【無線局開設免許の実質的審査事項(判断基準)】
1 実質的審査事項の審査
無線局の開設については免許制度がとられています。
詳しくはこちら|無線局開設の免許制度の基本(趣旨と『無線局・開設』の解釈)
本記事では、免許申請における実質的審査基準の内容を説明します。
まずは審査の手続に共通する基本的な事項をまとめます。
実質的審査事項の審査
あ 審査
総務大臣が免許申請書を受理した場合
→遅滞なく適合性を審査しなければならない
※電波法7条2項、27条の4
い 出頭・資料提出要請
審査に際して必要があると認める場合
総務大臣は申請者に対して
出頭or資料の提出を求めることができる
※電波法7条6項
2 実質的審査事項の分類
以下、実質的な審査の内容を説明します。
ここで、実質的審査事項の全体は大きく3種類に分けられます。この分類だけを整理しておきます。
3 放送局以外の無線局の審査事項
無線局の分類のうち、比較的規模が小さいものは『放送局以外の無線局』です。これについての審査事項をまとめます。
放送局以外の無線局の審査事項(※1)
あ 技術水準
工事設計が『技術水準』(後記※5)に適合する
い 周波数割当
周波数の割当が可能である
詳しくはこちら|電波・周波数の割当の制度(割当計画や公開原則と国際的ルール)
う 根本的基準
無線局開設の根本的基準に合致する
総務省令によって定められている(後記※2)
※財団法人電気通信振興会『新電波法要説』p75
※今泉至明『電波法要説』財団法人電気通信振興会p71
4 放送局以外の無線局の開設の根本的基準
放送局以外の無線局に関する審査基準が省令として規定されています。概要をまとめます。
放送局以外の無線局の開設の根本的基準(※2)
あ 名称
無線局(基幹放送局を除く。)の開設の根本的基準
い 形式
総務省令
う 概要
放送局以外の無線局を免許することに関して
総務大臣の根本的方針を定めたものである
え 無線局の分類
無線局を9種類に分類している
それぞれの特性に応じた基本的な条件を定めてある
ア 電気通信業務用無線局イ 公共業務用無線局ウ 漁業用海岸局エ 陸上移動中継局オ 実験局カ アマチュア局キ 携帯局ク 簡易無線局ケ その他の一般無線局
5 放送局の審査基準
放送局は無線局の中で規模が大きい方です。放送局についての審査基準の内容をまとめます。
放送局の審査基準(※3)
あ 技術水準
工事設計が『技術水準』(後記※5)に適合する
い 周波数割当
周波数の割当が可能である
放送用周波数使用計画に基づく
総務大臣によって定められている
詳しくはこちら|電波・周波数の割当の制度(割当計画や公開原則と国際的ルール)
う 財政的基盤
放送業務を維持するに足りる財政的基盤がある
放送局以外の無線局については審査事項ではない
平成5年の放送法改正による
え 根本的基準
放送局開設の根本的基準に合致する
総務省令で定められている(後記※4)
※財団法人電気通信振興会『新電波法要説』p75
※今泉至明『電波法要説』財団法人電気通信振興会p71、72
6 放送局の開設の根本的基準
放送局に関する審査基準が省令として規定されています。概要をまとめます。
放送局の開設の根本的基準(※4)
あ 名称
基幹放送局の開設の根本的基準
平成23年に改称された
い 形式
総務省令
う 概要
放送局を免許することに関して
総務大臣の根本的方針を定めたものである
主に次の内容が規定されている
ア 放送局の開設の条件イ 放送局を開設できる放送事業者の適格性
7 工事設計の技術基準
無線局の工事設計の技術に関する基準が規定されています。これは放送局とそれ以外の無線局の共通の基準です。
工事設計の技術基準(※5)
あ 基本事項
工事設計の技術基準について
『い』の規定が該当する
『う』の規定が関連する
い 該当する規定
ア 共通電波法28条〜38条
電波法施行規則のうち相当部分
無線設備規則の全部
イ 放送局のみ放送に関する送信の標準方式
う 代表的な関連する規定
無線機器型式検定規則
特定無線設備の技術基準適合証明に関する規則
※財団法人電気通信振興会『新電波法要説』p77
8 包括免許の審査基準
無線局によっては、個々の機器について免許を受けることが不合理です。代表的な典型例は携帯電話です。そこで、複数の機器について一括して免許を受けることができます。このようなケースの審査基準についてまとめます。
包括免許の審査基準(※6)
あ 周波数割当
周波数の割当が可能である
詳しくはこちら|電波・周波数の割当の制度(割当計画や公開原則と国際的ルール)
い 根本的基準
特定無線局開設の根本的基準に合致する
総務省令で定められている
平成9年10月1日の施行時は郵政省令であった
特定無線局を免許することに関して
総務大臣の根本的方針を定めたものである
※特定無線局の開設の根本的基準;総務省令
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


