【証人・当事者尋問の事前打ち合わせ|証人へのアドバイス】

1 弁護士・証人予定者の事前準備|打ち合わせ
2 証人へのアドバイス|誠実・公平な態度が有利
3 証人へのアドバイス|はっきり・ゆっくり答える
4 証人へのアドバイス|質問に対応する答え
5 証人へのアドバイス|『知らない』という答え
6 証人へのアドバイス|挑発流し・議論なし
7 証人へのアドバイス|関係性は正直に
8 証人尋問に関する全般的注意事項

1 弁護士・証人予定者の事前準備|打ち合わせ

本記事では『証人・当事者尋問』の事前準備について説明します。
事前準備のやり方次第で訴訟の結果が大きく違ってくることもあります。
有利な結果の獲得には必須です。
また,証人となる方の気持ちの負担を権限するためにも不可欠です。
この点,規定上も義務として定められています。

<弁護士・証人予定者の事前準備|打ち合わせ>

『証人について事実関係を詳細に調査する』義務がある
→弁護士は証人予定者と事前に打ち合わせをする義務がある
※民事訴訟規則85条

以下,証人へのアドバイスとなる事項をまとめます。
実際には,打ち合わせの際に弁護士から説明する内容です。

2 証人へのアドバイス|誠実・公平な態度が有利

<証人へのアドバイス|誠実・公平な態度が有利>

あ 誠実・公正な態度→有利

誠実・公正な態度で証言する
→信頼性が醸し出される
→証言内容どおりの事実認定につながる

い 敵対心を表面化→不利

反対尋問に対してムキになる・敵対心を表に出す
→信頼性を低下させる

3 証人へのアドバイス|はっきり・ゆっくり答える

<証人へのアドバイス|はっきり・ゆっくり答える>

あ 基本的事項

質問に対して,はっきり・ゆっくり答える
→記憶がしっかりしているという印象を生じる
→証言内容どおりの事実認定につながる

い 言い方の例

ア 『・・・と思います』→△イ 『・・・です』→◯

4 証人へのアドバイス|質問に対応する答え

<証人へのアドバイス|質問に対応する答え>

あ 基本的事項

質問に対応する形で答える
→記憶がしっかりしているという印象を生じる(前述)

い 具体的注意点

ア 質問をよく聞くイ 理由・根拠は答えない 答えの理由・根拠も付け加えたくなる
しかし,質問されない限り答えない方が良い
必要な回答は『質問する弁護士』がコントロールする

5 証人へのアドバイス|『知らない』という答え

<証人へのアドバイス|『知らない』という答え>

あ 基本的事項

知らないことは『知らない』と答える

い 具体的注意点

特に反対尋問では『いろいろな角度で』質問されることがある
→想像で答えたくなってしまう
しかし,想像での回答を続けると小さな矛盾が生じやすい

う 味方弁護士からのフォロー

『意見を求める質問』として異議を出す
→質問を抑止する

6 証人へのアドバイス|挑発流し・議論なし

<証人へのアドバイス|挑発流し・議論なし>

あ 反対尋問のありがちな傾向

『挑発的』な質問をする
→証人を怒らせる
→不用意な発言を引き出す+信用性を低下させる

い 対策|基本的事項

冷静に,客観的な回答だけを発言する

う 具体的注意点

ア 挑発には乗らないイ 議論しない

7 証人へのアドバイス|関係性は正直に

<証人へのアドバイス|関係性は正直に>

あ 当事者との関係性の質問

証人と当事者の関係を質問されることがある
→信用性を判断する事情となる

い 対策|基本的事項

関係性について正直に答える
淡々と答えるのがベストである

う 具体的注意点

『良好な関係・利害関係』を否定した方が良いと思ってしまう
→しかしウソを言うと『矛盾が生じる』ことがある
→『ウソ』と発覚すると証言全体が一気に信用されなくなる
→著しく不利になる

8 証人尋問に関する全般的注意事項

以上の説明は主に『証言をする時』のアドバイスでした。
証人尋問全般についての注意点は別にまとめてあります。
詳しくはこちら|証人尋問|事前準備・法廷に行くまで|服装・持参品・法廷での待機
詳しくはこちら|証人尋問|スタート|人定質問・宣誓書朗読・尋問の順序・待機場所
詳しくはこちら|証人尋問|証言中|アクシデント・休廷・弁護士のフォロー

<参考情報>

『月報司法書士』日本司法書士連合会2014年1月p42〜

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