【デジタル証拠×証拠方法|アクセスログ・電子カルテ・プログラム】
1 デジタル証拠|アクセスログ・電子カルテ|特性・注意点
デジタル証拠の種類ごとに、提出方法や注意点を説明します。
『アクセスログ・電子カルテ』を証拠として使うこともあります。
この場合の特性・注意点をまとめます。
デジタル証拠|アクセスログ・電子カルテ|特性・注意点
あ 内容理解のハードル
本体の内容自体を見ても、裁判官が直ちには理解できない
→『鑑定』に類似する
い アクセスログ×改竄可能性
アクセスログはサーバー上に保存されている
→サーバー自体の管理権限がない限り、改竄は通常できない
う 電子カルテ×改竄可能性
変更履歴が残される
→改竄は困難である
変更履歴の調査から改竄が発覚するケースもある
※大阪地裁平成24年3月20日
2 デジタル証拠|アクセスログ・電子カルテ|提出方法
アクセスログ・電子カルテを証拠として提出する方法をまとめます。
デジタル証拠|アクセスログ・電子カルテ|提出方法
あ 基本事項=書証
プリントアウトを書証として提出する
い 解説書面・説明文
ア 解説書面を添付するイ 説明文を書面内に付記する
う 専門委員の関与or鑑定の利用
内容の理解・信用性判断が難しい場合
→専門委員制度・鑑定を活用する
→専門家による説明・解説がなされる
詳しくはこちら|民事訴訟における専門委員の関与の制度(性質・決定の要件)
3 デジタル証拠|プログラム|特性
プログラムの内容を立証の一環として使うこともよくあります。
通常は書かれた状態の『ソース・コード』『スクリプト』を提出します。
プログラムの証拠としての特性をまとめます。
デジタル証拠|プログラム|特性
理解困難である傾向が強い
プログラムのソース自体を見ても、裁判官が理解できない
ソースファイルは通常膨大かつ複雑である
専門家が理解すること自体が困難な傾向がある
4 デジタル証拠|プログラム|提出方法
プログラムを証拠として提出する方法についてまとめます。
デジタル証拠|プログラム|提出方法
あ 基本事項
プログラムのソースのプリントアウトを書証とする
い 開発段階資料
ソース以外に『設計』が分かる資料も書証として提出する
例;論理設計書・仕様書
う 非公式説明=実演
調停や訴訟の弁論準備手続の場において
→プログラムをPCにより実際に実行する
『職権による付調停・専門委員制度』の制度が活用できる
※東京高裁平成25年7月24日;みずほ証券・東証事件
5 プログラム×証拠|みずほ証券・東証事件
実際にプログラムが訴訟での証拠として採用された典型事例を紹介します。
プログラム×証拠|みずほ証券・東証事件
あ 事案
東京証券取引所のシステムに『誤発注の取消』ができない事態が生じた
原因はプログラム上のバグであった
損失を被った者から損害賠償請求がなされた
い 争点
売買システムのプログラム上のバグの有無・内容
→過失の有無・程度
う 裁判所の判断
東京証券取引所に対してソースコードの開示が求められた
ソースコードが証拠として採用された
『売買停止義務違反』を認めた
東京証券取引所の『重過失』を認めた
→免責規定は適用されないこととなった
※東京高裁平成25年7月24日;みずほ証券・東証事件
本記事は一般的な説明です。個別の事案にそのまま当てはまるとは限らず、一見似ている事案でも、事情が異なれば結論は異なります。個別的事情により、法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。本記事でご説明したものと同様の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。


