1 出生届|提出義務・期限|基本
2 出生届|提出義務違反→罰則
3 出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|不合理
4 出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|無戸籍児
5 無戸籍児|出生届未提出×罰則|正当な理由
6 嫡出推定・誤作動→無戸籍児×公的制度

1 出生届|提出義務・期限|基本

嫡出推定が『誤作動』を生じることがあります。
対策として,出生届を提出しない方法があります。
『無戸籍児』としておく方法です。
(別記事『嫡出推定・誤作動・出生届』;リンクは末尾に表示)
本記事では『無戸籍児』とする方法に関して説明します。
無戸籍児は『出生届の提出義務』と形式的に抵触します。
出生届の提出義務についてまとめます。

<出生届|提出義務・期限|基本>

あ 提出義務者

次の者が出生届を提出する義務がある
ア 嫡出子の場合→父or母
イ 非嫡出子の場合→母
※戸籍法52条1項,2項

い 期限

出生から14日以内
※戸籍法49条1項

2 出生届|提出義務違反→罰則

出生届の提出義務違反については罰則が規定されています。

<出生届|提出義務違反→罰則>

あ 手続遂行による免除なし

嫡出否認の手続を行っていても出生届提出義務はある
※戸籍法53条

い 違反への罰則

正当な理由がなく期限内に出生届を提出しない
→法定刑=過料5万円以下
※戸籍法135条

3 出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|不合理

出生届の提出義務は状況によっては厄介=不合理となります。

<出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|不合理>

あ 形式的適用×不合理

嫡出推定の誤作動が生じている
+仮に出生届提出をそのまま適用した場合
→真実ではない戸籍の記録作成を強制することになる

い 真実ではない戸籍の記録

『真の父ではない人』が戸籍上『父』として記録される
後から『訂正』を行っても『過去の記録』としては残る

う 常識的感覚

子の戸籍に『本当の父ではない男性』を記録として残したくない

4 出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|無戸籍児

出生届提出による不都合を回避する方法があります。
『無戸籍児』とする方法です。

<出生届|提出義務×嫡出推定の誤作動|無戸籍児>

あ 実務的対応方法

嫡出推定の誤作動が生じている場合
→実務上『出生届の提出留保』が行われている
=所定の手続完了までは出生届を提出しない

い 法務省→黙認

法務省のウェブサイトには『無戸籍児』の説明がなされている
『無戸籍児』の救済的運用が示されている
外部サイト|法務省|民法772条(嫡出推定制度)及び無戸籍児を戸籍に記載するための手続等について

う 公的手続→サポート

無戸籍児であると公的手続で不都合が生じるはず
→不都合の大部分は運用上回避されている(後記)

え ネーミング

『民法772条による無戸籍児』と呼んでいる

5 無戸籍児|出生届未提出×罰則|正当な理由

無戸籍児とする方法は一般的に利用されています(前述)。
このことと『罰則』の関係について整理します。

<無戸籍児|出生届未提出×罰則|正当な理由>

あ 罰則×実務的運用

過料の罰則は通常適用されていない

い 罰則適用なし|解釈論

『正当な理由』があれば罰則は適用されない
背景となる事情が『正当な理由』と言える可能性がある(後記)
ただし,公的な見解があるわけではない

う 正当な理由|例

真実ではない父が戸籍に記録されてしまうこと

6 嫡出推定・誤作動→無戸籍児×公的制度

無戸籍児とする方法は一般に活用されています。
しかし子が『戸籍に記載がない』状態となります。
行政などの公的手続で不都合が生じます。
しかし運用上,大部分の不都合が回避されています。
これについては別に説明しています。
(別記事『嫡出推定・誤作動|無戸籍児×公的制度』;リンクは末尾に表示)