上告受理制度が平成8年改正で設けられた理由と現在の運用

1 上告受理制度が平成8年改正で設けられた理由と現在の運用

民事訴訟で最高裁判所の判断を求める道は2つあります。上告と、上告受理の申立てです。このうち上告受理の申立ては、平成8年に民事訴訟法が全面的に改められたときに設けられた、それまでに無かった制度です。

旧法から現行法へ移るときに何が問題にされ、どういう理屈でこの形が選ばれたのかは、条文を読んでも分かりません。

本記事では、上告受理制度が設けられた理由と、現在の運用の姿を説明します。

2 法令解釈の統一に専念するための改正=受理は年100件超

本記事の結論を先にまとめます。いずれの行も、後述の各節で出典を挙げて説明します。

上告受理制度が設けられた理由と、現在の運用

あ 改正の内容(旧法と何が違うか)

(ア)旧法は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反も最高裁判所への上告理由としていた。現行法はこれを上告理由から外し、318条1項の上告受理の申立てへ移した。(イ)318条の制度を「裁量上告」、312条の制度を「権利上告」と呼ぶことがある。審判するかどうかが裁判所の裁量に委ねられているかどうかによる呼び分けである。

い 改正の理由(なぜ変えたか)

(ア)理由は2つ=①上告事件数の増加による負担過重 ②法令違反の主張の実質が原審の事実認定への不服であり、最高裁判所が憲法判断と法令解釈の統一という責務を果たすことが困難だったこと。(イ)負担軽減だけを目的とした改正ではない。立案担当者は、国民の裁判を受ける権利を不当に制限するものでもないと説明した。(ウ)法令違反を一切最高裁判所へ上訴させないという立法政策もあり得たが、最高裁判所が判断を示して法令解釈を統一すべき場合があることは否定できないので、受理の道を開いた。

う 現在の運用(どのくらい受理され、どうなるか)

(ア)受理決定は年間100件を超えることが多い。受理された事件の7割から8割は破棄判決で、2割から3割は原審の判断が維持される場合でも受理されている。受理された事件の7割近くが最高裁判所の判例集に登載されている。(イ)破棄判決の件数と割合は旧法下の上告事件を超えるほどになっており、法令違反に対して上告受理制度は有効に機能していると考えられている。(ウ)受理決定では重要でない理由が排除されることが多い。申立ての理由に挙げられていない論点を職権で取り上げることは、制度の予定するところではない。(エ)近年は実体法も手続法も改正が相次ぎ、新しい条文についての解釈が求められる事件も増えている。

え 新規立法の実例(施行後どのくらいで取り上げられたか)

(ア)同じ「法令の解釈に関する重要な事項」を基準とする許可抗告では、施行から4年3か月以内の新しい規定について最高裁判所が判断を示した例が3件ある。(イ)ただし3件はいずれも許可抗告で、許可の判断をしたのは高等裁判所である。最高裁判所が自ら選んで受理したものではない。

3 法令違反の扱い=旧法は上告理由・現行法は318条の裁量上告

旧法(平成8年改正前の民事訴訟法)では、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反も、最高裁判所への上告の理由でした。現行法はこの事由を最高裁判所への上告の理由から外し、憲法違反と絶対的上告理由だけに限りました。外された法令違反は、上告受理の申立て(318条1項)の側へ移りました。

現行法は平成8年に成立し、平成10年1月1日から施行されています。したがって、旧法のもとで書かれた裁判例を読むときは、法令違反がどちらの枠で争われたものかを見る必要があります。

逐条解説は、この組み替えを最高裁判所の責務から説明しています。

法令違反を上告理由から外し318条へ移した趣旨

現行法は、最高裁判所に対する上告については、旧法と異なり、最高裁が憲法判断および法令解釈の統一という本来の責務を果たせるように、上告理由を、憲法違反および絶対的上告理由に限定し、絶対的上告理由以外の法令違反については、本条によって、最高裁が、法令の解釈に関する重要な事項を含むものと認められる事件について、申立てにより上告審として事件を受理することができることにした

※秋山幹男ほか著『コンメンタール民事訴訟法Ⅵ』日本評論社2014年p356

この2つの制度は、審判するかどうかが裁判所の裁量に委ねられているかどうかで呼び分けられることがあります。

「裁量上告」と「権利上告」の呼び分け

本条に定めるように上告事件として審判するか否かを裁判所の裁量に委ねる制度を「裁量上告」といい、312条に定めるように、当事者が一定の上告理由を主張すれば裁判所は必ず上告事件として審判しなければならない制度を「権利上告」と呼ぶこともある

※秋山幹男ほか著『コンメンタール民事訴訟法Ⅵ』日本評論社2014年p356

4 改正の理由=上告の増加と、法令違反の主張の実質が事実認定への不服

現行法が上告の制度を改めた理由は、2つに整理されています。1つは、当時すでに上告事件が増えていて、刑事の上告事件その他を併せると最高裁判所が負担過重の状態にあったことです。もう1つは、旧法が広く法令違反を上告理由としていたために、形式的には法令違反を主張していても実質は原審の事実認定への不服をいうものが多く、最高裁判所が憲法判断と法令解釈の統一という責務を果たすことが困難な状況にあったことです。

最高裁判所の民事上席調査官らは、この2つを次のように述べています。

改正の理由→上告事件の増加と、法令違反の主張の実質

現行法が最高裁に対する上告制度を改正した理由は、
(1)その当時、民事訴訟等の上告事件数が増加しており、刑事上告事件その他の事件数をも考えると負担過重の状態にあった
(平成6年の民事・行政訴訟の上告事件の新受件数は、2772件〔特別上告を含む。以下同じ〕)
上、今後も最高裁が憲法裁判所及び最終審裁判所としての判断を求められる事件が一段と増加することが予想され、また、
(2)旧法が広く原判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反を上告理由として規定していたので、形式的には上告理由として法令違反を主張しているが、その実質は原審の事実認定に不服をいうものが多い等の問題があり、最高裁が憲法判断及び法令の解釈の統一という責務を果たすことが困難な状況にあったためであった

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p6

(1)負担軽減だけを目的とした改正ではない

負担が過重だったことが理由に挙がっているため、この改正は最高裁判所の事務を軽くするためのものだと読まれることがあります。立案担当者は、国会でこれを否定しました。

負担軽減だけを観点とするものではない(立案担当者の答弁)

単に最高裁判所の負担軽減ということを観点とするものではございませんし、国民の裁判を受ける権利を不当に制限するということでもないというふうに理解しているところでございます。

※濱崎恭生/『第136回国会参議院法務委員会会議録第8号』参議院1996-06-13p24

(2)上訴させない立法政策との違い=統一すべき場合は否定できない

負担を軽くすることだけを考えるなら、法令違反は一切最高裁判所へ上訴させないという立法政策もあり得ました。そうしなかったのは、最高裁判所が判断を示して法令解釈を統一すべき場合があることを否定できないからです。受理の道が開かれているのは、そのためです。

上訴させない立法政策との違い→統一すべき場合は否定できない

立法政策としては、上告理由を憲法違反および絶対的上告理由に限り、それ以外の法令違反は最高裁判所に上訴することはできなくするという選択肢もあるが、最高裁が判断を示して法令解釈を統一すべき場合があることは否定できないので、法令解釈に関する重要な事項を含む事件については、当事者に上告受理の申立てをすることを認め、最高裁がこれを受理して判断を示す道を開いたものである

※秋山幹男ほか著『コンメンタール民事訴訟法Ⅵ』日本評論社2014年p356

5 受理は年100件超=7〜8割が破棄・7割近くが判例集登載

上告受理の申立ては増え、受理決定の件数も増えました。受理された事件の多くは原判決が破棄され、最高裁判所の判例集に登載されています。

制度の運用を担う側は、受理決定の件数を次のように報告しています。

受理決定の件数→年間100件を超えることが多い

それに伴って受理決定の件数も増加してきており、最近では年間100件を超えることが多くなってきている(別表4)

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p8

受理されたあとの結果は、次のとおりです。2割から3割は原審の判断が維持されており、結論が変わらない事件でも受理されていることが分かります。

受理された事件の結果→7〜8割が破棄・7割近くが判例集登載

前記のとおり、受理決定がされた事件の7割から8割は破棄判決がされており、2割から3割は、原審の判断を維持して上告棄却判決をする場合であっても受理決定がされている
(受理された事件の7割近くは、最高裁の判例集〔最高裁民事判例集又は最高裁裁判集民事〕に登載されている。)
が、この数値からも、総合的な判断がされていることがうかがわれる

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p9

(1)旧法下の上告事件を超える破棄判決の件数・割合=制度は有効に機能

破棄判決の件数と割合は、旧法下の上告事件のそれを超えるほどになっています。法令違反に対する救済という面で見ると、上告受理制度は旧法の上告よりも働いていることになります。

破棄判決の件数・割合→旧法下の上告事件を超える

別表5―1のとおり、上告受理申立て事件における破棄判決の件数及び割合は、旧法下の上告事件における破棄判決の件数及び割合を超えるほどになっているのであり、法令違反に対しては、上告受理制度が有効に機能していると考えられる

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p8

(2)受理決定の範囲=重要でない理由は排除され、職権では取り上げない

受理されても、申立ての理由の全部が審理されるわけではありません。重要でないと判断された理由は排除されます。逆に、申立ての理由に挙げられていない論点は、原判決に誤りがあっても取り上げられません。

受理決定の範囲→重要でない理由の排除と、職権で取り上げないこと

上告受理の申立ての理由中には、法令の解釈に関する重要な事項とは認められないものが含まれていることが多いので、受理決定においては、排除された部分があることが多い(民訴法318条3項)。
上告受理申立ての理由に法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められない場合は、受理の根拠を欠くことになるから、職権調査事項について原判決に誤りがある場合や上告受理申立て理由として主張された事由以外に法令違反がある場合も、受理の対象とはならない。
職権で論点を取り上げることは、上告受理制度の予定するものではない

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p9

6 法改正が相次ぐ近年=新しい条文の解釈が求められる事件の増加

最高裁判所へ上がる事件は、数が増えただけでなく、内容も複雑になっています。そのうえ、近年は実体法も手続法も改正が相次いでいるため、まだ最高裁判所の判例がない新しい条文の解釈が求められる事件も増えています。

運用を担う側は、この傾向を次のように述べています。

新しい条文についての解釈が求められる事件の増加

また、近年、実体法も手続法も法改正が相次ぎ、新しい条文についての解釈が求められることも増えてきている

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p10

7 許可抗告の許可の基準=上告受理と同一、許可の判断は高等裁判所

新しい条文の解釈が実際にどのくらいの早さで最高裁判所に取り上げられているかは、上告受理の側だけを見ていては分かりません。同じ「法令の解釈に関する重要な事項」を基準とする手続が、もう1つあります。高等裁判所の決定・命令に対する許可抗告(337条)です。

以下では、許可抗告の基準が上告受理と同一であることを確かめたうえで、施行からそれほど経っていない規定について最高裁判所が判断を示した例を3つ順に見ます。会社法、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律(ハーグ条約実施法)、そして相続法の改正で設けられた特別の寄与の制度です。

許可抗告の基準は、上告受理の申立ての受理・不受理の基準と同一です。違うのは、その判断をするのが最高裁判所ではなく高等裁判所である点です。

運用を担う側は、基準が同一であることと、判断を高等裁判所に委ねた理由を次のように述べています。

許可抗告の許可の基準→上告受理と同一・判断するのは高等裁判所

許可の基準は、当該事件が「法令の解釈に関する重要な事項」を含むか否かであり、上告受理申立ての受理、不受理の基準と同一であるが、その判断を上告受理制度と同様に最高裁が行うことにすると、上告受理制度の導入により最高裁の負担が一定程度軽減されたとしても、全体としての負担は旧法下の最高裁に対する上訴制度よりも過重となり、最高裁が憲法判断及び法令の解釈の統一という本来の責務を十分に果たすことが困難になり、民訴法改正の趣旨が没却されるおそれがあるため、高裁が許可、不許可の判断をすることとされたものである(一問一答375頁)

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p9

(1)会社法109条1項・247条→公布から2年0か月で最高裁の判断

会社法は平成17年7月26日に公布され、その附則1項は、公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内で政令が定める日から施行すると定めていました。最高裁判所が同法109条1項と247条の解釈を示したのは、公布から2年0か月後です。施行からは、長くとも2年0か月ということになります。

争われたのは、買収に対抗して行われる新株予約権の無償割当てが株主平等の原則の趣旨に反するかでした。原々審からこの決定までは約2か月で、同じ論点についての他の下級審の裁判例は積まれていません。

会社法109条1項の株主平等の原則の趣旨→新株予約権無償割当てにも及ぶ

しかし、株主は、株主としての資格に基づいて新株予約権の割当てを受けるところ、法278条2項は、株主に割り当てる新株予約権の内容及び数又はその算定方法についての定めは、株主の有する株式の数に応じて新株予約権を割り当てることを内容とするものでなければならないと規定するなど、株主に割り当てる新株予約権の内容が同一であることを前提としているものと解されるのであって、法109条1項に定める株主平等の原則の趣旨は、新株予約権無償割当ての場合についても及ぶというべきである

※最高裁判所 2007-08-07 民集 61巻5号2215頁/裁時 1441号1頁/裁判所ウェブサイト/判タ 1252号125頁/判時 1983号56頁/金法 1820号47頁/金商 1279号19頁/金商 1273号2頁/旬刊商事法務 1809号16頁/資料版商事法務 281号107頁/商事法務別冊 311号59頁

(2)ハーグ条約実施法28条1項・117条1項→施行から3年8か月で最高裁の判断

ハーグ条約実施法は、平成26年4月1日に施行されました。最高裁判所が同法28条1項と117条1項の適用について判断を示したのは、施行から3年8か月後です。

争われたのは、確定した子の返還命令を、その後の事情の変更によって変更できるかでした。

ハーグ条約実施法28条1項・117条1項の適用→確定した返還命令の変更

そうすると、米国に返還されることを一貫して拒絶している長男及び二男について、実施法28条1項5号の返還拒否事由が認められるにもかかわらず米国に返還することは、もはや子の利益に資するものとは認められないから、同項ただし書の規定により返還を命ずることはできない。また、長女及び三男については、両名のみを米国に返還すると密接な関係にある兄弟姉妹である本件子らを日本と米国とに分離する結果を生ずることなど本件に現れた一切の事情を考慮すれば、米国に返還することによって子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があるというべきであるから、同項4号の返還拒否事由があると認めるのが相当である。
したがって、変更前決定は、その確定後の事情の変更によってこれを維持することが不当となるに至ったと認めるべきであるから、実施法117条1項の規定によりこれを変更し、本件申立てを却下するのが相当である

※最高裁判所 2017-12-21 裁判集民 257号63頁/裁時 1691号10頁/裁判所ウェブサイト/判タ 1449号94頁/判時 2372号16頁/家庭の法と裁判 15号84頁

(3)民法1050条(特別の寄与)→施行から4年3か月で最高裁の判断

相続法の改正で設けられた特別の寄与の制度(民法1050条)は、令和元年7月1日に施行されました。最高裁判所が同条5項の負担割合について判断を示したのは、施行から4年3か月後です。

争われたのは、遺言で相続分がないものと指定された相続人が、遺留分侵害額請求権を行使した場合に特別寄与料を負担するかでした。

民法1050条5項の負担割合→遺留分侵害額請求権の行使で修正されない

民法1050条5項は、相続人が数人ある場合における各相続人の特別寄与料の負担割合について、相続人間の公平に配慮しつつ、特別寄与料をめぐる紛争の複雑化、長期化を防止する観点から、相続人の構成、遺言の有無及びその内容により定まる明確な基準である法定相続分等によることとしたものと解される。このような同項の趣旨に照らせば、遺留分侵害額請求権の行使という同項が規定しない事情によって、上記負担割合が法定相続分等から修正されるものではないというべきである。
そうすると、遺言により相続分がないものと指定された相続人は、遺留分侵害額請求権を行使したとしても、特別寄与料を負担しないと解するのが相当である

※最高裁判所 2023-10-26 民集 77巻7号1911頁/裁時 1826号63頁/裁判所ウェブサイト/判タ 1523号106頁/判時 2607号69頁/金法 2253号60頁/家庭の法と裁判 52号75頁

(4)3件はいずれも許可抗告=許可された事件には趣旨に沿わない運用も多い

以上の3件はいずれも許可抗告で、許可の判断をしたのは高等裁判所です。最高裁判所が自ら選んで受理したものではありません。したがって、ここから言えるのは、同じ基準のもとで、施行から4年3か月以内の新しい規定の解釈が現に取り上げられたということまでです。

許可抗告の運用そのものには、次の指摘があります。許可された事件の中には制度の趣旨に沿わないものも多いというもので、許可されたこと自体を重く見すぎてはならないことになります。

許可された事件→制度の趣旨に沿わない運用も多い

もっとも、別表6のとおり、許可抗告の決定のうち最高裁の判例集に登載されたものの割合が、1割から2割程度にとどまっていることからもうかがわれるとおり、許可された事件の中には、単なる事実認定に関する事項又は専ら受訴裁判所の裁量に属すると考えられる事項について許可をしたものも少なくなく、制度の趣旨に沿わない運用も多く見受けられる

※福田剛久ほか稿『最高裁判所に対する民事上訴制度の運用』/『判例タイムズ1250号』2007年11月p10

8 「法令の解釈に関する重要な事項」に当たる場合(概要)

どういう事件が「法令の解釈に関する重要な事項を含む」といえるのかは、本記事で述べた改正の理由がそのまま効いてくるところです。該当する類型と考慮要素については、別の記事で説明しています。

「法令の解釈に関する重要な事項」に当たる場合|民事訴訟法318条1項

9 おわりに

上告受理制度は、最高裁判所が憲法判断と法令解釈の統一という責務に専念できるようにするために設けられたものです。負担の軽減だけを目的としたものではなく、最高裁判所が判断を示して法令解釈を統一すべき場合のために、受理の道が開かれています。

運用の面でも、受理決定は年100件を超えることが多く、受理された事件の多くが破棄され、判例集に登載されています。法改正が相次ぎ、新しい条文の解釈が求められる事件が増えていることも、制度を担う側から報告されています。

本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

本記事の引用は、書籍・判例などの原文から範囲を選んで載せたものです。改行の位置は読みやすさのために当方で整えており、原文の改行と同じとは限りません。また、記号や外字の扱いにより、文字の一部が原文と異なって表示されることがあります。

本記事の表示では、読点を「、」に統一しています(引用の原文が全角の「,」や半角の「,」である場合を含みます。ただし「1,000」のような桁区切りはそのまま表示しています)。

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