離婚後の親権者は誰がどう定めるのか(民法819条・765条)|協議・審判・裁判離婚・変更
1 離婚後の親権者は誰がどう定めるのか(民法819条・765条)|協議・審判・裁判離婚・変更
令和6年の民法改正(令和6年法律第33号・令和8年4月1日施行)により、離婚したあとの親権者を父母の双方と定めることも、その一方だけと定めることもできるようになりました。では、その親権者は誰が、いつ、どの手続で定めるのでしょうか。
定める主体は4つです。父母の協議、協議が調わないときの家庭裁判所の審判、裁判離婚のときの裁判所、そしていったん定めた親権者を変更する裁判です。改正では、この入口のところも変わりました。親権者が決まっていなくても、親権者の指定を求める申立てがされていれば、協議離婚の届出が受理されるようになっています。
この記事は、その「誰が・いつ・どの手続で」を扱います。共同と単独のどちらに定めるかの判断基準は、別の記事で説明しています。
共同親権か単独親権かの判断基準(民法819条7項)|必要的単独親権と総合考慮の二段構造
2 定めるのは父母の協議か裁判所で、協議が調わなくても離婚だけ先にできる
親権者を定める場面を、定める主体ごとに整理すると次のとおりです。この表は当事務所の整理で、各行の根拠はこの記事の本文にあります。
親権者を定める主体と根拠条文
| 場面 | 定める主体 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 協議離婚 | 父母の協議 | 民法819条1項 |
| 協議離婚で、親権者について協議が調わない/協議ができない | 家庭裁判所(協議に代わる審判) | 民法819条5項 |
| 裁判離婚 | 裁判所(判決) | 民法819条2項 |
| いったん定めた親権者を変える | 家庭裁判所(親権者の変更の裁判) | 民法819条6項・8項 |
| 子が複数いる | 上の各場面で、子ごとに定める | 民法819条1項・2項 |
| 親権者が決まらないまま離婚したい | 親権者の指定を求める審判・調停を申し立てれば、離婚の届出は受理される | 民法765条1項2号 |
3 離婚後も父母双方を親権者と定めることができるようになった
改正前の民法は、父母の婚姻中は双方を親権者とする一方で、離婚後は必ずその一方を親権者と定めなければならないとしていました。改正民法は、父母の離婚後も双方が適切な形で子の養育に関わりその責任を果たすことが子の心身の健全な発達のために望ましいという考え方から、双方を親権者と定めることもできるものとしました。選ぶ余地ができたぶん、誰がどの手続で選ぶのかが問題になります。
離婚又は認知の場合の親権者
父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定める。
※民法819条1項
裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定める。
※民法819条2項
見直しの結論
そこで、改正法は、旧民法の離婚後単独親権制度を見直し、父母の離婚後もその双方を親権者と定めることができることとしている。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p30
選択的共同親権制度の導入
改正民法においては、父母の離婚後も、父母双方が適切な形で子の養育に関わりその責任を果たすことが、子の心身の健全な発達のために望ましいとの考えから、父母の離婚後は、父母双方を親権者と定めることも、父母の一方のみを親権者と定めることもできるものとされ(民法819条),離婚後単独親権制度に代わっていわゆる選択的共同親権制度が導入された。
※東京改正家族法研究会編著『詳解 令和6年改正家族法』日本加除出版2026年p7
(1)親権者と定められることは、子と同居することを意味しない
改正前は、親権者を父母の一方に定めることが、子がどちらと同居するかという問題と密接に結びついていました。共同親権を定める場合には、この結びつきがなくなります。子の居所や監護の在り方は、親権者の定めとは別に検討されます。誰が親権者かという問題と、子がどちらと暮らすかという問題は、別の手続で決まります。
親権者の定めと子の居所は別に検討される
改正民法の下で共同親権を定める場合は、親権者と定められることは必ずしも子と同居することを意味するものではなく、子の居所や監護の在り方は、別個に検討されることとなる点に留意する必要がある。
※東京改正家族法研究会編著『詳解 令和6年改正家族法』日本加除出版2026年p7
4 協議離婚では、まず父母の協議で定める
協議離婚では、まず父母の協議で親権者を定めます。双方を親権者とすることも、一方だけとすることもでき、どちらにするかの協議が調えば、そのまま離婚の届出ができます。協議で定めるときも、子の人格を尊重すべきこと、子の意見を適切な形で尊重すべきことは変わりません(民法817条の12第1項)。
親の責務等
父母は、子の心身の健全な発達を図るため、その子の人格を尊重するとともに、その子の年齢及び発達の程度に配慮してその子を養育しなければならず、かつ、その子が自己と同程度の生活を維持することができるよう扶養しなければならない。
※民法817条の12第1項
協議で定める枠組みは維持された
このような枠組みは、新民法においても維持されており、新民法第 819条第1項は、父母が協議上の離婚をするときは、その協議で、その双方又は一方を親権者と定めることとしている。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p34
協議で定めるときも子の人格を尊重する
また、新民法第817条の12第1項によれば、父母は、離婚後の親権者を定めるに当たっても、子の意見を適切な形で尊重することを含め、子の人格を尊重しなければならない。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p34
(1)離婚の届書に、親権者と子の氏名を書いて届け出る
協議で定めた親権者は、離婚の届書に書いて届け出ます。書くのは、親権者と定められる当事者の氏名と、その者が親権を行う子の氏名です。親権者の指定を求める申立てがされている場合は、その旨を書きます。
離婚の届出
離婚をしようとする者は、次に掲げる事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
※戸籍法76条
親権者と定められる当事者の氏名(親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされている場合にあつては、その旨)及びその者が親権を行う子の氏名
※戸籍法76条一号
届書への記載
父母の協議によって親権者の定めをするに当たっては、父母は、離婚の届書に、親権者と定められる当事者の氏名及びその者が親権を行う子の氏名を記載し、その旨を届け出なければならない(新戸籍法第 76条)。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p34
(2)親権者が決まっていなくても、申立てをしていれば離婚の届出は受理される
改正前は、協議離婚をするには離婚と同時に親権者を決めなければならず、決まらなければ離婚の届出が受理されませんでした。これに対しては、家庭内暴力などの事情から早期の離婚を望む側が相手の求めに安易に応じ、親権者の定め方が適正さを欠くことになるのではないかという指摘がありました。改正民法は、親権者の指定を求める家事審判または家事調停の申立てがされていれば離婚の届出を受理できるものとし、離婚と親権者の定めを切り離しました。
離婚の届出の受理
離婚の届出は、その離婚が前条において準用する第七百三十九条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないこと及び夫婦間に成年に達しない子がある場合には次の各号のいずれかに該当することを認めた後でなければ、受理することができない。
※民法765条1項
親権者の定めがされていること。
※民法765条1項一号
親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされていること。
※民法765条1項二号
改正前は同時に決めなければ受理されなかった
改正前民法においては、離婚と同時に親権者を父母のいずれに定めるかを決定しなければ離婚届が受理されないこととされていた(改正前民法765条1項、819条1項)
※東京改正家族法研究会編著『詳解 令和6年改正家族法』日本加除出版2026年p7
申立てがされていれば受理できる
新民法第 765条第1項第2号は、この点を改め、離婚時に親権者に関する父母の協議が調っていない場合であっても、親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てがされていれば、協議離婚の届出を受理することができることとしている
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p36
(3)離婚を先に成立させる道を選ぶと、親権者が決まるまでは共同親権のままになる
父母は、従来どおり離婚調停で一体解決を目指すこともできますし、親権者指定の審判・調停を申し立てたうえで離婚だけを先に成立させることもできます。後者を選んだ場合、親権者の指定がされるまでは、婚姻中と同じ共同親権の状態が続きます。そうすると、届出のあとで申立てが取り下げられると、意図しないまま離婚後共同親権になってしまいます。改正法は、この取下げに家庭裁判所の許可を要することとしました。逆に、離婚が成立していないのに離婚後の親権者を定める必要もないので、家庭裁判所は申立人に離婚を証する文書の提出を命ずることができます。
一体解決と切り離し解決を選べる
この仕組みの下では、父母は、離婚には合意しているが、親権者の指定に合意できていない場合、従来どおり離婚調停を申し立てて、あくまで一体解決を目指すのでもよいし、親権者指定の審判や調停を申し立てつつ、先に協議離婚はしてしまうということができる。
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p46
取下げには家庭裁判所の許可が要る
そのため、仮に、協議離婚の届出後に同調停・審判が取り下げられてしまうと、なし崩し的な離婚後共同親権が実現してしまうこととなり妥当でない。
そこで、改正法では、取下げには家庭裁判所の許可が必要とされた(改正後家事法169条の2、同273条3項)。
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p46
離婚を証する文書の提出命令
そこで、親権者指定の審判においては、家庭裁判所は、申立人に離婚を証する文書の提出を命ずることができ、申立人が提出できない場合には申立てを却下できる(改正後家事法169条の3)。
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p46
(4)協議が父母双方の真意に出たものかを確認する措置は、施行までの宿題とされた
離婚と親権者の指定を切り離すこと自体が、協議離婚で不適切な親権者の定めがされることへの手当てでもあります。立案の過程では、協議離婚時の親権者の指定に中立的な第三者の確認を経なければならないとすべきだという意見もありましたが、採られたのは第三者のチェックではなく、親権者の指定だけを裁判所に決めてもらえるようにする道でした。もっとも、国会の審議では合意が真意によるものかを確認する必要が指摘され、施行日までに措置を検討することが附則に加えられています。
国会審議で追加された附則
もっとも、国会審議でも協議離婚時の親権者指定に関する合意が真意によるものであることを確認すべき必要性が指摘され、次のような改正附則が追加修正されている
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p48
改正法附則19条
第19条 政府は、施行日までに、父母が協議上の離婚をする場合における新民法第819条第1項の規定による親権者の定めが父母の双方の真意に出たものであることを確認するための措置について検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとする。
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p48
第三者の確認ではなく裁判所の関与で応えた
しかし、上記の危惧や懸念に対しては、当事者の合意を第三者がチェックするという形で応えるのではなく、離婚と親権者指定を切り離すことができるようにした上で、親権者の指定のみを裁判所に決定してもらうことができることとされた。
※弁護士 池田清貴著『離婚と子どもをめぐる 令和6年家族法改正のキーポイント』ぎょうせい2025年 2月p48
5 協議が調わないときは、家庭裁判所が協議に代わる審判をする
協議が調わないとき、または協議をすることができないときは、家庭裁判所が父又は母の請求によって協議に代わる審判をします。ここから先は、父母が選ぶのではなく裁判所が定める場面です。裁判所が共同と単独のどちらに定めるかは、民法819条7項の判断基準によります。
協議に代わる審判
第一項、第三項又は前項の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、父又は母の請求によって、協議に代わる審判をすることができる。
※民法819条5項
裁判所が父母の双方又は一方を定める場面
父母が裁判離婚をするときや、協議離婚をしようとする父母間において離婚後に共同親権と単独親権のいずれを定めるかについての協議が調わない場合は,裁判所が,父母の双方又は一方を親権者と定めることとなる(民法819条2項・5項参照)。
※東京改正家族法研究会編著『詳解 令和6年改正家族法』日本加除出版2026年p8〜9
6 裁判離婚では、裁判所が判決で親権者を定める
裁判離婚の場合は、裁判所が判決で親権者を定めます。親権者の指定は離婚の訴えに付随して裁判所が必ず判断する事項で、父母の申立てがなくても判断されます。判断に当たっては家庭裁判所調査官による事実の調査ができ、子が15歳以上であるときはその子の陳述を聴かなければなりません。
離婚訴訟で親権者の指定を求める手続(附帯処分等)は、別の記事で説明しています。
離婚訴訟の附帯処分等(子の監護・財産分与・親権者)の申立と審理の理論
附帯処分についての裁判等
裁判所は、第一項の子の監護者の指定その他の子の監護に関する処分についての裁判若しくは親権行使者の指定についての裁判又は前項の親権者の指定についての裁判をするに当たっては、子が十五歳以上であるときは、その子の陳述を聴かなければならない。
※人事訴訟法32条4項
裁判上の離婚の場合の定め
新民法第 819条第2項は、裁判上の離婚の場合には、裁判所は、父母の双方又は一方を親権者と定めることとしており、同条第7項は、その際に裁判所が考慮すべき要素を明確化するとともに、父母の一方を親権者と定めなければならない場合を規定することとしている
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p35
調査官の調査と15歳以上の子の陳述
人事訴訟法によれば、裁判所が離婚の訴えに係る請求を認容する判決において親権者の指定の裁判をするときは、家庭裁判所調査官による事実の調査をすることができ(同法第33条及び第 34条)、子が15歳以上であるときは、その子の陳述を聴かなければならないこととされている(同法第 32条第4項)。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p35
7 子が複数いるときは、子ごとに親権者を定める
未成年の子が複数いるときは、子ごとに親権者を定めます。共同とするか単独とするかも、単独とする場合にどちらを親権者とするかも、子ごとです。一部の子については協議で定め、残りの子については審判・調停の申立てをする、という分け方もできます。
子ごとに定めが異なってよい
なお、離婚する父母間に複数の子がいる場合には、子ごとに親権者の定めが異なることも可能である。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p34
協議離婚でも裁判離婚でも子ごと
協議離婚と裁判離婚のいずれの場合であっても、夫婦の間に複数の未成年の子がいるときは、子ごとに親権者を決めることとなる。
※父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正法の施行準備のための関係府省庁等連絡会議『Q&A形式の解説資料(民法編)』法務省(ウェブサイト公開)令和8年4月22日改訂p9
一部の子だけ申立てをすることもできる
離婚する父母間に複数の子がいる場合には、そのうちの一部の子について離婚時に父母の協議により親権者の定めをする一方で、その他の子について、親権者の指定を求める家事審判又は家事調停の申立てをするということも可能である。
※北村治樹編著『一問一答 令和6年民法等改正―家族法制の見直し(親権・養育費・親子交流等)』商事法務2025年p36
8 いったん定めた親権者は、家庭裁判所の裁判で変更できる
いったん定めた親権者は、子の利益のため必要があると認められるときに、家庭裁判所の裁判で変更できます。父母の協議だけで変更することはできません。改正で変わったのは2点です。変更の方向が、一方から他方へだけでなく、一方から双方へ、双方から一方へも開かれたこと。そして、請求できるのが子の親族だけでなく、子自身にも広がったことです。
親権者・監護権者の変更の手続と要件は、別の記事で説明しています。
親権者・監護権者の変更の手続(家裁の審判・子の意見の聴取)と要件
親権者の変更
子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子又はその親族の請求によって、親権者を変更することができる。
※民法819条6項
変更の方向が3つになった
離婚後に親権者を変更する場合に、父母の一方から他の一方への変更に加えて、父母の一方から父母の双方への変更、又は父母の双方から父母の一方への変更ができることとされた(新民法第819条第6項)。
※高見富二男稿『令和6年民法(家族法制)改正に関する国会論議-離婚後共同親権及び法定養育費制度の導入等-』/『立法と調査470号』参議院事務局企画調整室2024年11月1日p121
子自身も変更を求められる
なお、改正後民法は、親権者変更の請求権者として現行法が「子の親族」としているところを「子又はその親族」とし、子自身も変更を求めることができることとしている(改正後民法819条6項)。
※青竹美佳稿『親権等に関する新たな規律』/『家庭の法と裁判51号』2024年8月p11
(1)協議で定めた親権者を変更するときは、その協議の経過も考慮される
協議離婚で定めた親権者を変更するかどうかを判断するときは、家庭裁判所はその協議がどのように行われたかも考慮します。考慮の中身として条文が挙げているのは、父母の一方から他の一方への暴力等の有無、調停や裁判外紛争解決手続を使ったかどうか、協議の結果を公正証書にしたかどうかです。DVなどを背景に不適正な過程で親権者が定められた場合を是正できるようにするための規定です。
親権者の変更における協議の経過の考慮
第六項の場合において、家庭裁判所は、父母の協議により定められた親権者を変更することが子の利益のため必要であるか否かを判断するに当たっては、当該協議の経過、その後の事情の変更その他の事情を考慮するものとする。この場合においては、当該協議の経過を考慮するに当たっては、父母の一方から他の一方への暴力等の有無、家事事件手続法による調停の有無又は裁判外紛争解決手続(裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(平成十六年法律第百五十一号)第一条に規定する裁判外紛争解決手続をいう。)の利用の有無、協議の結果についての公正証書の作成の有無その他の事情をも勘案するものとする。
※民法819条8項
協議の経過を考慮する
新民法第819条第8項は、親権者の変更の裁判において、家庭裁判所が父母の協議の経過その他の事情を考慮すべきことを明確化することとしている。
※父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正法の施行準備のための関係府省庁等連絡会議『Q&A形式の解説資料(民法編)』法務省(ウェブサイト公開)令和8年4月22日改訂p16
9 施行前に離婚した父母も、双方を親権者とする変更を申し立てられる
改正法の施行前に離婚して単独親権となっている父母も、施行後は、双方を親権者とすることを含む親権者の変更を申し立てることができます。判断の枠組みは、離婚のときの指定と同じです。
施行前に離婚していても申立てができる
改正法施行後は、それまでに離婚している父母も、父母の双方を親権者とすることを含む親権者の変更の申立てをすることができ、裁判所は、子の利益のため、父母と子との関係や父と母との関係その他一切の事情を考慮して判断することとなる。
※父母の離婚後の子の養育に関する民法等改正法の施行準備のための関係府省庁等連絡会議『Q&A形式の解説資料(民法編)』法務省(ウェブサイト公開)令和8年4月22日改訂p15
10 おわりに
親権者を定める場面は4つ——父母の協議、協議に代わる審判、裁判離婚の判決、そして変更の裁判です。改正で入口が広がり、親権者が決まらないままでも離婚だけを先に成立させる道ができました。どの場面でも、共同と単独のどちらに定めるかは同じ基準で判断されます。
裁判所が共同と単独のどちらに定めるかの判断基準は、別の記事で説明しています。
共同親権か単独親権かの判断基準(民法819条7項)|必要的単独親権と総合考慮の二段構造
単独親権と定める場合に父母のどちらを親権者とするかは、別の記事で説明しています。
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。
本記事の引用は、書籍・判例などの原文から範囲を選んで載せたものです。改行の位置は読みやすさのために当方で整えており、原文の改行と同じとは限りません。また、記号や外字の扱いにより、文字の一部が原文と異なって表示されることがあります。
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