1 不動産のセールストーク|過剰になる傾向がある
2 利益保証タイプ・セールス|基本・種類
3 利益保証タイプ・セールス|解釈論・傾向
4 『値上がり』約束手法|概要
5 『賃料保証』手法・サブリース|瑕疵担保責任
6 マンション分譲×不公平|概要

1 不動産のセールストーク|過剰になる傾向がある

不動産の販売では,セールストークが過剰になる傾向があります。
対象物件としては,投資用不動産・リゾートマンションが典型的です。
手法としては,価値が低いのに高いと思わせる『原野商法』が代表的です。
また周囲の環境が良いことを保証する,という手法もあります。
当然後から『説明と違うことが判明した』場合に問題となります。
不動産のセールストークに関する法的問題・法的責任です。
本記事では,法的問題のうち『利益保証タイプ』について説明します。
『環境保証タイプ』については別記事で説明しています。
(別記事『環境保証タイプ』;リンクは末尾に表示)

2 利益保証タイプ・セールス|基本・種類

セールストークの法的問題のうち『利益保証タイプ』の基本的事項をまとめます。

<利益保証タイプ・セールス|基本・種類>

あ 『値上がり』約束手法

将来『値上がりする→売却による利益が出る』ことを強調する
ア 原野商法
元々価値が低い
→『高い・高くなる』と過剰な説明をする
→高く買うよう仕向ける
イ ステップ方式
売主自身が将来売値よりも高く買い戻すことを約束する
ウ 転売約束
将来高く買い取る『転売先を紹介する』ことを約束する

い 『賃料保証』手法・サブリース

将来の賃料収入を約束する

う マンション分譲×不公平

新築マンションの一斉分譲において
→多くの買主の間に不公平が生じる
『他の契約者との違いがない』と説明をする
ア 『値下げ販売しない』約束手法
『マンションの他の居室を値下げ販売しない』約束をする
イ 契約内容の不公平を隠す手法
他の契約と比べて公平でないことを隠す

3 利益保証タイプ・セールス|解釈論・傾向

『利益保証タイプ』について,いろいろな判例があります(後記)。
最初に,判例の判断の傾向をまとめておきます。

<利益保証タイプ・セールス|解釈論・傾向>

あ 客観的な問題がある場合

ア 法解釈の傾向
売主・仲介業者の責任を認める方向性
イ 具体例・典型例
客観的な価値と『販売価格』が大きく離れている
典型例=原野商法

い 客観的な問題はない場合

『不動産自体の問題はない』場合
→セールストークの範囲内
→責任を否定する方向性

いろいろな事案についての判例は,以下紹介します。

4 『値上がり』約束手法|概要

不動産の買主は『将来の値上がり』は非常に誘惑的です。
セールスでは『将来の値上がり』の説明が過剰になりがちです。
いろいろな手法が存在しています。
この問題については別に説明しています。
詳しくはこちら|セールストーク|値上がり約束手法|原野商法・ステップ方式・転売約束

5 『賃料保証』手法・サブリース|瑕疵担保責任

収益不動産について将来の『賃料収入』を約束する,というタイプもあります。
賃料を保証するサブリース方式自体は本来有益・有用なものです。
詳しくはこちら|サブリース|基本・法的性格|転貸借・対抗要件・賃料増減額の規定の適用
しかし『ウソの説明・約束』であった場合は法的責任が生じます。
『瑕疵担保責任』を認めた判例を紹介します。

<『賃料収入』手法・サブリース|瑕疵担保責任>

あ 事案概要

セールストークとして収益性を強調した説明がなされた
売主がサブリースを行う前提で売却された
現実の収益性は事前の説明ほどには高くなかった
事後的にサブリース契約は解除された

い 具体的内容

売買代金=4100万円
想定された賃料=マスターリース賃料=月額約100万円

う 裁判所の判断|概要

収益保証の合意は認めない
瑕疵担保責任を認めた

え 裁判所の判断|責任の内容

損害賠償責任1000万円
=想定された収入の約10か月分
※東京地裁平成21年12月28日

6 マンション分譲×不公平|概要

新築マンションの分譲では同時に多くの買主が現れます。
各買主は『他の契約との公平性』を気にします。
不公平となるような状況が生じることもあります。
セールスでは逆に『違いを隠す』ケースが生じがちです。
『値下げ販売』や『不公平な契約内容』などのことです。
このようなも問題については別に説明しています。
詳しくはこちら|セールストーク|マンション分譲×不公平|値下げしない約束