立ち入り、その業務の状況若しくは設備、帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律36条1項

第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律36条3項

8 サブリース規制の罰則(法42条2号・43条・44条10号〜13号)

第3章の違反に当たる罰則は3つの段に分かれています。最も重いのは法42条で、6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、併科もありえます。対象は、法29条1号に違反して故意に事実を告げず・不実のことを告げたとき(2号)と、法34条1項・2項の命令に違反したとき(3号)です。

法43条は50万円以下の罰金で、法30条1項・31条1項の書面交付の義務違反が対象です。交付しなかった場合だけでなく、記載すべき事項を記載しない書面や虚偽の記載のある書面を交付した場合も含まれます。

法44条は30万円以下の罰金で、第3章に関するものは10号から13号です。誇大広告等の禁止の違反(10号)、書類の備置き・閲覧の義務違反(11号)、指示に違反したとき(12号)、報告徴収・立入検査に応じなかったとき(13号)です。法45条の両罰規定により、法人にも各本条の罰金刑が科されます。

罰則の全体と、賃貸住宅管理業者に対する監督の手段は、別の記事で説明しています。

賃貸住宅管理業者に対する監督と罰則|業務改善命令・登録の取消し・業務停止

法42条=故意の不告知・不実告知と業務停止命令違反は6月以下の拘禁刑

次の各号のいずれかに該当するときは、その違反行為をした者は、六月以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第二十三条第一項の規定による命令に違反したとき。
二 第二十九条(第一号に係る部分に限る。)の規定に違反して、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げたとき。
三 第三十四条第一項又は第二項の規定による命令に違反したとき。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律42条

法43条=書面を交付せず、または記載を欠く書面を交付したときは50万円以下の罰金

第三十条第一項若しくは第三十一条第一項の規定に違反して、書面を交付せず、若しくはこれらの規定に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載のある書面を交付したとき、又は第三十条第二項(第三十一条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)に規定する方法により提供する場合において、第三十条第二項に規定する事項を欠いた提供若しくは虚偽の事項の提供をしたときは、その違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

※賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律43条

9 管理受託も併せて行う場合の登録義務(概要)

サブリースの事業者が、同時に別のオーナーから管理を受託していることがあります。その受託の部分は賃貸住宅管理業に当たるので、戸数が省令の規模以上になれば登録が必要です。自ら貸主として転貸している部分は「委託を受けて」に当たらないので、そこだけを見て登録不要と判断することはできません。

登録が義務になる範囲と手続は、別の記事で説明しています。

賃貸住宅管理業の登録義務|200戸以上は登録が必要・無登録営業は罰則

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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